【レビュー】MINOURA「HPS-9 Get’A」

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評価:4

ミノウラの簡易スタンド付き携帯工具。出先での写真撮影時などに、携帯工具がスタンドに早変わりします。

目次

購入動機

自転車を風景に入れた写真を撮影するのが好きなんですが、困るのは自転車の自立方法。適当な壁などがあれば良いのですが、

「この角度で、ここに自転車を入れたい!」

という時に、やはり「スタンドが欲しいなぁ」と思うことはよくありました。

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TOPEAKから出ているフラッシュスタンドスリムは求めていたものに近かったのですが、やはりちょっと嵩張るのが玉に瑕。ツール缶のみで自転車を立てる「ツール缶スタンド」という技も生み出しましたが、これはかなり不安定で一度自転車を倒してしまったことがありました。

何か、小型で安定したスタンドは無いかな……と思っていた所に現れたのが本製品でした。携帯工具にギミックを加えてスタンドにしてしまおうというアイデア。実に画期的。即座に購入しました。

製品概要

実測重量は162g。公称通り。

携帯工具として付いているのは、以下のもの。

・2/3/4/5/6mmレンチ
・プラスドライバー
・タイヤレバー

さらに、以下の機能が付いています。

・簡易ペダルスタンド
・スマートフォン用スタンド

なお、サイトには「工具はあくまでも緊急時の工具としてお使いください。」と書いてあります。あくまで主役はスタンドなのかもしれません。

使用感

スタンドとして、工具として使ってみた感想を述べます。

簡易スタンドとして

スタンドとして使うには、いくつかのステップを踏む必要があります。戦隊モノの合体ロボみたい。

まず、基本状態はコレ。

サイドに付いているパネルを外します。実はこれ、タイヤレバーにもなります(チューブレスへの使用不可)。

「MINOURA」の文字が刻まれたプレートを跳ね上げます。

跳ね上げたプレートに、タイヤレバーを挿します。

ひっくり返して、フックを跳ね上げます。

そして、フックをペダル軸に引っ掛ければ、スタンド完成。若干、落ちてくる天井を支えながら「ここは俺に任せて先に行け!」という絵面にも見えます。

なお、ペダルの踏み面に触れる部分には滑り止めのゴムも付属。これのお陰でかなり安定します。

このスタンドを使って写真を撮影した例。河津桜です。河原の結構不安定な所に置いたのですが、良い感じに自立してくれました。さすがに風が吹くと不安定にはなりますが、ツール缶やヘルメットをスタンド代わりにするより数段安定します。ただ、手前側のクランクが上を向いてしまうのは、フラッシュスタンドスリムと同じく残念なところ。

また、本製品はクランクを選ばないのも美点。クランクに被せるタイプのフラッシュスタンドスリムは、Dura9000のクランクやカンパクランクには取り付けられませんでした。しかし、フックをペダル軸に引っ掛けるこの形式であれば、ほとんどのクランクで使用が可能であるはずです。

スマートフォンスタンドとして

こんな感じ。イマイチ使用シーンが分かりませんが、定点撮影や三脚代わりに使えそうではあります。

工具として

工具としての性能は至って普通。レンチも、シマノの上位モデルを交換するための8mmが入っていないくらいで一通りの太さが揃っています。

携帯スタンドの足としても使われるタイヤレバーはアイデア賞。意外とサドルバッグの中で嵩張るタイヤレバーをここまで小さくまとめたのはあっぱれです。

ロングライダー的には、チェーン切りが付いていないのは残念。それがあれば主力としても良いくらいなのですが。

まとめ

非常に面白い製品です。写真撮影が前提となるようなツーリングには最適ではないでしょうか。私は河津桜ツーリング、しまなみ海道ツーリングにこれを持って行きましたが、かなり出番が多かったです。

惜しむらくはチェーン切りの不在。チェーンのトラブルは割りと起こりうるので、本格的なロングライド用の工具として使うのはちょっと荷が重いと思います。

他にもミノウラは以下のような簡易スタンドも出しています。

意外にもミノウラは本製品以外の携帯工具を出していません。「スタンドメーカーが携帯工具を作ったらこうなる」という製品として提案してきたのだと思います。

ニッチながら割りと需要のある簡易スタンド業界に、ミノウラは新風を吹き込もうとしているのかもしれません。

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評価

対象モデル:  MINOURA「HPS-9 Get'A」
年式: 2014年
定価: 3259円
購入価格: 2495円
公称重量: 162g
実測重量: 162g

価格への満足度

9/10

凝ったギミックの割に安い。

総合評価

8/10

面白い携帯工具。工具としてはちょっと足りない部分がある。

レビュアー情報

年齢: 30歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

 

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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