【レビュー】G keni「テールライト Q5」

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評価:3

G keniのテールライト。ブレーキ時に明るく点灯する機能が付いています。

目次

購入動機

特に必要があったわけではないのですが、「なにか面白いパーツはないかな」とAmazonを彷徨っていた所、発見したのがこちらのテールライトでした。

まず目を引いたのは「点灯20時間」。点滅ではなく、点灯で20時間持つテールライトはほとんどありません。

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また、リフレクターとしても使える2WAY仕様なのも面白い。反射板を兼ねたカバーを持つ、CATEYEのリフレックスオートを思い出します。

値段も安かったので、とりあえず注文してみました。

同ブランドからは下位モデルと思われるQ3が販売されています。

製品概要

実測重量は56g(ライト本体+シリコンバンド)。

容量400mAhのリチウムイオン内蔵。充電端子はmicroUSBとなっています。

箱の中身はこのような感じ。シートポストに付けるためのシリコンバンドと、サドルレールに吊るすためのブラケットが入っています。

モードは以下の4つで、切り替えはシングルクリックです。

・ラピッド: 50時間
・呼吸点滅: 40時間
・点滅: 40時間
・常時点灯: 20時間
振動センサー・光センサーを搭載しており、常時点灯モード以外では、停止時には消灯します。
防水規格はIP65(完全防塵&噴流に対して保護)とされています。

使用感

週末のロングライドや夜練で使用。ブルベでは使っていません。

取り付け場所はシートポスト。基本的に使用モードは「常時点灯」で使いました。

重量

実測56gと、テールライトではそこそこ重い部類に入ります(相場は30g程度)。

本体がアルミボディでしっかりした作りであることから、それなりの重量となります。

取付

前述の通り、シートポストに取り付けています。

今回取り付けたのは、D型シートポストの「infinito CV」。エアロ形状の「Oltre XR4」のシートポストに取り付けるには長さが足りませんでした。丸型シートポストであれば問題なく取付可能だと思います。

シートステーへの取付は、恐らく多くの場合不可です。シリコンバンドがある程度太い径(27.2-31.8mmのシートポスト)を前提としているようで、シートステーに付けると緩くなります。それなりに太いシートステーならば取付可能でしょうが、ライト自体の重さがあるために回転してしまうはず。ホイールに巻き込まれるので危険です。

サドル取り付け用のブラケットも付属。私が使っているサドルはいずれもカーボンレールで真円ではないレールのため使えませんでしたが、金属レールならば問題なく取り付けが可能でしょう。ただ、サドルバッグとは場所の取り合いになりそうですね。

充電ポートはライトの裏面にあります。

このようにライト本体をブラケットにねじ込む方式となっており、ちゃんとパッキンも入っています。防水性も高まりますし、シリコンバンドごと外さなくてもライトを外して充電が可能なのはポイントが高いです。

モード切り替え

シングルクリックでモードを切り替える仕様で、昨今モードがやたら増えつつあるテールライトの中では操作性は分かりやすいとは言えます。

不満点は、「点滅モード&点灯モードでの自動消灯がない」こと。「ラピッドモード」「呼吸点灯モード」では、30秒停止すると自動で消灯する機能がありますが、点滅モードと点灯モードの時は点きっぱなしになります。回路上の仕様でそうなっているようですが、ユーザー側で選べる仕様だと良かったですね。

ランタイム

ブルベではテールライトの常時点灯が求められるので、常時点灯モードでのランタイムをテストしました。

公称の20時間までは持つことを確認。20時間45分時点で確認したら消灯していました。点灯時間に嘘はなさそうです。

ただし、このライトは「ブレーキ時に明るくなる」という機能がありますが、これが中々ロングライダー目線では厄介なのです。

スペックを見るとブレーキ時には120ルーメンまで明るくなるようですが、これが相当電池を食うはず。明るくなっている時間は2~3秒ほどなんですが、点灯モードの明るさは1ルーメンあるかないか程度だと思われるので、100倍以上の電力を使っているはずです。

