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【レビュー】OLIGHT「RN1200 バイクライト」
OLIGHTの自転車用ライト。最大1200ルーメン。
購入動機
レビュー用にOLIGHTからご提供頂いたものです。

詳しい経緯はこちらの記事に。
RN1200は、RN1500の発売から約半年後に発売されました。
RN1500から明るさ・点灯時間を一段階落としたスペックとなっており、値段も1000円安く販売されています。
製品概要
実測重量は160g(ライトのみ)。
3.6V/4000mAhの21700電池を採用しています。電池の取り外しは不可。
付属品は以下。
・ハンドルバーブラケット
・ブラケット用ストラップ(長さ3種類)
・GOPROマウント
・3mm六角レンチ
・USB Type-Cケーブル
点灯モードとランタイムは以下の通り。
モード | 明るさ | 点灯時間 |
点灯(ハイ) | 1200ルーメン | 1時間40分 |
点灯(ミドル) | 600ルーメン | 3時間 |
点灯(ロー) | 300ルーメン | 6時間30分 |
ストロボ1 | 0-600ルーメン | 7時間 |
ストロボ2 | 0-900ルーメン | 5時間 |
使用感
普段の夜練習で使用。
比較対象は、同シリーズの兄貴分「RN1500」と、弟分「RN800」です。
パッケージ
RN1500やRN800と同じく、なかなか高級感のあるパッケージ。スマホのような箱です。
見た目
RN1500とほぼ同じ見た目。サイドの冷却用スリットが入っているのも一緒(RN800には入っていない)。違いはモデル名のロゴくらいのものです。
取付
元々、Garminマウント互換のブラケットなのですが、使いにくいので私は以下の方法でCATEYEのフレックスタイトブラケットに対応させています。

重量
実測160g。RN1500よりも容量の小さいバッテリーを搭載しているため、重量も軽くなっています。
大きさ
RN1500やRN800とサイズは一緒。Volt800とも同程度のサイズです。
点灯モード
電源スイッチを長押で点灯します。点灯中はずっとスイッチが光り続けます。ちょっと走行中は気になりますね……。
シングルクリックで、300ルーメン→750ルーメン→1500ルーメンとモードが切り替わります。
点滅モードへの移行はダブルクリックをする必要があります。点滅はブルベでは使わない機能なので、意図しないと点滅にはならない設計は好印象です。
消灯は電源スイッチを長押し。モードメモリー機能が付いており、次回点灯時には消灯時のモードで起動します。
スイッチロック機能
RN1200の新機能として搭載されたのが、スイッチロック機能です。
なるほど、こういう挙動か。
・スイッチオフ状態から5秒長押しでロック
・ロック中にスイッチを押しても起動しない(赤ランプ点滅)
・ロック中に5秒長押しでロック解除 pic.twitter.com/nBNGy9inW7— ばる (@barubaru24) July 9, 2021
カバンなどにライトを入れた時に、誤ってスイッチが入ってしまうとライトの光&熱で発火することがあります。それを防ぐための機能として、この機能が搭載されました。

当初はRN1200のみ搭載されていましたが、その後にRN1500・RN800・RN400もマイナーチェンジ版で同様の機能が搭載されました。
配光
配光はRN1500、RN800と全く同じと言って良いと思います。
レンズには上方向の光を屈折させるスリットが設けられていますが、全ての光がカットされるわけではありません。多少は上側にも漏れるので、完全な防眩機能を備えているわけではありません。
詳しい配光比較は、「自転車ライト配光比較ツール」からどうぞ。
照度変化
まず、兄弟機との点灯モードと点灯時間の差を示します。
RN1500 | RN1200 |
RN800 | |
ハイモード | 1500ルーメン | 1200ルーメン | 800ルーメン |
1時間40分 | 1時間30分 | 2時間00分 | |
ミドルモード | 750ルーメン | 600ルーメン | 450ルーメン |
4時間 | 3時間00分 | 4時間00分 | |
ローモード | 300ルーメン | 300ルーメン | 200ルーメン |
12時間30分 | 6時間30分 | 8時間00分 | |
バッテリー容量 | 5000mAh | 4000mAh | 4000mAh |
私の主なライトの用途はブルベなので、「長く使える」モードに注目します。すなわちローモードです。
最初に思ったのは、「RN1200のローモード、点灯時間が短すぎないか?」ということ。
RN1500と同じく300ルーメンなのに、点灯時間が倍近い差となっています。バッテリー容量はRN1200のほうが少ないですが、RN1500の8割はあるわけです。倍近い点灯時間の差の説明が付きません。

