【レビュー】PowerTap 「P1」

評価:3

PowerTapブランドのペダル型パワーメーター。両側測定タイプと片側測定タイプがありますが、今回レビューするのは両側タイプです。

※いつの間にかCycleOpsブランドはローラー台だけになったようです

購入動機

知人から譲って頂きました。

不要になった理由は聞きませんでしたが、私がパワーメーターを探していたので声をかけてくれたとのこと。パワーメーターと迷ってTacx Neoを買ったので、この話は私にとっては渡りに船。二つ返事で頂くことにしたのでした。

製品概要

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実測重量は左右で415g(電池抜き)。電池はリチウム乾電池を指定されており、左右で単四型を1本ずつ使用します。電池を入れると、大体430gになります。駆動時間は公称60時間。

クリートは専用のものを使うように指示されていますが、事実上LOOK KEO互換です。

通信プロトコルは、BluetoothとANT+の両方に対応。

使用感

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BOTTECHIA T1 Tourmaletに取り付けて使用。使用期間は1か月ほど。本製品のインストール前後の装備は以下の通り。

【インストール前】
ペダル: SHIMANO PD-7900
クリート: SHIMANO SM-SH11(黄色)
シューズ: SPECIALIZED S-WORKS 2014
【インストール後】
ペダル: PowerTap P1
クリート: LOOK KEO GRIP(灰色)
シューズ: SHIMANO RC7

(1) 重量

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公称398gとなっていますが、実際には電池込で430gです。それまで付けていたPD-7900に比べて180gほどの重量化です。

持つと自転車が重くなったことは分かりますが、ぺダリング時にはそれほど重さは体感できませんでした。円運動の外周側なのでもう少し体感できると思ったのですが……。

(2) 取付

まずは電池を取り付け。5mmアーレンキーで蓋を開けて電池を入れるだけ。ただ、この六角穴が大変浅く、舐めてしまいやすいので注意。

ペダル自体の取り付けは、普通のペダルと同じ。取付トルクの指定もありません。本当にポン付けで取付完了です。

(3) ペアリング

ペダルを手で回転させると、すぐに通信が開始されます。

まずはファームアップをするために、スマホと接続。専用アプリからファームウェアをアップデートします。

次に、サイクルコンピュータと接続。残念ながらウチにあるサイコンでパワーを拾えるのはEdge800しかないので、そちらと。接続プロトコルはANT+となります。

(4) クリート

公式にはKEO互換は謳っていませんが、KEOクリートでも使えないことはありません。

公式のクリートは入手性が悪いので、まずはKEO公式の赤色クリートを試してみました。フロート幅がSHIMANO黄色の2倍以上あり、動きすぎて気持ち悪いので使用を中止。

次にKEO互換のBBBクリートを試してみました。ガバガバすぎて、固定力を最強にしないと使い物になりませんでした。互換ペダルに互換クリートは公差が大きくなってしまうようで。

さらにKEO公式の灰色クリートを試してみました。こちらも若干フロート幅が大きいと感じたものの、それほど違和感はなかったのでこちらを採用。それでも、若干リリース時に引っ掛かりがあります。

あと、LOOKクリートはSHIMANOクリートに比べると前後左右の調整幅が小さいですね。本当はもう少しQファクターを広げたいのですが、諦めました。

(5) ぺダリングへの影響

ここが一番気になるところ。回転は中々滑らかです。問題はスタックハイト。

本製品は公称のスタックハイトが14mmとされています。が、この表示にはトリックがあると思っています。たぶん「スタックハイト」の意味が他のペダルと異なっています。

 ■一般的なスタックハイト
→ペダル軸~靴底の距離(クリートを含む)
■本製品のスタックハイト
→ペダル軸~ペダル踏面の距離(クリートを含まない)

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本製品、どう見ても分厚いです。実際、下死点での膝の曲がりを基準にしてポジションを合わせたところ、サドルが7mmほど上がりました。

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参考までに、PD-7900を横から見た図。差が分かると思います。

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実際に測ってみると、やはりペダル軸~踏面の距離が14mmでした。