実際、8時間程度のロングライド中にデイライトとして常時点灯させていたところ、帰宅してすぐに消灯してしまいました。信号の多い関東の都市部だと、公称ランタイムの半分程度しか持たないと思われます。

「5分に1回、信号停止で3秒点灯」と考えてみると、8時間(480分)で96回明るくなります。96回×3秒で288秒。1秒の強点灯で100倍の電力を使うとすれば、28800秒(=8時間)分点灯時間が減ります。大体、計算と近い値になりますね。

追突を防ぐ意味では良いのかもしれませんが、点灯時間が読めなくなるのは中々厄介ですね。ブレーキ連動機能をオフに出来たら良いのですが、そういった機能はありません。

Amazonの商品ページでは、常時点灯モードだとブレーキ連動しないように書かれているんですが、実際には連動します。

明るさ

点灯モードは、正直言ってかなり暗いです。どのくらいかというと、普通に直視できるくらい。前述の通り、1ルーメンも無いはずです。暗すぎます。

ただ、ブレーキ時の明るさは120ルーメンと、テールライトでは中々無いくらいの明るさとなります。後ろを走っていた妻曰く、「昼間でもブレーキ時の点灯は相当目立つレベル」とのことでした。

また、形状を見ても分かりますが、照射範囲はほぼ真後ろに限定され、側方からの被視認性は無いに等しいです。斜め上からも怪しいレベル。

これらのことから被視認性を稼ぐためのメインのテールライトとしては力不足で、あくまでもブレーキ時に点灯する機能を使うためのサブライトという位置付けになると思います。

リフレクタとして

一応、リフレクタとしても使えるとパッケージには書かれているんですが、まともなリフレクタと比べると反射性能は弱いです。あくまでも「おまけ」的な機能と考えたほうが良いでしょう。

ブレーキの判別性能

この手の「ブレーキに連動して明るくなるライト」は、加速度センサーを搭載しており、後ろ向きの加速度を検知すると明るくなります。

後ろ向きの加速度が少しでも生じた場合に明るくなってしまうと、巡航時にペダルを止めただけでも明るくなってしまいます。実際、中華テールライトだと加速度に過敏すぎるものが多く、ブレーキ以外の場合も明るくなりっぱなしで、すぐに電池切れになるということがよくあります。

本製品は割と加速度の検知に関しては優秀で、巡航でペダルを止めたくらいでは明るくなりません。「ちゃんとブレーキに連動して明るくなっている」、と後ろを走っていた妻の証言も得られました。

ただ、「坂の入り口では明るくなっていた」とも。坂の入り口では一時的に速度が落ちるので、後ろ方向の加速度を生じたと判断されても仕方ないと言えます。

防水性

恒例のシャワーで水を掛けるテストを行いましたが、浸水は無し。ネジ込み部分にちゃんとパッキンも入っていますし、防水性はしっかりしていそうです。

まとめ

点灯モードの時間は20時間と長いものの、ブレーキ連動機能があるので実際の使用時間は半分程度となります。

シリコンバンドを外さなくてもライトを外せて充電できる点、防水性の高さは良いと思うのですが、私のライドスタイルだとなかなか使い所が難しい印象です。ブレーキ連動機能だけに割り切って使う、サブのテールライトということになりますかね。

最近は上位機種になるほど、ブレーキ連動機能の付いたライトばかりになりますが、そういった機能を一切排して、点灯時間に振り切ったライトとか出てきてくれないものですかね……ブルベの特殊需要というわけでもない気はするんですけども。

 

評価

対象モデル:  G keni「テールライト Q5」
年式: 2021年
定価: 不明
購入価格: 2350円(税込)
公称重量: 53g
実測重量: 56g

価格への満足度

7/10

豊富な機能から見ると安く感じる。

総合評価

6/10

ブレーキ連動機能をもう少し制御可能にしてほしい。

著者情報

年齢: 36歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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