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【レビュー】GENTOS「閃 SG-455B」
評価:2.5
GENTOSの汎用ライト。自転車取り付け用のライトホルダーが付属します。
購入動機
今年初めにこんな記事を書きました。
まだ充電式ライトが一般的ではなかった2010年前後、電池式でかなりの明るさを持つということで自転車乗りに指示された「閃」シリーズの話です。
調べてみると地味に「閃」シリーズは継続しており、最新版は「455B」という型番であることが分かりました。
初登場から10年以上経過した現代の「閃」はどんな性能なのか。興味を持って買ってみました。
製品概要
実測重量は103g(単四電池3本込)。
単四電池×3本で動作する乾電池式です。
点灯モードは以下の通り。
モード | 明るさ | 点灯時間 |
点灯 | 250ルーメン | 6時間 |
点滅 | – | 22時間 |
ストラップ、パイプホルダー、テスト用電池が付属します。
使用感
ほぼテストとして使っただけで、実際のライドには使用していません。
重量
公称134gで、実測103g。公称重量にはパイプホルダーも含む様子。
元々が汎用のライトということもあり、なかなか堅牢な構造となっています。その分、自転車ライトとしては重めです。
取付
パイプホルダーは付属しますが、対応する径が「20~25mm」とされています。
自転車のハンドル径は細くても26.0mmスタート。昨今のハンドルは31.8mmあることが多く、このパイプホルダーでは自転車のハンドルに取り付けることは出来ません。
こういったエクステンションバーであればギリギリ取り付けは可能かもしれません。ただ、この製品もバーの直径は25.4mmあります。
現実的には、こちらのような汎用のライトマウントを使用することになると思います。振動で光軸はブレブレになりますが。
ゆるふわーくすさんの丸形汎用アダプタを使って、フレックスタイトで固定する方法もあります。
点灯モード
「点灯」と「点滅」の2モードのみ。
ただし、閃シリーズには、フォーカスコントロールという機能があります。
ヘッドをヒネることで「ワイド配光(広い範囲を暗く照らす)」と、「スポット配光(狭い範囲を明るく照らす)」の切り替えが行なえます。
明るさは最大250ルーメンです。GENTOS 閃のデビュー時(2008年)の明るさは最大100ルーメンだったので、10年以上掛けて2.5倍の明るさを獲得したことになります。
配光
こちらがワイド配光です。
10m先までをボヤーっと照らし、手前側が一番明るい感じ。左右の照射角はかなり広くなります。
次に、スポット配光。
5~10m先を集中的に照らす配光になります。中心部はかなり明るいです。スペック表に書かれた「4840カンデラ」は、この最大スポット時のものだと思います。
閃のフォーカスコントロールは、「ワイド」「スポット」の2パターンだけではなく、その間の状態で使用することも出来ます。調整がアナログなので、必要な照射範囲で使えるのは面白い仕組みだと思います(汎用ライトには割とよくある仕組みですが、自転車ライトでは中々見かけない)。
詳しい配光比較は、「自転車ライト配光比較ツール」からどうぞ。
照度変化
照度計を使って、明るさの時間変化を計測しました。
本製品は電池式なので、アルカリ電池とエネループ電池の両方で計測しましたが、かなりの差が出ました。
エネループは2時間30分で最初の10%以下の明るさ(ANSI FL1における点灯時間の終了基準)となりました。アルカリでは6時間20分で点灯終了。
本製品の公称点灯時間は6時間なので、アルカリならば公称の数値を守っています。しかし、エネループの場合は公称の半分もいかない時間で消灯します。エネループがサポート対象外ならば仕方ないのですが、公式サイトにわざわざ「エネループ使用可能」の文字があるのにコレはちょっとお粗末じゃないでしょうか。念のため、別のエネループ電池でテストしても結果は同じでした。
恐らく原因は電圧です。アルカリ電池は1.5V、エネループは1.2Vです。電圧が低い分、消灯のボーダーを下回るのが速いのではないかと推測します。
また、もう一つ問題だと感じるのは「明るさの落ち方」です。点灯直後から一気に暗くなり始めるんですよね、閃シリーズ。徐々に暗くなるならまだ良いのですが、崖を転がり落ちるように暗くなります。
電池式ライトの定めなのかもしれませんが、点灯開始から1時間もしないうちに、最初の明るさの半分まで落ちます。最初が250ルーメンだとすれば、120ルーメン以下に落ちることになります。ちょっと危ない気はしますね。
GENTOSのサイトには「GENTOS流 バイクライトの選び方」というページがあります。
「走行場所や走行時間に適した明るさ」「夜間でも5~10m先を照らせること」というポイントが書いてあります。電池が満タン状態ならばこのポイントを満たすとしても、点灯から1時間後に明るさが半分になったら、満たさなくなるはずなんですよね。
電池式ではない、充電式ライトであれば明るさの落ちはここまで急激ではないのかもしれませんが、ポリシーはきちんと貫いて欲しいものです。安全に関わることですから。
防水性能
防水性能はIPX4。防沫系ですが、自転車用としては十分な防水性だと思います。
Oリングもしっかり入っており、シャワーを掛けても浸水しませんでした。
その他
説明書には、ANSI FL1に準拠したアイコン表示があります。2mの高さから落としても大丈夫らしいです。
まとめ
点灯直後から急激に暗くなる電池式ライト。
デビュー時に比べて最大の明るさは2.5倍となりましたが、電池は「単四電池×3本」と変化していません。もちろんLEDの燃費は上がっているのでしょうが、さすがに2.5倍も効率化は出来ないはず。最大の明るさが増えた代わりに、点灯時間は短くなり、また暗くなるのが早くなっているようでした。これならば昔のモデルのほうがまだ良いかもしれませんね。
かつては一世を風靡した「閃」シリーズですが、現在では魅力的なライトとは言えません。定番の充電式ライトを選んだほうが良いでしょう。
評価
対象モデル: GENTOS「閃 SG-455B」
年式: 2018年
定価: オープン価格
購入価格: 2427円 (税込)
公称重量: 134g
実測重量: 103g
価格への満足度
堅牢な作りの割には安価。ストラップと電池も付属する。
総合評価
明るさの落ち方が急激すぎる。フォーカスコントロールは面白い機能。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。