この記事は約 5分で読めます。
【レビュー】OGK KABUTO 「TOOLBOX 700」
評価:4
OGK KABUTOの販売していた、ハードタイプのツールケース。すでに廃版となっている「非防水」仕様のモデルです。大小2サイズの展開で、大きいサイズ(700ml)容量のものをレビューします。
個人的に一番気に入っているツールケースです。改造することで完全防水にすることが可能です。
購入動機
初めて購入した際の理由は忘れました。数々のツールケースを試して、私の使い方に最もマッチしていたので、5個ほどストックがあります。
格納位置は、ブルベ界隈ではよく見る「第三のボトルケージ」で、ダウンチューブ下用に取り付けるためのツール缶として、7年以上に渡って愛用してきました。
ちなみに、第三のボトルケージを付けるには、こちらのようなアイテムを使います。
製品概要
実測重量は73g。容量は700ml。プラスチック製で、MADE IN TAIWAN。
直径はドリンクボトルと同じく7.5cm、高さは19.3cm。
音鳴り防止のため、内部はウレタン張りになっています。接着されてるのは蓋の裏のみで、その他の部分は接着されていません。
カラー展開は、ブラックとホワイトの2色です。
使用感
ダウンチューブ下に取り付けるツールケースとして使用しています。ブラックカラーのレビューとなります。
(1) 重量
この手のツールケースとしては重量級です。同容量のシマノのツールケースは51gなので、22gのビハインド。ただ、競合製品よりも丈夫に作られている感じがするので、そこは目をつぶっています。
内部のウレタンを取り除くと10g程度軽量化できます。
(2) 外観
主張の少ないデザインが気に入っています。
何故か、簡易定規に加えて、圧力・重さ・温度の単位換算表が印刷されています。これを使う機会は今までありませんでした。
高さは19.3cm。ダウンチューブ下に付けるツールケースは、あまり高さがありすぎると前輪に接触してしまいますし、かと言って小さいと容量不足。本製品は私のフレームサイズだと丁度いい高さになります。
細かい話ですが、後継の防水タイプはブランド名が「KABUTO」表記。非防水タイプは「OGK KABUTO」表記になっています。
(3) 容量
容量は700ml。私がツールケースに入れているアイテムは以下の通り。
・携帯ツール
・チェーンカッター
・コネクトピン
・ブレーキシュー
・携帯ポンプ
・チューブ(2本)
・パンク修理パッチ
・タイヤレバー
・ワイヤーロック
これで大体満杯。結構色々入ります。ポイントは携帯ポンプ。以前はフレームに取り付けていましたが、輪行時にフレームを傷付ける原因となったのでツールケースに入れています。私が使っている携帯ポンプは全長17.8cmなので、ギリギリ入れることが可能です。
(4) 使い勝手
昨今メジャーになったソフトタイプのツールケースのように観音開きに出来るわけではないため、収納したアイテムへのアクセスは結構大変です。底に入れたアイテムを出すには中身を全て出す必要があります。
基本的にパンクやメカトラの時のみ開ける(出し入れの頻度が少ない)ので、私の使い方では特にデメリットにはなりません。例外的に、チェーンロックだけはよく使うので一番上に入れています。
(5) 防水性
私が一番重視しているのがこの項目です。以前、ツールケースが浸水して中身の携帯ツールやチェーン切りを錆びさせてしまったことが理由です。
前述のとおり、私はダウンチューブ下にツールケースを付けます。雨が降ると、この位置のツールケースには前輪の巻き上げた水がシャワーのように断続的に掛かり続けることになります。
恐らく、多くの方は「この手のハードタイプのツールケースは防水である」と考えている方が多いと思いますが、実はそうではありません。水は、毛細管現象でフタのネジ山を通過し、浸水します。縫い目から浸水するソフトタイプのものよりは時間が稼げますが、一度浸水するとハードタイプのものは中々水が抜けません。このため、意地でも浸水させない必要があります。
本製品は「非防水」タイプですが、一手間加えることで完全防水にする事ができます。
具体的には、蓋裏のウレタンを剥がして、防水性シートを貼り付けることです。
私はダイソーで買ったEVAシート(バーテープに使われる素材)を使っています。このシートがシール剤となり、内部の浸水を防ぐのです。この対策をして何度も雨天走行をしていますが、浸水は一度もありません。
後継の防水タイプは、蓋裏に返しが付いていますが、この返しがツールケースの口より一回り小さく、シールの役割を為していません(=浸水する)。しかもこのタイプは返しが邪魔でシートを貼りづらく、完全防水化が困難です。完全防水を実現するには非防水のものを改造した方が確実という皮肉な結果となっています。
まとめ
ブルベ・ロングライド時のダウンチューブ下に取り付けるのに適したツールケースです。ただし、一手間加えて完全防水にしないと浸水します。
最初に書いたとおり、本製品はすでに廃版。後継の防水タイプである「TOOLBOX 700 WP」も、2019年1月で廃版となっており、市場在庫を残すのみです。
ビットリアのプレミアムジップツールケースを皮切りに、ソフトタイプのツールケースが増えました。今では流通しているツールケースの大半がソフトタイプになっており、ハードタイプは絶滅危惧種です。
ただ、ソフトタイプは相当頑張らないと完全防水にはなりません。品質の良い止水ジッパーを採用し、更に縫い目をすべてシールテープで裏張りする必要があります。そこまでやってくれるメーカーは現れないでしょう。
その点、ハードタイプのツールケースは蓋裏にシートを貼るだけで完全防水を実現可能です。使い勝手の面ではソフトタイプに一歩譲りますが、この点は大きなメリットだと考えています。
メーカーの方には、出来ればハードタイプのツールケースも継続してのラインナップをお願いしたいです。
評価
対象モデル: OGK KABUTO「TOOLBOX 700」
年式: 2014年(?)
定価: 1080円(税込)
購入価格: 1080円(税込)
価格への満足度
価格相応ですが、他社のものより長持ちで丈夫。
総合評価
満足。ダウンチューブに取り付ける用途には最適。ただ、少し重い。
レビュアー情報
年齢: 35歳 (レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。