【レビュー】OGK KABUTO 「AERO-R1」

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評価:3.5

OGK KABUTOのロード用エアロヘルメット。マグネットで脱着可能なシールドが付属します。

エアロヘルメットをロングライド観点でレビューします。

目次

購入動機

長いこと愛用してきたOGK REDIMOS。既に4代目も2年以上使用しており、次のヘルメットを考える時期になってきました。

2016年のサイクルモードにて発表された「AERO-R1」。何故かその時持っていたキッチンスケールで重量を計らせてもらった所、S/Mサイズで210gの重量に偽りはありませんでした。ロード用エアロヘルメットと言えば、200g台後半から300g台前半が相場。その中で200g台前半を叩き出してきたのは正直驚きでした。

私の使用シーンは主にロングライドですが、少ない力で早く走りたいのはレースと同じ。これまではその重量からエアロヘルメットを避けていましたが、ようやくノーマルのヘルメットと同等の重量まで軽くなったので購入を決めました。

年明けの段階でワールドサイクルで予約が開始されたので、L/XLサイズを予約。GW前には納品という話でしたが、シールドに問題が合ったためか発売は延期。結局、手にしたのは7月になってからでした。

製品概要

実測重量は241g(L/XLサイズ)。シールドは41gでした。

カラーは7種類。私はマットブラックレッドを購入しました。

アジャスターは、XF-7形式。あご紐は、OGKお得意の消臭効果のあるMOFF素材を使用しています。

使用感

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用途は主にロングライド。たまに実業団メンバーと練習と言った感じ。先日は、600kmブルベで本製品を使用しました。

重量

公称235gで、実測241g。少し重いですが、誤差といえる範囲だと思います。

シールドを含めても282g。他社のエアロヘルメット(GIROやSPECIALIZEDなど)は、シールド無しで同程度以上の重量なので、かなり軽いと言えます。

実際、被っていても首への負担は少なく、600kmブルベを走り終わっても首へのダメージはありませんでした。280gのSCOTTのヘルメットは300kmを超えると結構首に来た(前後の重量バランスもありそうですが)ので、それに比べると長時間被っていてもストレスは少なかったです。

外観

被った際に、非常にスッキリした見た目になります。

これは横方向への張り出しが少ないということなのですが、つまり側頭部の厚みが薄いということになります。実際、REDIMOSと見比べても側頭部から後頭部の厚みは、本製品の方が一段薄く見えます。

Karmorもそうですが、最近は側頭部を薄くするのが流行っているようです。外観のために安全性を犠牲にするのは避けて欲しいところですが……。

サイクルモードでそのことについて担当の方に聞いてみましたが、薄くしている分、素材の強度は上げているとのことでした。

装着感

従来はREDIMOSのLサイズを使用していましたが、それよりも本製品のL/XLサイズは少し余裕があるように感じます。Lサイズは59-60、L/XLサイズは59-61のようなので、その分の余裕かもしれません。

なお、S/Mサイズであっても、私はギリギリ被ることは出来ました。バンダナを巻くことを考慮してL/XLサイズとしましたが、実際に試着してサイズ感を確かめたほうが良いでしょう。

アジャスターの調整幅はREDIMOSより荒いですが、フィット感の調整には不満がありませんでした。

空力性能

正直、体感としては空気抵抗が少ないかどうかが分かるほど、私は鋭敏な感覚は持ち合わせていません。ただ、ダウンヒルではREDIMOSに比べて風切音が静かであると感じます。

参考までに、600kmブルベの実走行時間だけを見ると、REDIMOSだった去年より本製品で走った今年のほうが5分程度早くゴールしていました。フレームも違っているし、気象条件も違うので完全に参考程度の話ですが。

信号も少なく、風が吹きさらしの北海道のような地形では微妙ながら効果があるのかもしれません。

通気性能

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本製品の売りは空力性能と通気性能とのこと。確かに、35km/hより上の速度域ではREDIMOSあたりと比較しても遜色ない空気の流れを感じて涼しいです。

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ヘルメット内部の溝も空気の流れを意識して掘られており、ちゃんと通気性能を考えて設計されていることが分かります。

ただ、低速域ではやはり穴が少ない&小さい分、蒸れやすいです。止まるとなおさら。北海道のように信号が少ない状況でのロングライドにおいては不快感は少なかったのですが、関東地方の都市部で使うと停止時の蒸れが気になりますね。

シールド

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シールドと顔の間の距離は大きく取られており、メガネやアイウェアとの干渉は無いことが確認しています。

何度か使用してみましたが、雨の日に使うと視界がクリアで重宝します。ただ、熱はこもりやすくなりますね。

その他

穴の小さめなエアロヘルメットというのは本製品が初めてなのですが。一つ思った大変不便な点は、

 「頭が痒くても掻けない」

と言うことでした。REDIMOSあたりならば、穴が大きめなのでそこから掻くことが出来るんですが……。頭が痒くなることが結構多いので、地味に不便だと感じている点です。

まとめ

ロングライド的な観点からエアロヘルメットをレビューしてみました。

元々のターゲットであるレースユースに絞れば完璧な製品だと思います。軽い、通気性は良い、エアロ性能も良い。その上、値段も高くない。レース会場で恐らくかぶりまくることを除けば、今一番魅力的なヘルメットです。既にいつも参加している夜練でも装着率が高いので、今後は色々なレース会場でAERO-R1を目にする機会が増えそうですね。

一方、ロングライドに向くかというと、特に夏場は不向きであると感じました。やはり本製品は高速域で動いてこそ生きるものであり、停止の多い普段のライドではエアロではないノーマルヘルメットのほうが何かと使い勝手は良いと思います。とは言え、夏以外は特に問題は感じない程度の蒸れだとは思うのですが。

春や秋のファストランに限れば、快適かつ空気抵抗を下げて自己タイムの更新に一役買ってくれそうです。

今後、更に軽量かつ可視光線透過率の高いシールドが発売されるらしいので、そちらを手に入れたらシールドについてもレビューしてみたいと思っています。

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評価

対象モデル:  OGK KABUTO「AERO-R1」
年式: 2017年
定価: 30240円(税込)
購入価格: 20790円(税込)

価格への満足度

8/10

凝った作りの割に安い。アジャスターはZENARDと同じものが良かった。

総合評価

7/10

ロングライド観点での満足度。レース用として考えるなら+1。

レビュアー情報

年齢: 32歳 (レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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