【レビュー】ORTLIEB「サドルバッグ(2014-19年) Lサイズ」

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評価:5

完全防水にこだわるブランド「オルトリーブ」のサドルバッグ。

2019年まで販売されていたサドルバッグシリーズのうち、一番大きいサイズのモデルです。

2020年以降は形状が変化した「サドルバッグ2」シリーズに刷新されています。

目次

購入動機

こちらのレビュー記事のMサイズと同様、「気づいたら使っていた」サドルバッグです。いつ買ったかは覚えていません。

2010年頃からオルトリーブのサドルバッグ(Lサイズ)は使っていました。ブルベや普段のツーリングに重宝した記憶があります。

2014年頃に形はそのままに生地だけ軽量にリニューアル。カラーバリエーションも、黒一色から4色展開に。私はシグナルレッドを購入しました。

私の場合、大体ブルベではサドルバッグを以下のように使い分けています。

サドルバッグの使い分け

今回レビューするLサイズは、主に400km・600kmのブルベで使用。

300kmブルベでも、フルに雨天の場合には使うこともあります(雨具収納のため)。逆に、荷物が少なくて済みそうな場合には1000kmブルベに投入することもあります。

製品概要

実測重量は278g(アタッチメント除く、単体重量)。アタッチメントは36gです。

公称容量は2.7L。完全防水です。

発売当時はカラーバリエーションも豊富で、以下のカラーがありました。

カラー展開
  • スレート
  • シグナルレッド
  • オーシャンブルー
  • ライム

使用感

主に400km・600kmのブルベで使用しています。

今回レビューするのは、Lサイズのシグナルレッドカラーです。

2018年ビワイチ1000にて

生地以外の感想は、基本的に生地軽量化前のバージョンと同じですが、改めて感想を書いていきます。

軽量化

生地変更前のバージョンには、ボルトを交換する軽量化改造を実施しました。

ただ、これは防水性が低下することが分かっていたので、こちらでは実施せず。生地変更によって20gほど軽くなっているので、わざわざ軽量化する必要もないと判断しました。

生地

オルトリーブのサドルバッグは、2014年頃に形状はそのままに生地だけ変更となりました。

近くで見ると六角形が並ぶ不思議な生地です。

変更前のバージョンと厚みこそ変わりませんが、ストッキングなどで言うところのデニール数が低下している感じで、光が透けます。密度が下がってるということでしょうか。

その分だけ軽量化されており、旧生地よりも18gほど軽くなっています。

重量

公称重量は330g。これはおそらくアタッチメント込の重量です。

実測では、278+36=314gと、16gほど軽かったです。確か、生地変更前と公称重量は変わっていないので、この減った分は生地の軽量化分ということだと思われます。

実測で5L以上の容量があることを考えると、それでこの重量はかなり軽い部類です。

取り付け

取り付け方法は、Mサイズと同様なので割愛します。

取り付け後のサイズ感はこんな感じです。

容量

公称容量は2.7リットルとされています。

ただ、実際に確かめてみると5.4リットルも入ったという情報があります。公称の倍ですね。

こちらは旧生地のレビューから持ってきた写真ですが、バッグの容量は同じ。600kmブルベの荷物がほぼ全て入ります。

完全防水なので、雨具などを安心してそのまま入れられるのが利点です。

Mサイズと同様にロールアップ方式を採用しているため、「内容量に対する許容度が広い(荷物が多めでも少なめでも不都合が出にくい)」という特徴も同じです。

安定性

Mサイズと同様なので割愛します。

とても安定しています。バイクパッキング用の大型サドルバッグに比べて明らかにこの点は上です。

旧生地版のレビューには以下のように書きました。

他社(suew、Revelate Designs、Oveja Negra)の大容量サドルバッグの場合、ある程度の容量を入れないとシートポストと接する部分が潰れてしまうことがあります。ORTLIEBの場合、シートポストと接する部分には内部にプラスチックのシェルが入っており、この部分が潰れることはありません。ある程度、いい加減なパッキングでも不都合なく使用できるのが強みと言えるでしょう。

【レビュー】ORTLIEB「サドルバッグ(~2014年) Lサイズ」より

この部分って安定性にはかなり影響するんですよね。

それを把握しているからだと思うのですが、2017年にオルトリーブが発売したバイクパッキング用の大型サドルバッグはシートポストと接する部分がガチガチに強化されています。

あともう一つ大事なのが、「荷物を出し入れした際にあまり気を使わなくて良い」ということ。

バイクパッキング用のサドルバッグは荷物を入れ直す際に丁寧にパッキングを行わないと安定性が低下します。

その点、オルトリーブのサドルバッグは中身を適当に詰め込んでも安定性がほぼ低下しません。「雑に扱っても問題が起きにくい」というのはストレスの低減に繋がります。私が未だに(容量が足りるなら)ブルベでオルトリーブのサドルバッグを使うのはこのあたりが一番の理由です。

足との干渉

こちらもMサイズと同様なので割愛します。

1cmのスペーサーはLサイズにも入っており、微妙に後方にオフセットするため、太ももに擦りにくくなっています。

防水性

完全防水です。

Mサイズと同様、ロールアップは最低2回は行わないと防水になりません。Mサイズとは違い、4回までロールアップ可能です。

被視認性

バッグ背面には反射材付き。結構目立ちます。

耐久性

Mサイズと同様、恐らくこのバッグも9年ほどは使っていますがまだまだ大丈夫です。

400km/600kmブルベくらいでしか出番がないのでMサイズよりは使用頻度が低いこともあり、よりきれいな状態を維持しています。

強いて言うなら、このサドルバッグシリーズはシートポストに巻きつけるストラップのマジックテープが剥がれてくることがあります。その場合、ここだけスペアパーツで買うことは可能。ちょっと高いですが。

その他

「長さがあるので泥除け代わりになる」と良く言われますが、バッグとタイヤの距離が大きいのでそこまでの効果はありません。ASS SAVER程度の防御力だと考えたほうが良いでしょう。

まとめ

完全防水・高い安定性・足との干渉も抑えられたサドルバッグ。

バイクパッキング用の大型サドルバッグには負けますが、一泊二日のツーリングに十分な荷物を詰め込めるだけの容量があります。そして、割と雑にパッキングしても安定しているのも美点。

Mサイズと並び、私にとっての「至高のサドルバッグ」です。


Mサイズのレビューにも書きましたが、オルトリーブのサドルバッグは現在「サドルバッグ2」というシリーズに移行しています。

Lサイズの後継品は公称容量4.1Lとなっています。こちらも機会があれば試してみたいですね。ただ、今回レビューしたシグナルレッドのLサイズの予備がもう一つあるのですが……(笑)

評価

対象モデル:  ORTLIEB「サドルバッグ(2014-19年) Lサイズ」
年式: 2015年
定価: 7128円
購入価格: 不明
公称重量: 330g
実測重量: 314g

価格への満足度

7/10

当時のサドルバッグとしては高価だったが、性能からすると納得。耐久性も高い。

総合評価

10/10

容量が大きく、雑に扱っても安定している。ランドヌールにとって至高のサドルバッグ。

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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