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【レビュー】「LifeLine」Performance カーボンロードブレーキシュー
評価:4
Wiggleのプライベートブランド、LifeLineのカーボン用ブレーキシュー。シマノ用とカンパ用があります。今回レビューするのはシマノ用。
購入動機
「東京~糸魚川ファストラン」や「JCRC」等、一緒のイベントに出場することが多い知人のツイートから存在を知りました。
「Wiggleにやたら安いカーボン用ブレーキシューが有る」
とのこと。Wiggleを見に行ってみると、たしかに安い。2個で570円という価格は、これまで使った中で一番安いBBBのカーボン用(4個で1500円)よりも安い。2個あたりに換算すると、570円 VS 750円。大した違いはないけれど、BBBよりよく効けば良いかなーと思って前後×2と考えて4セットを注文しました。
……が、届いた荷物を見て驚きました。
1セットあたり4個だと……?! Wiggleのサイト写真では2個1セットのように見えたのですが、実際には4個1セットだったのです。BBBに比べて約1/3の値段ということに。
4個で5000円が相場のカーボン用ブレーキシューの世界にあって、4個570円。本当に大丈夫なのかちょっと不安になってきました。
製品概要
1個あたりの重量は5g。ブレーキシューとしては標準レベル。
ブレーキ面の造形はシマノ純正とほぼ同じ。
裏面には、挿入方向と「L」「R」の区別が。
使用感
レース用マシンに取り付けて、カーボンホイール(FFWD F6R)との組み合わせで使用。一ヶ月半ほど、平日の高強度な夜練で試してみました。
ちなみに、私が使ったことのあるカーボン用ブレーキシューは以下です。
・BBB BBS-23AC
・KOOL-STOP DURA2 CARBON2
制動性能(ドライ)
ドライ性能について。素晴らしいです。当て効きでは思った通りにスピード調整出来ますし、フルブレーキングでもちゃんと効きます。フィーリングはSWISS STOPによく似ています。正直、ブラインドテストしたら判別できる自信がありません。
制動性能(ウェット)
東京~糸魚川ファストラン(300km)にて使用。ホイールとブレーキの組み合わせは以下です。
ブレーキ: BR-9000
あまり雨が降らないはずの予報でしたが、実際には朝から雨。雨天での本製品の使用経験は全くないので、かなり緊張。経験上、SWISSSTOPすらも効きがイマイチだったので、それより安い本製品は止まらないのではないか?と。
しかし、意外にも雨の中でブレーキを握っても、ドライ条件とほぼ変わらない感触。コントローラブルであるし、多少制動距離は伸びるものの、しっかり止まる。ドライとウェットの感触の違いが、アルミに比べてかなり少ないことに驚きました。
結局、300kmの道中で200km以上は雨と霧の中。豪快なダウンヒルも多いコースですが、ブレーキングに関しては全く不安がありませんでした。タイヤが下ろしたてのチューブラー(22C)だったので、スリップの方は心配でしたが……。最終的に、落車やスリップは一度もなく終わりました。
Wiggleのカスタマーレビューに、400kmの雨ブルベで使用して問題なかったというレビューがあって半信半疑でしたが、信頼の置ける情報だと思います。
耐久性
一ヶ月半で約500kmの練習に使いましたが、まだ大して減っていません。2000kmくらいは使えそうです。
Wiggleのレビューでは「減りが速い」という声もありますが、KOOL-STOPの減りに比べたら可愛いものです。
その他
青色のブレーキシューなので、ホイールのブレーキ面には青い粉が付きます。
そして、フルブレーキング時には結構なゴムの臭いがします。
まとめ
恐れ入りました。まさかこの性能のブレーキシューがこの値段で手に入るとは。Wiggleの手腕に脱帽です。
私はカーボンホイールはレースの時以外は使ってきませんでした。チューブラータイヤのパンクが怖いというのが主たる理由ですが、もう1つの理由はカーボン用ブレーキシューのランニングコストでした。アルミ用ブレーキシューに比べて約3~4倍の値段がするブレーキシューを普段使いなんて出来ないと思っていたのです。
しかし、このブレーキシューは一般的なアルミ用ブレーキシューの半値です。常用しても惜しくない。ということで、ここ最近はカーボンホイールが付きっぱなしになっています。
今まで選択肢として考えていなかった「カーボンクリンチャー」も、このシューがあれば選択肢に入ってきます。うーむ、悩みが増えてしまいました。
追記(2020/4/15)
箱根ヒルクライムに参加した際、同じくFFWDのホイールと組合せて使用しました。
登りは全く問題ありませんでしたが、集団下山で問題発生。熱にホイールが耐えきれず、カーボンが融解。ホイールが破裂しました。
箱根ヒルクライムのコースは平均10%近くあり、更に集団下山は常にブレーキを掛けながら下るもの。更に私の体重は80kg超。カーボンホイールにとっては非常に厳しい条件と言えます。
このブレーキシューのみが発熱の原因だとは思いませんが、発熱が心配な方はこのブレーキシューは避けたほうが良いかもしれません。
評価
対象モデル: LifeLine「Performance カーボンロードブレーキシュー」
年式: 2015年
定価: 570円(税込)
購入価格: 570円(税込)
公称重量: 不明
実測重量: 5g/1個
価格への満足度
価格破壊とはこの事。
総合評価
ドライ・ウェット性能ともに不満なし。熱を持ちやすいかもしれない。
レビュアー情報
年齢: 30歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。