この記事は約 7分で読めます。
【レビュー】OLIGHT「SEEMEE 30 TL」
OLIGHTのテールライト。シンプルな機能ですが、赤外線センサを搭載しています。
購入動機
ブラックフライデーセールで2個目のRN1500と共に購入しました。
セールの割引率が、フロントライトとテールライトのセットの方が高く、実質200円ほどでSEEMEE 30 TLが付いてくることが分かったからです。
実のところ、スペックだけ見た段階では興味が持てませんでした。
Amazonの商品説明には「40時間持続点灯」とあるのですが、これは間違い。細かくスペックを見ると、「40時間点滅」が正しい事が分かります。
細かいことではあるのですが、私の主な利用シーンであるブルベでは点滅を禁止している団体も多く、「点滅」時間がいくら長くてもあまり私の使い方では意味がありません。光の強弱がない「点灯」時間がいかに長いかが重要です。
点灯に目を向けると、最大で9.5時間。充電式のテールライトとしては中々長い方に入ります。
何故か充電式のテールライトは点灯時間が短く、ボリュームゾーンは2~3時間、長くても5時間程度のモデルが多いのです。電池式は60時間とか120時間とか景気の良い数字が並んでいるのに、充電式だけが異様に短いんですよね。ただし、電池式は徐々に暗くなる(ダラ落ち)ものが大半ですが。
個人的には20時間以上(二晩は充電無しで持つ)の点灯時間がないモデルにはあまり興味を惹かれないのですが、「200円ならとりあえず買ってみるか」という感じで購入しました。
製品概要
実測重量は26g(バンド込)。ライト本体は19g。
容量330mAhのリチウムポリマー電池内蔵。充電端子はmicroUSBとなっています。
防水規格はIPX6とされています。
モードは3つあり、スイッチをダブルクリックでモード切り替え、シングルクリックでモード内での明るさを切り替えます。
・ミドル: 4h (14ルーメン)
・ハイ: 2h (30ルーメン)
・ブレス: 4.5h (0-30ルーメン)
・コメット: 5.5h (0-30ルーメン)
・ナイト: 10.5h (3-30ルーメン)
使用感
11~12月はブルベにエントリーしていないので、普段の夜練&週末のロングライドで使用しました。
取り付け場所はシートステー。使用モードは「点灯」で、ローモードしか使っていません。
重量
取付用のシリコンバンド込で26gと軽量です。
電池式のテールライトが軽くても30gスタートであることを考えると、かなりの軽さ。単4電池1本式の「TOPEAK Redlite Aero」よりも軽いです。
振動などでの位置ズレは特に無し。
質感
マットなプラスチックを採用しています。
Amazonの商品説明には「高強度アルミ合金」とありますが、どこにもアルミが使われているようには見えません。この説明、恐らくRN1500や800と間違えて書かれている気がしますが、アルミの質感を期待して購入するとガッカリすると思います。
取付
同梱されているのは1つの長さのシリコンバンドのみ。これを巻いて取り付けるだけの方式です。
シリコンバンドは、引っかかる場所が2つ設けられており、かなり細いシートステーから、それなりに太いシートステーまで対応します。
シートポストに付ける場合、丸型の27.2mmシートポストには取付可能でしたが、31.6mmシートポストやエアロシートポストには取付不可でした。もっと長いシリコンバンドの同梱が望まれます。
モード切替
3モード(点灯・点滅・明るさ自動切替)あり、その中で更にサブモードもあって、全部で8種類のモードがあります。
テールライトとしてはかなりモード多めでややこしいと思う人はいるかもしれません。とはいえ、モードメモリー機能があり、前回使用時の状態を復元して起動してくれます。私のように点灯のローモードしか使わないのであれば、特に困ることはないはず。
明るさ自動切替のモードは、説明書によると赤外線センサで周囲の明るさに応じてモードを自動的に切り替えるらしいのですが、正直切り替わっているかはよく分からず。
ランタイム
実際に9.5時間持つのかをテストしました。
1回目のテストは8.5時間で点滅となりました。どうやら電池残量が少なくなると自動的に点滅に切り替わるようです。
