この記事は約 5分で読めます。
【レビュー】knog「Oi Large」
評価:4
オーストラリアのパーツブランド、knogの自転車用ベル。読み方は「オイ」。
kickstarterによるクラウドファンディングで資金を調達し開発されました。現在は一般向けに販売されています。
金属部分の素材はチタンとアルミがあります。ハンドルバーの径に合わせて、サイズはLarge/Smallの2種類。カラーは4種類です。私が購入したのは、アルミ製/Large/シルバーのモデルとなります。
購入動機
kickstarterで見たときから気になってはいたのですが、出資はせず。一般発売はされるだろうという見通しからです。
実際、2016年の10月末から、店舗での販売が開始されました。出資者に届き始めたのは店舗販売の約1週間前と、あまり差別化が無かった模様です。これはちょっとどうなのかと思っていますが……。なお、現時点ではSmallは調整中らしく、出資者の手元にすら届いていないとのこと。
当初はブラックを買おうと思っていたのですが、店頭で実物を見たところシルバーの方がアルミ削り出しの雰囲気が出ていて格好良い。ということで、シルバーを購入しました。
製品概要
Largeサイズの実測重量は25.0g。対応するハンドルバー径は23.8/25.4/26.0/31.8mmmです。
同梱物は以下。
・シム2種類
・説明書
・六角レンチ
カラーは、BLACK / SILVER / BRASS / COPPERの4種類となります。
使用感
レース用のSCOTT FOILに取り付けて使っています。本製品を付ける前は、CATEYEのブラケットに共付け出来るOH-2400を使っていました。
取付
31.8mm径のハンドルの場合はシムを使わないので、ベル本体をそのままハンドルに取り付けることになります。ベルの幅は15mmです。
ブラケット部には、ワイヤーを通すための溝が切ってあります。ロードバイク(最近のワイヤーをハンドルに沿わせる方式)の場合、ここにワイヤーを通さないで設置するのは中々難しそうだと感じました。金属部が約240度に渡って存在するので、ワイヤーよりもハンドル側にベルを設置した場合、高確率で金属部がワイヤーに触れます。こうなるともちろん音が鳴らないので、やはりワイヤーを溝に通す必要があるでしょう。
ハンドル下にワイヤーを通すような取り回しにしてあればハンマー部はちょうど良い位置に来ます。しかし、ハンドル前部にワイヤーを通している場合はハンマーの位置がかなり下になってしまい、設置に苦労すると思います。
クロスバイクのようなフラットバーの場合は、ワイヤーを溝に通さなくても設置が可能でした。
なお、ドロップハンドルの場合、あくまで断面が円形をしている部分にしか付きません。翼断面のエアロハンドルへの取り付けは不可となっています。
31.6mm径(微妙にハンドルと径は違う)のシートポストにも付くと言えば付きますが……まぁやる人はいないでしょう。
重量
見た目は重そうに見えますが、ベル本体のみでの重量は25.0g。CATEYEのOH-2400が17.8g、三ヶ島のエアロベルが30.0gだったことを考えると、特別重いわけではありません。むしろ軽い部類に入ります。なお、Smallは18gとのこと。
音
非常に澄んだ音です。文章よりも公式の動画で聞いてもらったほうが良いと思います。製品版と音程は異なりますが、音質は一緒。
音量はCATEYEのものや、三ヶ島エアロベルよりも大きめ。音の指向性も考えて設計されているようです。自転車の前方側に良く聞こえるように作ってあるのかな?と思ったのですが、どうも違うようで。ベルの縦方向に音が大きく、横方向には音が小さく伝わるように設計されている模様です。脇の草むらに潜んでいる動物避けには使えなそうですね。
振動について
出資して一足早く入手した知人が、「道路の細かい凹凸で、走行時常にチリリン音がしてしまう」と言っていたので、わざと荒れた道路に行って検証してみました。
確かに、路面が連続して荒れている場所を走った場合には、ベルの表面を撫でたような微かな音が鳴ります。ただ、気になるほどの音量ではありませんでした(熊鈴よりは全然小さい)。通常のアスファルトの道路を走る場合や、大きな段差を超える場合には音がなることは無かったです。継続的な振動は苦手なのかもしれません。
プラスチックのブラケットに、バネでフロートさせた金属部が乗っている構造は、確かに振動にはちょっと弱そうではあります。バネ部分の個体差によっては、確かに走行時の振動で微妙な音鳴りはしてしまいそうです。また、バネが経年劣化したときにどうなるかは気になるところ。
見た目
これは予想よりも随分と良かったです。アルミ削り出しの高級感が素晴らしい。
自分の自転車の色に違和感がなく、かつ存在感のある色としてシルバーを選びました。ステムのクランプが銀色なので、そこにマッチして気に入っています。金属部の色が塗装なのかどうか分かりませんが、多少削れてアルミの地の色が出ても目立ちにくそうという理由もあります。
まとめ
設置場所がハンドルのみ、かつ円断面のハンドルに限りという制限はあるものの、見た目と性能では革新的な製品であると思います。
実際、売れ行きは凄まじいようで、自転車界隈では今年最大のヒット商品と言えるかもしれません。
法令上、設置が決まっているベルですが、街を走るスポーツ自転車を見るとベルの取り付け率は高くありません。この機会に取り付け率が向上すれば……と思います。
評価
対象モデル: knog「Oi Large」
年式: 2016年
定価: 2484円(税込)
購入価格: 2300円(税込)
公称重量: 25g
実測重量: 25g
価格への満足度
ベルとしては高いが質感には満足。
総合評価
完成度が高い。少し重い点だけマイナス。
レビュアー情報
年齢: 32歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。