【実験】防水グローブの防水性実験

  • 2017年10月31日
  • 2020年9月14日
  • 実験
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「自転車用の防水グローブは本当に防水なのか?」を試す実験です。6種類の防水グローブで、水を含んだスポンジを握って比較しました。

実験動機

ブルベやロングライドでは雨の中を走ることもしばしば。各社から発売されている防水グローブを持っている人も、ロングライド界隈では多いでしょう。

かくいう私も、これまで何種類もの防水グローブを使ってきました。しかしどのグローブも大体最後には浸水します。

最初は、「手首の部分から浸水してきているのだろう」と思っていましたが、手首部分をシールしても何故かグローブ内が濡れるのです。「汗で蒸れているのでは?」とも思いましたが、それにしては水分が多すぎる。

こうして、「防水グローブと言いつつ、実は浸水しているのでは?」と思うようになりました。

耐水圧を超過?

よくよく考えてみれば、グローブはバーテープを握っています。水分を含むタイプのバーテープの場合、それは水を含んだスポンジを握っているようなものでしょう。

防水グローブも、レインジャケットと同じく防水の膜(メンブレン)が間に挟まっています。このメンブレンも実は完全に水を通さないわけではなく、ある一定以上の圧力が掛かると水を通してしまいます。その限界値が「耐水圧」と呼ばれるものです。「40000mm」などの数値で表されるのを見たことがある人もいるでしょう。

耐水圧の定義

耐水圧の定義としては、

「メンブレンの上に1センチ四方の筒を立て、この柱の中に水を入れたときに、何mmまで浸水しないで耐えられるか」

とされています。耐水圧40000mmなら、この柱に40mの水を入れたときに浸水するわけですね。

浸水を起こす条件

では、水を含んだバーテープを握ったら、どれほどの力で水が押し付けられることになるでしょうか。計算はしていませんが、耐水圧を超えてしまう場面も出てくるはずです。登山の世界でも、膝や尻を地面に付いた場合、耐水圧の低いウェアでは浸水することがあります。

自転車の場合、それはグローブで起こりやすいのではないか……という事で、実験してみることにしました。

実験方法

以下の方法で実験を行いました。

・防水グローブでスポンジを持つ
・蛇口から水を出して、その下でスポンジを全力で10回握る
・一定時間放置し、内部の水の染み具合を見る

「水を含んだバーテープに、手が押し付けられる」状態を想定しています。浸水は徐々に広がることもあるため、おおよそ30分後と2時間後に内部の浸水を確認しました。実験者の握力は60kg程度で、平均よりも高めです。

対象としたグローブは以下の6種類です。

・SPECIALIZED DEFLECT H2O
・mont-bell OutDry サイクルグローブ
・SHIMANO GORE-TEX Winter Glove
・SEALSKINZ All Weather Cycle Glove
・ショーワグローブ テムレス
・ショーワグローブ 防寒テムレス

実験結果

以下のようになりました。

「浸水実験結果」の凡例は、「◯=浸水なし」「×=浸水あり」です。

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残念ながら、自転車用防水グローブは全て最終的には浸水しました。最後まで防水を保ったのは、園芸などで使われ、ワコーズの人たちも愛用する「テムレス」でした。いわゆる、「普通よりも少し透湿性の高いゴム手袋」です。

考察

やはり、当初の仮説通り、一定以上の力が掛かると防水膜の耐水圧を超えてしまって浸水するようです。または、縫い目のシールが不完全なのかもしれません。

その点、防水膜ではなくポリウレタンで防水しているゴム手袋が圧倒的な強さを見せたのでしょう。そりゃそうです。テムレスを使ってスポンジで洗い物をしている人は普通にいるでしょうから。それで浸水したら商品として成立しません。

では、「自転車用防水グローブは使い物にならないのか」というと、一概にそうとは言えません。

今回の実験の前提は、「水を含んだバーテープに」「手が押し付けられる」としました。水を含まないバーテープを使えば浸水しないかもしれませんし、「手は添えるだけ」でハンドルに荷重を掛けない人であれば耐水圧は超えない可能性があります。この辺りは、各人の装備と乗り方によっても左右されそうです。

まとめ

残念ながら、市販の自転車用グローブ(少なくとも私が持っているもの)は、完全防水とは言い難いという結論が出てしまいました。

「浸水は絶対したくない」という人は、完全に水を通さないビニール、もしくはゴム手袋を使うしか無さそうです。もしくは、水を含まないバーテープにすることで、浸水までの時間を稼げる可能性があります。

しかし、「テムレスが無敵か?」と言われると、そうとも言えません。今回はグローブを付けているのは1分程度ですが、実際のライドでは数時間に渡って付け続けることになります。実験結果の「透湿性」の項目を見れば分かる通り、テムレスの透湿性は他の素材に比べるとかなり低めなので、蒸れやすい=自分の汗で水没する可能性を考える必要があるでしょう。

……あと、見た目が強烈にダサい点も弱点といえば弱点ですね。せめてブラックとかレッド単色のテムレスが出てくれば有り難いのですけど。

(2020年追記)

その後、登山用の黒色テムレスが発売されました。防寒テムレスの黒色バージョンです。

著者情報

年齢: 33歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。