放電してから再充電して2回目のテストを行いましたが、やはり8.5時間で点滅に切り替わりました。
残念ながら公称通りの9.5時間は持たない模様です。RN1500は12.5時間きっちり持ったので、スペック通りのランタイムが出ていないのは残念ですね。
8.5時間ということは、日没が17時だとしたら午前1時半までは持つということ。300kmブルベでギリギリ持つかな、といった具合です。
明るさ
7ルーメンのローモードでも十分に明るいです。OMNI5よりも恐らく明るさは上(OMNI5は推定5ルーメン程度)。OMNI5より照射範囲は狭いですが。後方からの被視認性は十分ですが、側方の被視認性は弱いですね。
重要なのは、8.5時間経過時点まで、最初の明るさが持続したということです。ダラ落ちが普通なテールライトにおいて、明るさを保つタイプはなかなか珍しい。
左がSEEMEE 30、右がOMNI5です。どちらも電池満タンですが、OMNI5はここから少しずつ暗くなります。SEEMEE30の方が照射範囲は狭いですが、より遠くまで壁が赤くなっていますね。
安定性
走行中に勝手に消えたりすることは無く、安定して動作しました。
こんなことわざわざ書くまでも無いかもしれませんが、意外と勝手に消えるテールライトはあるのです……。
防水性・防塵性
IPX6とされていますが、構造的にはゴムのカバーが乗っているだけ。ちょっと心配です。
いつも通りシャワーで水攻めをしてみましたが(上の写真で水滴が付いているのは、そのテストの結果)、端子部分は浸水はしていなかったので、多少の雨なら全く問題はないと思います。
その他
充電時間は1時間ほど(正確には66分)。電池の容量が少ないので、microUSBとは言え結構早かったです。
夜練は1日1時間程度(週3~4回)、週末のロングライドは3~4時間の夜間走行なので、週に一度くらいの充電頻度でした。
まとめ
そこそこ長時間「点灯」可能な充電式テールライト。
7ルーメンの明るさを8.5時間保つ(一定光量)というのは、テールライトとしてありそうで無かったスペックです。一方、商品説明と実際が違うところが多い(筐体の素材、ランタイム)のはマイナスポイント。モノは悪くないので正確な記述を心がけてほしいです。
片道20分程度の通勤であれば、2週間は充電なしで使えることになるので、通勤用のテールライトとしては優秀。やはり2・3日で充電というのは面倒臭いので……。
ロングライド的に見ると、ブルベでは安心して使えるのは200kmまで。300kmだとギリギリです。充電時間は短いので、手間でなければ仮眠時にモバイルバッテリー等からの給電を行えばそれより長い距離でも使えそうではあります。
Hideさんが「コレ、かなり軽いので2個持ちすれば二晩くらいは行けそう」と言っていたのには「なるほど」と思いました。値段も大手の充電式テールライトの半額程度ですし、2つ付けても52gとかなり軽いです。夜間走行時間が12~14時間となる東京大阪キャノンボールでも十分に持つことになりますね。
あと、シリコンバンドは別売りでも良いので長さのバリエーションを増やすと、更に色々な人が使うことが出来ると思います。
ただ、やはり充電対象機器の数が増えるのは個人的に嫌なので、OLIGHTさんには20時間程度持つテールライトを作って欲しいですね。現状、そういった製品はほとんどなく、ブルベ勢は仕方なく徐々に暗くなる電池式テールライトを使い続けている状態です。
充電電池はサイズが小さくなると容量的に不利(充電に使う場所以外の割合が増えるため)なのは分かるのですが、多少サイズが大きくても長持ちするテールライトが欲しいです。1000mAhくらいの充電電池を積んで、10ルーメンを20時間くらい持たせることが出来るテールライトが出たら絶対買います。
とりあえず、OLIGHTの担当者の方には上記の内容で要望を出してみました。RN1500の改良と同様、反映されたら嬉しいですが……。
評価
対象モデル: 「」
年式: 2020年
定価: 1895円(税込)
購入価格: 1137円(税込)
公称重量: 24g
実測重量: 26g
価格への満足度
総合評価
レビュアー情報
年齢: 36歳 (レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。