そこで照度計を用いてローモードで照度の時間変化を計測した所、以下のような結果となりました。
公称6時間半のところ、実際には14時間47分点灯しました。さすがにおかしいと思ってもう一度充電して実験しましたが、結果はほぼ同じでした。
ただし、グラフを見ると分かるように、最初の30分で不自然な減光が見られます。最初の明るさの52%まで暗くなっています。
RN1500のレビューでも書きましたが、これは人間の目の慣れ(暗順応)を利用した、見かけ上の点灯時間を伸ばすための意図的な設計だと思われます。いわばスペックを盛るための姑息なやり方なのですが……。
ただ、「見た目の点灯時間を伸ばすための設計」をしているのに、「公称点灯時間が実際の点灯時間の半分以下」という不思議な状態になっています。サバ読みと逆サバを同時にやっているわけです。
OLIGHT側に「なぜ実際の点灯時間が公称の点灯時間の倍以上なのか?」の理由を尋ねましたが、現在までに納得の行く回答は得られていません。製品のテストデータシートは見せてもらったのですが、そちらは公称点灯時間の6時間半前後となっていました。
とりあえず、このライトは公称スペックと実際の動作に乖離があることは確かです。
兄弟機の照度変化とも比較してみます。
一定光量を維持するRN800に対し、30分で照度が低下するRN1500&RN1200。
RN1500とRN1200は点灯開始時の照度はほぼ同じですが、30分後の明るさはRN1500が57%、RN1200が52%。RN1200のほうが、「より暗くなった状態で明るさが落ち着く」ということです。
暗くなった分、バッテリーの消費が減るため、RN1500よりも2時間長く点灯出来る……という結果になるようですね。
ただ、最初の明るさが公称通りの300ルーメン出ていたと仮定すると、30分後以降の明るさは300×52% = 156ルーメンということ。ちょっと暗いですね。
充電
TypeCでの2A充電(非PD)に対応しています。
空の状態から、きっちり2時間半でバッテリーの充電が完了しました。
外部への給電
TypeC-TypeCのケーブルを用意すれば、このライトをモバイルバッテリーとして、スマホなどを充電することが出来ます。

ただし、ケーブルと充電対象機器の相性によっては、充電出来なかったり、逆にRN1200側が充電されてしまうこともあります。
バッテリーからの点灯機能
本製品は、モバイルバッテリーを接続しながらの点灯も可能でした。
防水性
背面の充電端子は分厚いゴムカバーに覆われており、防水性はしっかりしていそうです。
念のためシャワーによる「水攻め」を実施しましたが、浸水はありませんでした。
少々怪しいのはスイッチの部分。スイッチが四角いので、丸いスイッチに比べて角のシールが甘くなりやすいからです。実用上は問題なさそうですが……。
まとめ
厳しい言い方をすると「劣化版RN1500」という印象は否めません。RN1500との差額は1000円なので、私ならRN1500のほうを選びます。
点灯後30分で明るさが落ちる特性は引き継ぎながら、明るさの落ち幅が大きい。その分、点灯時間は伸びていますが、公称点灯時間と大幅に違っている点が気になります。
考え方を変えて、最初から「150ルーメンで14時間半のライト」とスペック表で宣言されていれば、ロングライド用のライトとしては悪くない気もしてきます。Volt1200が「150ルーメンで17時間半のライト」なので、それと勝負できるスペックではあるわけです。充電時間は半分以下ですし、外部機器への給電機能も付いています。
しかし、購入する段階でユーザーはRN1200の実際のスペックが分かりません。ユーザーはスペック表を見て、自分の使い方と照らし合わせてライトを購入するわけで、スペック表と実際のスペックが食い違っていると期待と違うものを買ってしまうことになります。いくらモノが良くても、用途が違えば役に立たないこともあります。
OLIGHTには正しいスペック表記を心がけていただきたいですね。
評価
対象モデル: 「」
年式: 2021年
定価: 7795円 (税込)
購入価格: モニター提供
公称重量: 161g
実測重量: 160g
価格への満足度
提供品のため評価対象外
総合評価
著者情報
年齢: 37歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。