ここから推測すると、本製品の「一般的な意味での」スタックハイトは19mm程度になると想定されます。PD-7900のスタックハイトは14.3mmなので、約5mmほど本製品の方がスタックハイトが大きいということです。サドルが7mm上がったのにスタックハイトは5mmしか上がってない?と思ったのですが、シューズのソールの厚みが違うので、2mmはそちらの数字だと思います(RC7の方がS-WORKSより厚底なので)。

ちなみに各社ペダルの現行モデルのスタックハイトは以下です。

 ・SPEEDPLAY(3穴): 11.5mm
・SHIMANO DuraAce: 14.3mm
・SHIMANO Ultegra: 16.2mm
・LOOK KEO Blade: 15.7mm
・TIME ICLICK: 13.0mm

そこに来て、本製品の19mm。明らかに大きいです。一般的にスタックハイトが大きいほどダイレクト感は希薄になるといわれていますが、確かに実際の感触もその通り。

また、ペダル自体はかなり頑丈でしっかりしているのに、不安定な感じも。知人の自転車ライターの方が「ペダルの上は一本足下駄のようなもの。スタックハイトが増えるほど不安定になる」と仰ってましたが、そういうことなのかなーと思っています。あと、接触面積もKEOは小さいのも不安定さを感じる一因かもしれません(SHIMANO:480mm2、LOOK KEO:300mm2)。

一応、一ヶ月ほどは使ってみましたが、いまだにぺダリングに違和感があります。

今回はサドル高だけを変えましたが、本来はサドルが上がったらハンドルも合わせてあげねばポジションは再現されません。サドルの前後位置も変える必要があります。ペダルは体と自転車との数少ない接点ゆえ、変更すると影響がかなり大きいことがよく分かりました。

(6) 測定精度

比較対象がTacx Neoのパワーメーターしかないのですが、パワーの時間遷移を並べてみると、ほぼ同じ波形を示しています。左右差については表示していないので不明。寒暖差についても自動補正機能が内蔵されているようで、気になる差は出ていませんでした。

一番気になったのは、時々足を動かしているのに0Wを示すことがあったこと。発生条件に再現性が無いのが厄介ですが、それなりに発生します。Zwift中に発生したのはちょっと参りましたね。逆に、ありえないほど大きなパワーが出たケースは今のところなし。

とはいえ、平均パワーやTSSを算出する目的なら、全体的に問題ない測定精度を示していると思います。

(7) その他

雨の中を走ってはいないので防水性は不明。ただ、しっかりと電池ボックスにはOリングが入ってシールされていましたので問題はなさそうに見えます。

まとめ

精度は悪くなく、取付も簡単。複数台で交換しながら使うなら最も簡易なパワーメーターと言えそうです。

ただ、DuraAceグレードのペダルやスピードプレイ等、元々スタックハイトの低いペダルを使っていた人にとっては中々違和感が大きいと思います。スタックハイトの違いがここまでポジションやペダリングの感覚に影響を与えるとは思っていませんでした。これならば、ポジションに変化を与えないクランク型やハブ型の方に優位性があると感じます。あと、ペダルはボディがどうしても擦り減る消耗品ですしね……。

ぺダリングへの影響が大きすぎるので、今後継続使用するかは微妙なところです。

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参考までに、Vector3の公称スタックハイトは12.2mmだそうで。通常のLOOK KEOペダルのスタックハイト(クリート厚み含む)が15.7mmだそうなので、おそらくはクリートの厚みを含まない数値だと思います。クリート厚みを5mmと仮定すると、Vector3のスタックハイトは17.2mm。通常のKEO比で1.5mm厚いだけなら違和感は小さそうです。

評価

対象モデル:  PowerTap「P1」
年式: 不明
定価: 168000円(税込)
購入価格: 0円(税込) ※貰い物

価格への満足度

貰い物のため、未評価。

総合評価

6/10

精度や運用の簡易さは良いが、ポジションへの影響大。

レビュアー情報

年齢: 33歳 (レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。