【レビュー】青奴工房「めだたんぼー」

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評価:5

青奴工房の「りょうちん」さんがハンドメイドしている、自転車用携帯フォトスタンド。自転車を入れた風景写真の撮影時に使用するアイテムです。

目次

購入動機

出先で「自転車を入れた写真を撮影したい」という状況はよくあります。大抵は縁石とか電柱とかに立てかけて撮影するわけですが、思った構図で撮れなかったり、電柱が邪魔だったりとヤキモキすることはしばしば。

そこで、軽量な簡易スタンドをいくつか買って試しました。

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これらの簡易スタンドも悪いものではなかったのですが、「重い」「最近のシマノのクランクには付かない」「ドライブ側のクランクが上を向いてしまう」等の弱点がありました。レビューには無いスタンドも色々と試しましたが、何らかの不満が残りました。ツール缶やヘルメットをスタンドにする方法も試しましたが、望んだ安定感は得られませんでした。


そんなときに見かけたのが、下記のクラウドファンディングです。

Makuake(マクアケ)
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特徴は以下の通り。

・重量は41g
・折りたたむとかなり小さくなる
・クランクキャップの穴に差し込む方式なので最近のシマノクランクでも問題なし
・クランクの向きは自由に設定可能
・透明で目立たない。

これは凄い。

自転車雑誌などの写真撮影ではアクリル棒を使って自立させています。それを分割して携帯性を上げるというアイデアと、それを実際に作ってしまう行動力・技術力が素晴らしい。

この「めだたんぼー」の作成を手掛けるのは「りょうちん」さんという方。どんな方かな?と思ってTwitterを開いてみると、フォロワーさんでした。支援決定。

妻と一緒に2口の支援を行いました。私と同じく、「こういうのを待っていた!」という方が多かったのか、あっという間に目標額を達成し、最終的には目標額の8倍を達成していました。

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現在は、りょうちんさん本人のboothを始め、各自転車通販サイトで購入することが出来ます。

製品概要

実測重量は41g。

2つに分解が可能で、かなりコンパクトになります。

材質は、本体が透明のアクリル、ジョイント部はスチールです。接地面には滑り止めとショック吸収のための透明ウレタンが貼り付けられています。

付属品はマジックテープ。折りたたみ時には本体を束ねる用途で、スタンドとしての使用時にはブレーキレバーを固定するために使います。

使用感

自転車ツーリングでの写真撮影に使用しています。格納場所は主にサドルバッグの中です。

説明書にも書いてありますが、あくまで「撮影用」のスタンドであって、駐輪には使えません。

重量

実測で41gと、かなりの軽さ。ロード用軽量チューブ1本分より軽いです。

簡易スタンドはそれなりに強度が必要とされるために、100g以上は当たり前。TOPEAKのフラッシュスタンドスリムは150gあります。その中にあって、たった40gで自転車を自立させるに足る強度を持っているのは驚くべきことです。

携帯性

2分割が可能で、収納時は携帯ポンプ並に小さくなります。

ツールケースに収納も可能でした。

使い方

まずは束ねているマジックテープを取ります。

マジックテープで左ブレーキレバーを固定し、ブレーキを掛けます。これにより、ホイールが動かなくなるため、安定性が確保されます。マニュアルには「左ブレーキレバー」と書かれていますが、これは別に右でも良いとのこと。単純に左ブレーキレバーを固定したほうが、右側から写真を撮った時に目立たないという理由のようです。

次に、2本のアクリル棒を連結。

そして、アクリル棒の曲がっている部分をこのクランクキャップに差し込み、スタンド側に重心が行くように少し傾けて自立させます。SHIMANOのクランクキャップを前提に設計されているようなので、他社のクランクの場合には残念ながら使うことが出来ません。例外的にKCNCのキャップは使用可能とのことです。

こんな感じですね。私はこの時に、クランクを3時方向に揃えるようにしています。クランクの向きが上向き固定にならないのは嬉しいところ。

安定性

ブレーキレバーを固定するためのマジックテープの働きが大きく、従来の簡易スタンドよりも格段に安定します。

恐らく従来の簡易スタンドも同じようにブレーキレバーを固定すれば同程度には安定するのだと思います。しかし、最初から固定するためのテープやゴムが付属している製品を、めだたんぼーの他に知りません。これは、作り手が「分かっている」からこそ付属してくるものということですね。しかも、そのマジックテープは分割した本体を束ねるために使うので紛失することもない。よく考えられています。

ただ、いかに安定しているとは言え、強い風が吹けば自転車は倒れます。風が強い場所では使わない、もしくは風で倒れにくい向きに自転車を置く等の工夫が必要になるでしょう。また、接地面もアスファルトよりは芝生や土のような適度に柔らかい場所に置いたほうが安定すると思います。

汎用性

前述の通り、本製品はSHIMANOクランクのみで使うことが出来ます。他社のクランクでは使うことが出来ません。

SHIMANOであっても、パワーメーター内蔵のクランクも同様に付けることが出来ません。なので、最近は自転車を入れた撮影をしたい場合は、パワーメーターの付いていない方のロードバイクを持っていくことが多いです。

この部分の汎用性が高まれば最強だと思うのですが、なかなか難しいとは思います。

価格

直販価格は1900円です。各通販サイトでも2000円前後。丁寧にハンドメイドされているのにこの価格は安いと思います。

作例

「めだたんぼー」を使って撮影した写真の一例です。本当にスタンドが全く目立たず、自転車が勝手に自立しているように見えるのが面白いですね。

七里岩ラインにて

諏訪湖にて

寺家ふるさと村にて

川崎工業夜景

まとめ

軽量かつ目立たない、そして安定性も高い携帯用自転車スタンド。自転車撮影用の簡易スタンドの決定版と言って良いと思います。個人的には、従来の簡易スタンドでは上向き固定だったクランクの向きが選べるようになったのがありがたいですね。

めだたんぼーを手に入れたことで、写真撮影の構図の自由度が大幅に向上しました。ある程度水平な地面であれば、どこであっても自転車を立てられるのが素晴らしい。電柱や縁石を探す必要もなく、電柱や縁石が映り込むこともないわけですね。

以前は撮影が想定されるツーリングの時のみ簡易スタンドを持参していましたが、最近は「めだたんぼー」をサドルバッグに入れっぱなしにしています。場所を取らないし軽いので。撮りたい時に撮れるのは大きいです。

作成者のりょうちんさんは大変かと思いますが、是非作り続けて欲しい逸品です。

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評価

対象モデル:  青奴工房「めだたんぼー」
年式: 2020年
定価: 1900円
購入価格: 1900円(クラウドファンディング支援額)
公称重量: 41g
実測重量: 41g

価格への満足度

10/10

携帯スタンドとしてかなりの安さ。

総合評価

10/10

自転車撮影の自由度を大幅に上げてくれるアイテム。

レビュアー情報

年齢: 35歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

 

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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