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【レビュー】Litorange「携帯ポンプ」
評価:1.5
Litorangeの超小型携帯ポンプ。どこかで見た形状をしています。
購入動機
電動携帯ポンプが実用的性能になってきたこともあり、最近は日常的に持ち歩く機会も増えました。
電動携帯ポンプを持ち歩くために
現在持ち歩いているのは、CYCPLUS「AS2 PRO」。
一度の充電で使える回数は、ロードバイクだと2回が限度。3回目は厳しいです。一度のライドで3回パンクすることは稀ですが、それに備えて一応最低限の手動携帯ポンプを持っておこうと考えました。
airboneが売ってない
保険で持つものなので、なるべく軽く小さいものが良い。ということで、思い浮かんだのがairbone「SUPERNOVA」です。
全長は公称で99mm、重量は実測58g。小さく軽いポンプです。
筐体が小さいので回数こそ普通の携帯ポンプの倍近くが必要になりますが、1歩ずつ確実に空気圧を上げられます。保険としては適任。
しかし、手元にあるSUPERNOVAポンプは長年の使用でボロボロ。そろそろ新しいのを買うか……と思ったのですが。
探しても全然売ってないのです。本体の形状は同じで口金だけ仏式な「BRAVO」ポンプは割と見かけるのですが、米式口金で延長ホースが使いやすい「SUPERNOVA」が各種通販から消えていました。売っていたと思えば10000円を超えるプレミア価格。元々2000円前後のはずですが……。
一時期はどこでも手に入ったような記憶があるんですが、日本の代理店がもう手を引いてしまったんでしょうか?
似たポンプがAmazonにある
Amazonでairboneを検索すると似たようなポンプも検索結果に表示されます。
そのうちの一つが、今回レビューするLitorangeの携帯ポンプです。
製品画像で見る限りではairboneのSupernovaにそっくり。口金も仏式ではなく米式です。
同じ工場の別ブランドなのか、それともコピー商品か。価格は999円。全然ダメでも後悔しない価格なので、一つ買ってみることにしました。
製品概要
実測重量は51g(単体・ブラケットなし)。口金は米式バルブ専用です。
全長は実測で96mm。
カラーは以下の2種類です。
- ブラック
- シルバー
使用感
シルバーカラーを購入。
自宅内でポンピングテストを実施しました。比較対象は、airbone「Supernova」です。
付属品
価格の割に付属品は豊富。延長ホースまで付属します。
重量
実測51g。airboneは58gなので7g軽いです。
大きさ
実測で全長96.6mmでした。airboneは98.3mmだったので、1.7mmほど短いです。
他の寸法も計測して、airboneと比較してみました。
項目 | airbone | Litorange |
---|---|---|
全長 | 98.3mm | 96.6mm |
全長(ピストンを引いた時) | 151mm | 148mm |
シリンダー径 | 20.7mm | 21.9mm |
ピストン径 | 7.9mm | 8.0mm |
うーん、全然違いますね……。
特にシリンダーとピストンの直径はポンプの性能に関わる値です。全長が短いのも、1回あたりの吸気量が少なくなります。
外観
色々な寸法に差がありましたが、外観的にもairboneとの差異があります。
Oリングの有無、吸気口の形、口金の形状。全然違います。
性能
さて、性能の方はどうでしょうか?
iRC「ROADLITE(25C)」タイヤを、Fulcrum「Racing3 C17」に取り付けてポンピングテストを実施しました。
airboneとLitorangeで300回ずつポンピングを行い、気圧を計測します。
airbone | 2.73気圧 |
---|---|
Litorange | 2.17気圧 |
Litorangeはairboneよりも0.56気圧低いという結果になりました。
ポンピング中の空気の漏れなどは発生しませんでしたが、それにしても300回のポンピングで2.17気圧は低すぎます。全長の短さ(=1回あたりの吸気量の少なさ)が影響しているのでしょう。
また、Litorangeの方が気圧が低いにも関わらず、300回時点で必要な腕力はLitorangeの方が上でした。これだけ低圧(2.17気圧)なのにそれなりに腕力が必要となると、果たして5気圧を超えたらどうなるのか?
5気圧までフロアポンプで空気を入れ、そこから「追いポンピング」をしてみましたが、Litorangeは1回1回のポンピングが相当重くて相当大変でした。airboneもポンピングが軽くはありませんが、それでも顔が真っ赤になるほどではありません。
回数あたりで入る空気圧も低く、ポンピングに必要な力も多い。つまりすごく疲れます。
正直、ポンプとしての性能的にはLitorangeの惨敗と言って良いと思います。
まとめ
小さいし軽いですが、自転車用の携帯ポンプとしては実用に足りない性能だと思います。
Amazonのレビューでは「加圧式ランタンには向く」とありますが、本来の用途である自転車には向きません。
パっと見はairboneに似て見えましたが、細かい部分を見ると全然別物です。恐らく全然別の工場で作られたコピー製品じゃないでしょうか。Litorange以外のブランドでも似た形状のポンプは売られていますが、出自は似たようなもののきがします。
これらを買うならば、実店舗のデッドストックのairboneを探して保護したほうが良いでしょう。私も探さなければ……。
airboneの国内通販在庫は未だに枯渇していますが、また復活してほしいですね。
評価
対象モデル: Litorange「携帯ポンプ」
年式: 2024年
定価: 999円
購入価格: 999円
公称重量: 50g
実測重量: 51g
価格への満足度
値段の割には付属品豊富(が、品質は低い)
総合評価
airboneに似ているが、性能は完全に下位互換。自転車用としては性能が足りない。
著者情報
年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。