【レビュー】Ergon「GP2-S」

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評価:4

Ergonのフラットバー用グリップ。かなりのバリエーションがあります。

今回レビューするのは、「GP2-S Gripshift用」です。

目次

購入動機

クロスバイクの改修用に購入しました。

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とはいえ、交換前も同じものを使っていましたので、今回で2本目。表面がかなり擦れてしまったので、再購入。気に入っていたのでリピートと言うことになります。

1本目の購入は2013年。クロスバイクでの「東京大阪キャノンボール」達成を見据えて購入しました。

クロスバイクを購入した当初は軽量なスポンジ製のグリップを使っていましたが、200kmブルベに参加したことをキッカケに買い替えを決めました。ポジションの選択肢が無かったからです。

ロードバイクであれば、ブラケット・上ハン・下ハンと3種類のポジションを選べますが、フラットバーにスポンジグリップだと1種類のポジションしかありません。200kmブルベで手のしびれが出てしまい、ポジションの選択肢を増やそうと思い立ちました。

フラットバーでポジションを増やすといえば、普通はバーエンドバーです。当初は家にあったRitcheyのバーエンドバーを使おうと思っていたのですが……

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グリップのついでにハンドルも変えて乗り心地を改善しようと思い、カーボンハンドルを購入。後から知ったんですが、カーボンハンドルってほとんどのバーエンドバーが使えないんですよね。

考えてみれば、カーボンパイプの端を締め上げた上に腕の力で引っ張るわけです。相当ハンドルに取ってはダメージが大きいのは当たり前ですが……。

それでもなんとかカーボンハンドルにも使えるバーエンドバーは無いものか?と探して見つけたのが今回紹介するErgonのGPシリーズでした。

重量は気になったものの、グリップの表面積が広く取られており、手のしびれを防ぐ効果もありそう。キャノボをするには適したグリップと言えるでしょう。

何より、手持ちのカーボンハンドルに使えるバーエンドは事実上これだけだったので、是非もなく購入を決めました。

製品概要

実測重量は190g(左右)。

後述しますが、このGPシリーズはバリエーションが恐ろしく多いです。

使用感

普段遣いのクロスバイクに取り付けて使用しています。たまにロングライドにも使用。

タイオガ LONG HORN AL FLAT BAR (ロングホーンALフラットバー) 31.8mm TIOGA

合わせているハンドルは、TIOGAのロングホーン(アルミ)です。

GPシリーズのバリエーション

前述の通り、ErgonのGPシリーズはバリエーションが恐ろしく沢山あります。画像に整理してみました。

パラメーターは3つ。表形式にすると、以下の通りです。

パラメータ 記号
① バーエンドの長さ 1 バーエンド: なし
2 バーエンド: 65mm
3 バーエンド: 85mm
4 バーエンド: 105mm
(カーボン使用不可)
5 バーエンド: 145mm
(カーボン使用不可)
② グリップの太さ S
L Sより周長+10mm
③ グリップの長さ Regular
(日本ではロング/ロング表記)
右: 135mm
左: 135mm
Gripshift
(日本ではショート/ショート表記)
右: 100mm
左: 100mm
Rohloff / Nexus
(日本ではロング/ショート表記)
右: 100mm
左: 135mm

基本はグリップの材質はゴムですが、コルクのものも存在します。

今回私が購入したのは、「GP2-S Gripshift」。

この製品名を解読すると、以下のような意味ということになります。

2: バーエンドが65mm
S: 握りが細い
Gripshift: 左右100mm
カーボンハンドルに使えるのは、GP1~GP3。GP4とGP5はカーボンハンドルには使えません。とりあえずブラケットポジションに相当する握りが出来ればよかったので、バーエンドが一番短い「GP2」を選びました。
Sを選んだ理由は特にないです。その時売ってたのがSのみでした。
「Gripshift」を選んだのは、ハンドル幅をロードバイクと同じにしてロングライドでポジションの違和感を出さないため。ハンドル幅を42cmまで詰めたのですが、そうするとRegularのグリップは長すぎて使えず。Gripshift用の短いグリップがマッチしたというわけです。
ちなみに、グリップの長さは本国だと「Regular」や「Gripshift」という表記ですが、日本国内だと「ロング/ロング」「ショート/ショート」という表記になっています。これもまたわかりにくさに拍車をかけてますね。

取り付け

取り付けはショップにお願いしてしまったので細かい部分は不明。

ただ、バーエンドの角度はグリップの角度とは独立して変更が可能となっています。

快適性

何と言ってもこのグリップの良い所は、扁平で表面積が広いことです。

扁平になっている部分は一見すると柔らかそうに見えますが、実際には硬質プラスチックの芯が入っており、ほぼ変形しません。多少はしなりますが。

ロングライドではハンドルに体重を掛けないことが理想ですが、数百kmも走行すると段々ハンドルに体重が掛かりがちになります。そうなった時に、これだけ握りの面積が広いと手のひらに掛かる荷重が分散されるため、手のしびれをある程度抑制することが出来るのです。

また、バーエンド部を握ることで、ドロップハンドルにおけるブラケットポジションの握りも可能になり、ポジションの選択肢が増えます。これもロングライドにおいてはありがたいこと。使う筋肉も多少変わってくるので、上半身の疲れを分散することが可能です。

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2015年フレッシュでは、このグリップで524kmを完走。手のしびれは若干出ましたが、最後まで致命的な痛みは出ませんでした。

あえて短いGripshiftタイプを選んでいますが、夏用グローブであれば幅は問題ありません。

ただ、冬用グローブで握ると少し幅が狭いと感じます。ハンドル幅が許すのであればRegularタイプを選んだほうが良いでしょう。

重量

左右セットで190g。重いです。カーボンのドロップハンドルと同じくらいの重量があります。

硬質なプラスチックの芯に加えて、バーエンドも含むので結構な重さになってしまうわけですね。

重さが気にならないと言えば嘘になりますが、快適性とカーボンハンドルにも取付可能な点を考慮すると、私にとっては目を瞑れる範囲です。他に選択肢もないですし。

その他

一応、GP1~3に関しては「カーボンハンドルに取り付け可能」とされています。ハンドル側が認めるかはさておき、グリップ側としてはOKを出しているわけです。

ただ、9年使った1本目のグリップを外した際に、カーボンハンドルにクラックが発見されました。場所は、バーエンドバーのクランプ部。やはり、「可能」とは言え、あんまりカーボンハンドルにバーエンドというのは推奨はされないのでしょう。

ということで、2本目の交換の際にはハンドルもアルミのものに変更しました。

まとめ

ロングライド用途に向くグリップ。クロスバイクでブルベをやるならこれ以外は考えられません。重量はあるものの、その握りやすさは他に無いと私は感じています。

一応、カーボンハンドルにも使えるバーエンドが付属するというのも魅力。ただ、使えると言ってもグリップ側の言い分であり、ハンドル側が許可しているわけではないので自己責任になりそうです。

バリエーションが数多くありますが、それのせいで「どれを買えば良いかもわからない」というのはちょっと困った所。それだけグリップは奥が深いということかもしれませんが。

 

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評価

対象モデル:  Ergon「GP2-S」
年式: 2021年
定価: 6050円(税込)
購入価格: 5600円(税込)
公称重量: 不明
実測重量: 190g

価格への満足度

5/10

いつの間にかずいぶん高くなりました。

総合評価

8/10

重量はあるが、ロングライドにおける手のしびれに有効なグリップ。

著者情報

年齢: 37歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

 

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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