【レビュー】Gyue「高圧ミニフロアポンプ」

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評価:4

Gyueの携帯ポンプ。デュアルチャンバー構造採用で、高圧でも極めて小さな力でポンピング出来るのが特徴です。

目次

購入動機

ディレイラーマニアのもつなべさんから教えてもらって購入。

「例のポンプっぽい構造で少し小さいのを見つけましたよ」

とのこと。「例のポンプ」とは、昨年レビューした以下の携帯ポンプです。

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ポンプの底側に吸気口があるのが特徴。内部で空気を圧縮することで、従来の携帯ポンプより楽に空気が入れられることから非常にロングライド界隈で流行りました。

ただ、若干サイズが大きい&重いことは「惜しいな」と私は考えていました。

このGyueというブランドの携帯ポンプ、もつなべさんによれば全長178mm、重量は90g。例のポンプ比で20mm短く、16g軽いことになります。

値段は980円。気になったので早速購入しました。

製品概要

実測重量は89.0g。全長は178mm、直径は22mmです。

対応気圧は20気圧(300PSI)。例のポンプと同様。

口金は初期状態では米式対応。ポンプヘッドを引き出すことで仏式に対応します。恐らく、ねじ切りバルブのチューブ専用です。

使用感

「Oture 携帯ポンプ(例のポンプ)」との比較でレビューします。

重量

89gと、一つの基準である100gを切ってきました。軽量な携帯ポンプと言って良いと思います。

例のポンプに比して軽くなったのはヘッド部で、14g軽くなっています。

大きさ

OGKのツールボトル(TOOLBOX 700)や、カペルミュールのソフトツールケースに入るサイズになっています。

例のポンプ比で20mm縮んだわけですが、この20mmが大きいです。ビットリアのツールケースには入りませんが、700mlクラスのツールケースには入るでしょう。

縮んだ20mmの内訳ですが、

・ヘッド: 6mm
・ボディ: 14mm

となっています。

使用法

私はロードバイクの仏式バルブ用途で使うので、ポンプヘッドを引き出して使います。上が米式の場合、下が仏式の場合です。

バルブへの取り付けは、ネジ込み式。この方式はヘッドを外す際にバルブコアを一緒に外してしまう場合があるので、バルブコアツールも一緒に持ち歩くことをおすすめします。

あとは、普通に空気を入れます。ただ、底の吸気口を塞がないように注意してください。

性能

PANARACER GRAVELKING(26C)に対してテストを実施。結果は以下でした。

テスト結果

300回→4.2気圧
400回→6.0気圧

予想よりも回数辺りに入る気圧が低かったです。ちなみに、例のポンプの場合のテスト結果は以下でした。

テスト結果(例のポンプ)

300回→6.2気圧
400回→8.0気圧

同じ300回のポンピングで、入る気圧に1.4倍の差があります。言い換えると、同じ気圧まで入れようと思った場合、本製品は例のポンプよりも40%多い回数のポンピングが必要になるということでもあります。

本製品は例のポンプに比べて、ヘッド部分を除いたボディ部分の長さが14mm短くなっています。

ボディ部の全長は、例のポンプが158mm、本製品が144mm。つまり、ポンプのストローク長で見ると、約10%ほど短くなったことになります。このため、同程度の空気圧に入れるのにポンピング回数は10%増になると予想していましたが、実際には約40%増も多い回数ポンピングしないと、例のポンプと同程度の空気圧に達しませんでした。

例のポンプのレビューでも書きましたが、本製品は「ポンプの二重構造」となっています。2つのポンプがマトリョーシカのように入っているわけです。

つまり、ボディ部が14mm短くなると、2つのポンプが14mm短くなったのと同じことになります。2倍で効いてくるわけですね。それでも回数が20%増なら納得できるんですが、実際には4割増です。これはちょっと多いですね。私が普段使う7.0気圧まで入れようとすると、450回は必要な計算となります。

ただ、これはあくまで26Cタイヤの話であって、23Cタイヤなら300回のポンピングで7.0気圧まで入ることを確認しました。これなら十分実用範囲だと思います。

「高圧下でも他の携帯ポンプより小さな力でポンピング出来る」という点は例のポンプと同様です。ただ、同じ圧力だと例のポンプより本製品のほうが力が多少必要に感じます。

あと、例のポンプに比べて、高圧下で熱くなりやすい気はします。ヘッドが小さく軽くなっているので、熱容量が小さくなっているためではないかと考えています。

メンテナンス

例のポンプと同じ構造なので、メンテナンス方法も同様です。内筒にオイルを挿すように説明書にも書かれています。

なお、購入直後は各部のねじ切り部分(底の吸気口や内筒とヘッドの接合部)に緩みがありました。ここが緩んでいるとエア漏れを起こすので、使う前に増し締めが必要です。

その他

例のポンプのOEM元であるPROSTARのサイトを調べた所、本製品と同型の製品を見つけました。

型番は「HQ-66」です(例のポンプは「HQ-20」)。このHQ-66は、少なくとも一年前にラインナップには無かったので新製品なのだと思います。

例のポンプは評判になったものの、「大きい」「重い」という声があったので、それに応えた後継製品なのかもしれません。

まとめ

10%ほど小型化した例のポンプ。700mlクラスのツール缶に入るサイズとなり、100gを切る重量となりました。ただし、1回のポンピングで入る空気量は減っているようで、その分ポンピング回数を要します。概算で、3~40%増えると見て良いでしょう。

個人的には、出先でパンクした時にポンピングに掛ける時間は5分以下にしたいと考えています。

となると、許容できるポンピング回数は多くても400回まで。26CのGRAVELKINGを7気圧で運用している現在の状況では、本製品は私の要件からは外れます。やはりロングライドのお供は「例のポンプ」のままでいくことにしました。

ただ、前述のように23Cタイヤを普段遣いしている人や、太いタイヤを使っていても6気圧以下の低圧で乗る人であれば本製品のポンピング回数は許容範囲に収まるでしょう。もちろん、一回り大きい例のポンプならば、より回数が少なくて済むのですが……それよりも、「ツール缶に入る」「軽い」という面を重視するならば、十分実用には足るはずです。

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「例のポンプ 小型版」というキャラで被っている上記製品と比べると、性能的には今回レビューした製品のほうが格段に良いです。やはり、外筒と内筒の太さのバランスが性能を決めているのだと思います。

しかし、例のポンプは良くできています。あの長さ、あの太さは煮詰めた結果なのだということがよく分かりました。

—–

以下、余談。

本製品のヘッドは例のポンプより軽いので、

・ヘッド→本製品
・ボディ→例のポンプ

というキメラポンプを作ってみました。同じ会社の製品なので、くっつきます。

92.2g。これは良いんじゃないか?と思いましたが……ヘッドにねじ込む内筒のねじ切り部分の長さが微妙に足らず、シールが不完全になるのでまともに空気が入らず。失敗でした。

評価

対象モデル:  Gyue「高圧ミニフロアポンプ」
年式: 2018年
定価: 不明
購入価格: 980円(税込)

価格への満足度

8/10

とても安い。

総合評価

8/10

高圧でも軽く入るが、必要な回数が多いのが気になる。

レビュアー情報

年齢: 34歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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