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【レビュー】CYCLAMI「TPUチューブ(18-32C/樹脂+金属/45mmバルブ)」
評価:3
中国・CYCLAMIのTPUチューブ。
根本側が樹脂、先端側が金属のハイブリッドバルブを採用しているモデルです。
購入動機
以前、CYCLAMIの金属バルブTPUチューブを購入しました。
空気の抜けが早い

こちらのチューブ、重量・性能・乗り心地・耐久性はなかなか良かったんですが、「空気の抜けが早い(空気圧の自然低下が早い)」という弱点がありました。通常のブチルチューブに比べて1.5-2倍の早さで空気が抜けていきます。
24時間で約0.3気圧、一週間で約2気圧の低下。ラテックスチューブに比べればマシですが、早いです。600kmブルベ(40時間)で0.5気圧ほど抜けてしまうと考えると、ちょっと使うことを躊躇してしまいます。
バルブ素材に原因があるのでは?
TPUチューブ全ての空気抜けが早いわけではありません。TPUという素材は厚さあたりのガスバリア性能が高いと言われており、空気保持力は高いはず。
しかし、CYCLAMIのTPUチューブはこれまで使ってきた中でも一番空気抜けが早かったのです。
CYCLAMIのTPUチューブだけにある特徴といえば、「金属バルブを採用している」という点。一般的なTPUチューブは樹脂バルブを採用しています。金属バルブを採用したことで、チューブとバルブの接着面から空気が漏れやすくなっているのでは?と推測していました。
ハイブリッドバルブ版を発見
そんなことを考えていた所、発見したのが今回レビューするチューブになります。
同じCYCLAMIですが、バルブの根本が樹脂・先端が金属となっている「ハイブリッド」バルブのバージョンです。
私は、「チューブ(TPU)とバルブ(金属)の接着に問題があって空気漏れが早い」という仮説を置いていました。で、あればチューブと接触する部分が樹脂バルブになるハイブリッド版は空気漏れの早さが解決されている可能性があります。
早速、購入して試してみることにしました。
製品概要
実測重量は30g(45mmバルブ)。バルブ長は、45/65/85mmがあります。
素材はTPU(チューブ)、樹脂+アルミ合金(バルブ)です。対応するタイヤ幅は、700×18-32Cまで。
- 説明書
- アルコールパッド(パンク修理時のチューブ拭き用)
- 修理用パッチ
- バルブ保持用シール
- タイヤレバー
使用感
リムブレーキのロードバイクに取り付けて、週末のロングライド・ブルベ用途に使用。タイヤは、GOODYEAR EAGLE F1R(28C)です。

重量
公称重量は30gで、実測も30gでした。ぴったり。
金属バルブ版は公称重量38gだったので、少し軽くなっています。バルブだけで8gも軽くなることはないと思うので、チューブ側が少し薄くなったか細くなったか。
付属品

CYCLAMIは金属バルブ版も付属品が多かったんですが、さらに増えてます。
タイヤレバーが付くようになり、バルブキャップもプラからアルミに変わっています。やたらサービス料理が出てくるインド料理屋のような。

バルブにネジ切りがされていない(バルブナットが使えない)ので、音鳴りを防止するためのシールも付属します。
バルブ

さて、肝心のバルブです。
見ての通り、根元側が樹脂・先端側が金属(恐らくアルミ)という変わった構造です。RideNowにも同様の構造のバルブはありますね。

ちょっと驚いたのは、バルブコアが接着されていることです。
普通、金属バルブの場合はバルブの筒内部にネジ切りをして、そこにバルブコアをねじ込むのが普通。RideNowはそうなっています。
しかし、CYCLAMIは筒とバルブコアが接着されていて外れません。なんでこんな不思議な作りをしているのか……謎です。
取付
他のTPUチューブと同様、0.5気圧(本製品は8PSIと表記)以下で少し膨らませた状態で取り付けます。

バルブの太さは、樹脂部分が6.07mm、金属部分が5.97mm。どちらもバルブの標準規格の太さを下回っているので、すんなりバルブホールを通ってくれます。
走行性能

取り付けて走ってみましたが、金属バルブ版と印象は同じです。TPUチューブらしい漕ぎ出しの軽さがあり、そしてTPUチューブにしては乗り心地が柔らかめ。
乗り味的には、TPUチューブの中でも上位です。
空気の抜け
さて、問題の「空気の抜けの早さ」ですが。結論から言うと、金属バルブ版とほぼ変わりませんでした。
1週間で、約2気圧の低下。24時間あたりにすると約0.3気圧で、ブチルチューブの倍ペースです。
バルブ根本が樹脂になり、樹脂+TPUの接着に変わったことから、空気抜けの早さは改善されると見ていましたが……そうはなっていませんでしたね。どこから漏れてるんでしょう。チューブ自体の素材が他社よりもガスバリア性が低いとか?
大きさ
コンパクトで、ツール缶などに入れての携行はしやすいと思います。バルブの太さも問題ないので、予備チューブとして使う際にも安心であるはず。
耐久性
まだ使用開始から500km程度しか乗っていないので、耐久性は未知数です。今の所パンクなし。
寿命を迎えた段階で追記します。
価格
2本で2980円です。
金属バルブ版よりもかなり手間の掛かりそうな作りをしていますが、価格は金属バルブ版とほぼ同じです。
まとめ
ハイブリッド素材のバルブを採用したTPUチューブ。走行性能は良いと思いますが、空気抜けはブチルより早いです。ロングライドで使用する場合には空気圧管理にご注意を。
金属バルブ版の方が部品点数が少なく不具合が出にくそうなので、私がどちらかを選ぶなら金属バルブ版にすると思います。
評価
対象モデル: CYCLAMI「TPUチューブ(18-32C/樹脂+金属/45mmバルブ)」
年式: 2024年
定価: 1490円
購入価格: 1490円
公称重量: 30g
実測重量: 30g
価格への満足度
ブチルチューブ並の価格。
総合評価
金属バルブ版と評価はほぼ同じ。全体的に良く出来ているが、空気の抜けが早い。
著者情報
年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。