【レビュー】mont-bell「サイクルレインパンツ」

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評価:4.5

モンベルのレインパンツ。GORE-TEX使用のフラグシップ製品です。

目次

購入動機

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約3年間使用した、mont-bellのスーパーストレッチサイクルレインパンツ(以下、スーパーストレッチ)。乾燥機に入れても表面の撥水性が復活しなくなったので、買い替えを検討。

行きつけの店に行った所、GORE-WEARのアクティブトレイルパンツがあったのですが、以前は絞れたはずの裾が絞れなくなっていました。「GORE BIKE WEAR」が「GORE WEAR」に変わったことで、若干「自転車専用」の面が薄れてしまったようです。

そうなると、やはり頼れるのは我らがmont-bell。もう一度スーパーストレッチを買おうかとも思いましたが、ここはレインウェアの研究と割り切って、フラグシップのサイクルレインパンツを購入したのでした。

製品概要

実測重量は209g(Lサイズ)。素材はGORE-TEXのパックライトとされています。スペックは以下の通り。

 ・GORE-TEX: JIS L-1099B-1法
   耐水圧(50000㎜)
   透湿性(44000g/m2/24h)

比較として、スーパーストレッチの素材である「スーパーストレッチハイドロブリーズ」のスペックも以下に示します。

 ・スーパーストレッチハイドロブリーズ: JIS L-1099B-1法
   耐水圧(200000㎜)
   透湿性(15000g/m2/24h)

使用感

ランドヌ東京主催の1000㎞ブルベ「ビワイチ1000」で使用しました。2日目に数時間ほどの雨の中を走行しています。

重量

今回は、公称195gのスーパーストレッチから、公称200gの本製品への買い替えでした。重くなるかと思いきや、実測重量は226g→209gと若干の軽量化となりました。

収納袋に入れたときの大きさは、オーストリッチのSL-100とほぼ同じ。

サイズ感

スーパーストレッチではMサイズを使っていますが、本製品ではLサイズを選択。

店で試着した結果、Mサイズは若干突っ張りを感じたためです。本製品は膝の部分に多少ストレッチする仕組みが採用されているものの、全体的に伸びるわけではありません。スーパーストレッチからの乗り換えなら1サイズ上を選んだ方が良さそうです。

スーパーストレッチで感じた裾の短さも今回は無し。サイズ的にはLサイズが私には適当だったようで。

フィット感

やはりストレッチするのが膝周りのみということで、スーパーストレッチと比べると若干の窮屈さはあります。が、適正サイズを選べば動きにくいということはありません。ストレッチするGORE-TEXが可能なら全面に採用すればよいのに、と思いますが……。

裾部分はフラップが設けられ、絞ることが可能になっています。中々この機構が他社には無いんですよね(パールイズミにはあることを確認)。ストレッチ性の無い素材ということで、空気抵抗が心配でしたが、適切に絞ればバタつきはほとんどありませんでした。

防水性・透湿性

さすがにGORE-TEXということで、防水性は完璧、透湿性も高いです。今回は結構な量の雨に降られましたが、浸水はありませんでした。

なお、mont-bellは2018年度以降、GORE-TEXの耐水圧・透湿性の試験方法を「L-1099B-2法」から「L-1099B-1法」に切り替えました。試験方法については割愛しますが、その前後でスペック表記は以下のように変わっています。

 【過去(L-1099B-2法)】
  耐水圧: 40000㎜
  透湿性: 13500g/m2/24h

 【現在(L-1099B-1法)】
  耐水圧: 50000㎜
  透湿性: 44000g/m2/24h

素材のGORE-TEX自体は変わっていませんが、見かけ上のスペックは3倍になっています。スーパーストレッチを含むmont-bellの他製品がL-1099B-1法で試験されていることから、それに合わせたものと推測されますが……。

以前のスペック表記だと、GORE-TEXよりもスーパーストレッチの透湿性の数字の方が大きくなっていました。現在は、スーパーストレッチが15000g/m2/24hに対して、GORE-TEXは44000g/m2/24hと、約3倍の透湿性と言うことになっています。体感できるレベルの蒸れにくさの差はありました。

収納性

専用の袋に収納した際のサイズは、ほぼスーパーストレッチと同じです。バーサライトに比べると大きいですが、許容範囲。

その他

私が買ったのは2018年10月にリニューアルされたバージョンのもの。スペック上は大きな違いは見られませんが、尻の部分のデニール数が増えて、摩擦に強くなったとのことです。

実はモデル入れ替えで旧バージョンが安くなってはいたのですが、あえて新バージョンを購入。体重があるので、耐久性の高そうな方にしたのでした。

まとめ

スーパーストレッチに比べて防水性や透湿性の面で優秀なレインパンツ。自転車用途の専用設計だけあり、やはり長時間使ってもストレスが少ないです。

ただ、スーパーストレッチの2倍の値段を出してまで欲しいと思えるかは人によるでしょう。私は雨天ライドを出来る限り快適にしたいので、本製品にはお金を出す価値を感じました。

難点はやはり、ストレッチ性の低さ。膝の部分がストレッチするだけでペダリングは確かにしやすいのですが、やはり多少の引っ掛かりを感じます。GORE-TEXでストレッチする製品をほとんど見ないことから技術的に難しいのだと思いますが、是非何とかしてほしいものです。

評価

対象モデル:  mont-bell「サイクルレインパンツ」
年式: 2018年
定価: 20520円(税込)
購入価格: 20520円(税込)
公称重量: 200g
実測重量: 209g

価格への満足度

6/10

高級品だが、適切な価格。

総合評価

9/10

しなやかさは少し足りないが、他は満足。

レビュアー情報

年齢: 35歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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