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【レビュー】OSTRICH SL-100 超軽量輪行袋 緊急用
評価:4
オーストリッチの軽量輪行袋。
これまで最軽量だったSL100と同名ですが、「緊急用」というシールがパッケージに貼られている謎の製品です。通常のSL100(以下、黒SL100)と比べて、本製品(以下、オレンジSL100)は、袋単体で70gの軽量化に成功しています。
購入動機
神宮の「なるしま」に行ったところ、輪行袋に見慣れない製品が。パッケージには「SL100」と書いてあるものの、明らかに黒SL100よりも手に持った感じは軽かったのです。
なるしまにはシューズ売り場にキッチンメーターが置いてあります。これで、パッケージごと黒SL100とオレンジSL100の重量を測ってみました。結果は、
オレンジSL100: 190g
オレンジSL100にはショルダーベルトが含まれていないので、この時点で正確な比較は出来ません。ただ、ショルダーベルトは30g程度。明らかにオレンジSL100は黒SL100とは別物だと言うことが解りました。
値段は黒SL100と同じ7380円。迷いましたが、軽量輪行袋マニアとしては買わないわけには行かず、購入してしまいました。
製品概要
内容物は以下。エンド金具は別売りです。
・中締めベルト×3
・外袋
黒SL100に入っていたショルダーベルトは付属しません。付いている中締めベルトは黒SL100と同じもの(中締ベルト軽量型と呼ばれる製品)。
袋の形状は巾着型で、エンド金具を使用する縦型輪行袋。袋に印刷されるオーストリッチロゴは緑色です。
これだけ軽量に振りながらも、底にはちゃんと補強が入っています。
諸々入れたフルセットの重量は172gでしたが、ベルトをカットして164gまで軽量化出来ました。袋本体の重量は128g。
外袋も輪行袋本体と同じ材質で作られています。かなり薄いです。
使用感
まだ実際の輪行では使っていませんが、家でパッキングをしてみたのでファーストインプレッションのレビューとなります。
軽量性
縦型輪行袋では圧倒的に軽いです。以下に、他の縦型輪行袋との袋単体の重量の比較を述べます。
・黒SL100: 198g
・POCHITT RB003: 196g
・maruto ツアーバッグAir: 152g
これまで最軽量と思われたmaruto製品を24gも下回っています。縦型に限定せずとも、他の軽量輪行袋よりも軽いです。
・mo エマージェンシー: 148g
これらと比べても圧倒的な軽さ。もちろんその分容積も小さく、サドルバッグ内でも場所を取りません。エンド金具を入れると、エンド金具不要な軽量輪行袋よりは重くなりますが、個人的には縦型輪行袋の電車内での省スペース性には変えがたいです。
パッキング
恐らく袋自体の寸法は黒SL100と同じです。構造も全く同じで、巾着タイプとなっています。
パッキングの方法も黒SL100と一緒ですが、チェーンリングなどを引っ掛けて破かないように一層の注意が必要です。あと、色がオレンジなので、チェーンオイルが付着するとかなり目立ちます。
中身が透けており、かなり薄いことが解ります。補強は入っているものの、手持ちの輪行袋では最も薄いと思います。
持ち運び
説明書の指示通り、ダウンチューブを掴んで運んでみましたが、やはり腕が疲れます。
と言うことで、やはり黒SL100と同様にショルダーベルトを持参することにしました。これで+32gですが、格段に運びやすくなりました。
セット重量は198gに。エンド金具を加えても250gほどです。
ショルダーベルトは付属しないにも拘らず、実はショルダーベルトを通すための穴が開いています。ただ、この穴にショルダーベルトを通してしまうと、袋を引っ張ってしまい、チェーンリングやプーリーの尖った部分で袋に穴を開けてしまう可能性があります。
私はあえてこの穴を使わず、巾着の口の部分からショルダーベルトを両方出しています。以前、marutoのツアーバッグAirで穴を開けて以来、この方法に変更しました。以後、輪行袋に穴を開けたことはありません。あの穴は、私にとって袋の前後方向を知るための目印でしかないです。
耐久性
実用はしていないため未知数ですが、黒SL100よりは格段に弱そうです。向こうが見えるほどの薄さなので、引き裂きには注意する必要があると思います。前述のようにショルダーベルトを通す穴も使わないほうが賢明でしょう。
元々「緊急用」と謳っていますし、10回も使えれば御の字なのではないかなと。
その他
本製品は謎の多い製品です。オーストリッチの公式にも一切記載が無く、ネットを調べても情報が出てきません。Twitterで情報を募ったところ、私と同じくなるしまで買った人はいましたが、他の店舗で買った人はいませんでした。
仮説ではあるのですが、本製品は「なるしま別注品」なのではないかなと。
聞いた所によると、最近見かける「L100」輪行袋の黒以外のカラーは元々なるしま限定だったようです。それと同様に、なるしま限定で作成されたか、先行販売されたものではないかと推測しています。
私が買ったときには1個残りがあったのですが、Twitterに書いたところ、東北在住の有人が電話で速攻在庫を抑えていました。今後入荷するかは不明です。
まとめ
「SL100」の名前を冠していますが、明らかに従来のSL100よりも軽く、「スーパーSL100」とでも呼ぶべき輪行袋です。
marutoが「ツアーバッグAir」を「業界最軽量」として売っていましたが、これで最軽量は塗り替えられたことになります。業界のリーダーたるオーストリッチが、
「最軽量?ウチがやればこれくらい行くよ」
と、本気で取り組んできた製品だと感じました。縦型の輪行袋で、これ以上軽くするのはもう難しいんじゃないでしょうか。ショルダーベルトの穴と底の補強を無くせば10gくらいは軽くなりそうですけども。至って標準的な構造でこの軽さまで持ってくるオーストリッチは凄いです。
今後、ロングライド時のサドルバッグ中の緊急用輪行袋はこれで行こうと思っています。実用する機会があれば、追加でレビューします。
評価
対象モデル: OSTRICH「SL-100 超軽量輪行袋 緊急用」
年式: 2015年
定価: 不明
購入価格: 7970円(税込)
公称重量: 不明
実測重量: 128g(袋のみ)
価格への満足度
いいお値段だが、生地の値段を考えると納得感はある。
総合評価
耐久性は明らかになさそうだが、緊急用としてはコレ以上無い出来。
レビュアー情報
年齢: 31歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。