【レビュー】Fizik「Cyrano シートポスト」

評価:3

Fizikのアルミ製シートポスト。現在のグレードで言うと、R3に該当するものです。

購入動機

2012年のTOT(Tokyo-Osaka-Tokyo)ライドに参加する際に購入しました。それまでは3TのDORICO TEAMを使っていたので、カーボン→アルミの買い替えとなります。

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現在でこそシートポスト素材を選ばないバイクパッキング用の大型サドルバッグは沢山ありますが、当時は大容量のものと言えばシートポストに取り付けるタイプの物が多かったんですよね。リクセンカウルのコントアーマグナムとか。

当時私が使っていたサドルバッグは、シートポストに上記のアタッチメントを取り付けるタイプのもの。このアタッチメントを取り付けるバンドがアルミ製で、カーボンシートポストは使用不可だったのです。

そこでアルミシートポストを物色。軽くて信頼性が高そうという理由で、当時使っていたサドルと同じメーカーのFizik Cyranoを購入したのでした。既にCyranoのカーボンシートポストも使用しており、そちらの具合が良かったのも購入理由です。

今更レビューすることにしたのは、Ridefarrのサドルを購入して、カーボンレールにも使えるシートポストが必要となったため。もう9年モノになりますが、まだまだ綺麗です。

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他にカーボンレールに使えるシートポストはこちらを持っていますが、今付いているサドルの角度をイジりたくないので、別のシートポストを使うことにしたのでした。

製品概要

実測重量は206g(27.2mm径/270mm長)。

素材は7075アルミ。ボルトはステンレス製です。

7mmの円形レールから、高さ10.3mmの楕円状レールまで対応。チタンレールもカーボンレールも使えます。

シリコン製のカラーが付属。どこかにやってしまいました。

使用感

主にロングライドで使用。ここしばらくは通勤用クロスバイクに付けて使っていました。

重量

棒部分がアルミ製ではあるものの、200g前後の重量。カーボンシートポスト並の軽さを誇ります。

公称重量は195gなので11gほど重かったですが、Fizikにしては良心的な軽さです。

クランプ方式

独特なのが、そのクランプ方式です。

サドルレールを面で保持する方式を取っており、レールに対する攻撃性が低い仕様になっています。私のように体重があると、このような配慮は嬉しい限り。カーボンレールでも安心して使えます。これまで何度かカーボンレールのサドルにも使用していますが、問題が起きたことはありません。

また、クランプのレールと接触する位置のエッジを局面処理している点も、カーボンレールに優しい点です。今回、Ridefarrのサドルに使おうと思ったのは、この特徴が理由となります。

調整方式

サドルの角度調整方式もまた独特。

前後2つのボルトで角度を調整しますが、前側のボルトは工具を使わずに指で調整可能(後側のボルトを一度緩める必要はあります)。「ほんの少しだけ角度を変えたい」という時に、明確に微調整出来ることが気に入っています。

固定力

サドルの固定力は十分です。クランプ部分が前後に長く、面でレールを保持するので安定感は抜群。

なお、ヤグラの薄さも特徴の一つ。サドル底部にヤグラが擦ることもありませんし、シートポストの出代も大きく取れます(=見た目が良い)。

乗り心地

カーボンシートポストに比べると硬いです。突き上げは素直に伝えてきます。

ただ、これでTOTの1100kmは問題なく走りきれたので、特別乗り心地が悪いわけではないです。

異音問題

このシートポスト最大の弱点は、「異音が出る」こと。私だけではなく、多くの人が報告しているので、これは構造上の問題だと思います。

原因は、写真の赤い丸で囲んだ部分で発生します。

黒色の棒部分と、金色のヤグラ部分が接する部分が局面で接触しており、特に噛み合う部分もないため、段差などでパキパキ・ギシギシと音が鳴るようです。一応、そこにグリスを塗ることで暫定的な解決は可能です(グリスが抜けるとまた鳴ります)。

私はこちらの記事を参考に、間にそれなりに厚さのあるゴム(0.5mm厚)を挟むことで問題を解決しようとしたのですが、これは失敗でした

こともあろうに、本州一周中にサドルレールが前後に動いてしまう事態が発生。何が原因かと思ったら、この挟んでいたゴムが接触によって擦り切れ、下側のヤグラがコンマ数mmほど下がってしまったことが原因でした。素直にグリスを使ったほうが良いです。

Cyrano シートポストは2021年現在も販売されていますが、異音問題はどうやらそのままのようです。

まとめ

軽量かつサドルレールにも優しく、保持力も抜群。ヤグラも薄くて出代も長いシートポスト。

……と書くと良いことずくめに見えますが、割と異音問題がその魅力を大きく目減りさせています。結構気になるレベルで鳴るんですよね。グリスを塗れば一旦は収まりますが、しばらくするとまた鳴り出します。これが理由でしばらくCyranoはクロスバイク行きになっていたのでした。

今回久々の使用にあたってヤグラの接触部分にはグリスを塗ったので今の所異音は無し。しかし、いつ再発するやら……。

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カーボンレールも使え、角度の微調整も可能で、乗り心地もよく、更に異音も出ないこちらのシートポストに出会って以降は、Cyranoを買い増す理由は無くなってしまいました。


 

私が購入した際にはCyranoのシートポストは「カーボン」「アルミ」の区別しかありませんでしたが、その後グレードが加わり、以下の4グレードになっています。

・Cyrano 00 カーボンシートポスト
・Cyrano R1 カーボンシートポスト
・Cyrano R3 アルミシートポスト
・Cyrano R5 アルミシートポスト
今回レビューしたのは、「R3」と同グレードの製品となります。
R5も基本構造は同じですが、アルミが6061を使っていたり、スチールボルトを使っているので多少重くなっているようですね。
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評価

対象モデル:  Fizik「Cyrano シートポスト」
年式: 2012年
定価: 10290円
購入価格: 8758円
公称重量: 195g (27.2-270mm)
実測重量: 206g (27.2-270mm)

価格への満足度

7/10

値段にしては軽さと性能のバランスはいい。

総合評価

6/10

総じて優秀なシートポストだが、異音問題がどうしても気になる。

著者情報

年齢: 36歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019年の2回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間13分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)