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【レビュー】Pocket in 「超軽量輪行袋 PI-1」
評価:4
OPUSの代理店を務める株式会社オーアンドエムのオリジナル輪行袋。
フルセットで公称200gという、超軽量な両輪外し・横置き型輪行袋です。
購入動機
輪行袋沼は「OSTRICH SL-100」で完全に脱した……と思っていたのですが。それでもフルセットの重量は324g(本体264g+エンド金具60g)。最初から「輪行をする」と決めているときにはこのくらいの重さがあっても使い勝手と電車内での容積からSL-100を選びます。
が、普段の100km程度のロングライドや、自走帰宅前提のブルベに参加する際に「お守り」的に持っていくにはまだ大きい。そういった時向けに、割り切った両輪外し輪行袋には「mo. エマージェンシー輪行バッグ」があるのですが、使い勝手は良く有りませんでした。
そんな時に教えてもらったのが、本製品でした。公称200g、実測175gとの触れ込み。使い勝手さえ良ければ輪行袋としては最軽量の部類です。エンド金具を使わない横置き方式なのが気にはなりましたが、モノは試しと購入してみたのでした。
製品概要
製品の内容物一式は以下。
・ショルダーベルト×1本
・ベルクロ×3本
これらを輪行袋袋に入れて測ったときの重量は僅か176g。公称より24gも軽い!
大きさはこんな感じ。かなり小さく、「ポケットイン」の名に恥じないもの。逆にボトルケージでは小さすぎて収まりが悪いと思います。色は黒かと思いきや、少し緑がかった感じ(カーキ色)。
なお、袋本体の重量は154g。参考までに競合する他の軽量輪行袋と比べてみます。
・maruto ツアーバッグAir(巾着型): 152g
・POCHITT RB003(筒型): 196g
・OSTRICH SL100(巾着型): 198g
袋の口にはファスナーを使用していながら、最軽量クラス。生地はかなり軽量なものを使っていることが推察されます。
使用感
先日参加した200kmブルベにお守り用として持参。が、ゴール1km手前でタイヤがバースト。ゴールはしたものの、自走で帰ることは出来ずに、この輪行袋を使用することになりました。
パッキングについて
マニュアルによれば、地面に以下の順で重ねた後にベルクロで束ねるようにとのこと。置き方によってはスポークとフレームが接触して傷つきます。なるべく慎重に。
・フレーム
・後輪
付属のベルクロは不安になる細さ&薄さですが、フレームとホイール、ハンドルをガッチリ固定出来ました。比較対象はオーストリッチのベルクロ。
次はショルダーベルト。このショルダーベルト、ベルクロと同じ細さ&薄さ。片方はテープアジャスター、片方はアジャスターなどはつけずにループ状になっています。
どうやってこれでベルトを固定するのか解らなかったんですが、このループの中に紐のもう一方を通して固定するという方法。……オイオイ、本当に大丈夫なのか。
ショルダーベルトを片方固定した状態で、袋へIN。この袋、ファスナーのスライダーが4つも付いており、ファスナーの途中に2箇所口をあけることが出来ます。そこからショルダーベルトを出すという仕組み。
ここで、ショルダーベルトのもう片方をフレームに固定します。凝ってる……。
さらに、輪行袋袋を失くさないようにする為の収納スペースも付属。素晴らしい心遣い。
パッキング完了。なお、カバーには自転車を入れる向きのとおりにイラストが付いています。
普段のエンド金具を使用した横置き輪行に慣れているので手間取りましたが、慣れれば問題の無い範囲だと思います。少なくとも「エマージェンシー輪行バッグ」よりは使い勝手が良いと思います。
持ち運びについて
このショルダーベルトだけに自転車の重量を任せるのは心もとないので、フレームを手で支えながら歩いてみました。一応、ショルダーベルトの食い込み防止のためにパッドが付いていますが、それでもちょっと肩に食い込みますね。
横置き&ディレイラーが下側に来ないので、階段の下りは縦置き輪行袋に比べて気楽。しかし、前後の幅があるため、エスカレーターや階段では前後への気遣いがより必要となります。
電車内での容積について
最後尾車両の壁際に配置。しかし、横須賀線の車両はドアが真ん中にあるため、若干車掌室のドアに掛かってしまいますね。
車掌さんには断った上でここの配置としましたが、やはり縦置きに比べると嵩張る印象は否めません。
携帯性について
小さいです。エンド金具もないので、サドルバッグ内でも場所を取りません。
耐久性について
これについては軽さから推して知るべしでしょう。一回使った限りでは袋・ベルクロ・ショルダーベルト共に問題は有りませんでした。
しかし、同じくこの製品を使っている人の話では、ショルダーベルトが切れた事例や、ベルトアジャスターが緩む事例などもあったようです。ここだけは信頼のオーストリッチ製に変えたほうが良いかもしれませんね。
サイズについて
公式には56サイズまで対応とありますが、TTホリゾンタル換算550mmの私のフレームで結構ギリギリです。大きすぎるフレームの人はちょっと入らないかも。
まとめ
実用面を考えると、両輪外しとはいえ縦置きよりは電車内での幅は取ります。耐久性も考えると、あくまでエマージェンシー用途の製品だと思います。
偏執的な軽量化を行っていながら、ショルダーベルトを出す場所を確保してみたり、輪行袋袋を入れる場所を確保してみたりと、細かい所に気を配られた製品です。
おそらく、これの設計者はかなりの変態(褒め言葉)。考えに考え抜いた末に生まれた製品だと思います。「100g切る輪行袋を自作するぜ!」とか思っていたのですが、この輪行袋を見てその自信がなくなってしまいました。そんなことが出来るなら、既に本製品の設計者がやっていてもおかしくないので。なんでこんな尖った製品が代理店のオリジナルとして生まれたのか、ホント謎です。
久々に見ていてニヤニヤしてしまう製品でした。こういった実用と軽量の間を追及する製品は大好きです。
評価
対象モデル: Pocket in「超軽量輪行袋 PI-1」
年式: 不明
定価: 4980円(税込)
購入価格: 4980円(税込)
公称重量: 200g
実測重量: 176g
価格への満足度
この値段でよくぞここまで拘った。
総合評価
お守りとしては最高、普段遣いは厳しい。
レビュアー情報
年齢: 30歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。