【レビュー】PRO STAR 「JG-1043 携帯ポンプ」

評価:2

PRO STARの携帯ポンプ。以前レビューした以下のポンプ(通称・例のポンプ)の小型版では?と目されるポンプでしたが……。

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Otureの携帯ポンプ。独自構造を採用しており、高圧でも極めて小さな力でポンピングが出来るのが特徴です。 購入動機 本製品は、Aliexpressで売っている、いわゆる「中華製品」です。「中華カーボン」などと揶揄されることもありますが、[…]

購入動機

購入してはおらず、今回は借り物です。

蕨にある台湾水餃子店の店長から「ちょっと試してみて!」とお借りしました。この店長、事あるごとにAliexpressで面白いものを探しては注文しているお方。

今回もそんな中で「これは例のポンプの小型版では?」と見つけてきたそうで、ポンプマニアの私に試してほしいと思ったそうです。

早速、お借りしてポンピングテストを行いました。サイズからは想像出来ないほどの性能を持っていた例のポンプ。本製品もそれに準ずる機能があるのではないかと期待していたのですが……。

製品概要

実測重量は73g。口金のパッキンをひっくり返すことで、米式/仏式に対応します。

対応気圧は15気圧(210PSI)。全長は17.1cm。直径は20mmです。

使用感

「お助けチューブ」等の延長ホースは使わず、単体で使用。実際にライドに持っていく前の室内実験の結果を以下に示します。

重量

73gと、例のポンプより33g軽くなっています。

全体的に短く細くなったこと、ヘッドが樹脂製になっている影響だと思います。

大きさ

全長17.1cmと、例のポンプより2.6cm短くなっています。

これにより、通常サイズのツールケースにも問題なく格納できます。

使用法

基本的には、例のポンプと一緒。ヘッドのロック機構は同様に秀逸で、延長ホースを使わずとも空気漏れはほとんどありませんでした。

なお、この製品も底部に外気取り込み用の吸気口が付いています。

性能

Panaracer GRAVELKING(26C)に対してテストを実施。結果は以下でした。

300回→3.0気圧
400回→4.0気圧

400回で5気圧を超えられないのはちょっと予想外。

後述しますが、構造としては「例のポンプ」と同一です。長さも19.7cm→17.1cmと、80%ほどにしかなっていないにもかかわらず、同一ポンピング回数で半分程度の気圧にしか達さず。タイヤの種類が前回の実験時とは違うので厳密には比較出来ないのですが、それにしても性能は予想外の低さでした。

構造

分解してみましたが、構造は「例のポンプ」と同じです。製造元も同じPRO STAR。なぜここまで「例のポンプ」との性能差が大きいのか?

その理由は、2つあると思っています。

【理由①: 内筒と外筒の太さの比率】

この写真は、本製品と例のポンプの内筒とロッドを取り出したものです。

上が例のポンプ、下が本製品です。本製品の方が太い事がわかります。一方、外筒の直径は、本製品が20mm、例のポンプが22mmです。本製品は例のポンプに比べて「外筒は細く、内筒は太い」ということになります。

ここで、例のポンプのレビューで使った画像を再掲します。

画像にも書いてあるように「気室1と気室2を合わせた容積が気室3に入ることで、空気が圧縮される」わけです。気室3の容積が、気室1+2の容積よりも小さければ小さいほど圧縮率は高くなるはずです。

今回は、外筒が細く、内筒が太くなっています。つまり、気室1の容積は小さくなり、気室2と気室3の容積が大きくなっています。これでは一次圧縮もあまり掛かりませんし、二次圧縮も同様です。

これにより、高圧下でのポンピングの軽さという特徴がスポイルされます。少しは圧縮されるはずなので一般的な携帯ポンプよりは楽でしたが。

【理由②: ストロークの短さ】

またこの画像の再掲です。この画像は、ロッドを最大まで引いたものです。ポンプを押し引きする時にどれだけ動くかを表したものですが、この動く大きさが大きいほど、1回のポンピングで入る空気の量が多くなります。

ロッドがどれだけ出ているか(=ストローク)を計測してみると、

例のポンプ: 14.2cm
本製品: 8.3cm

という結果でした。6cmほどの差があります。

しかし、ポンプの全長の差は前述の通り、2.6cmほどしか無いはずです。全長が2.6cmしか違わないのに、なぜストロークに6cmもの差が出るのか? 3.4cmの差はどこから来ているのか?

答えは、ポンプヘッドの付き方です。

例のポンプはポンプヘッドに内筒を差し込むようになっており、この分ロッドのストロークを大きくすることが出来ます。

逆に、本製品はポンプヘッドを内筒に差し込むようになっています。これでは、内筒に差し込まれたヘッドの分だけストロークが短くなります。

結果として、ポンプの全長の差以上に、本製品のストロークは短いわけです。つまり、1回のポンピングで入る空気量が見た目以上に少ないということになります。

なぜ全長が2.6cmしか違わないのに、同一ポンピング回数で例のポンプの半分の気圧にしか達さなかったのか、理由がよく分かりました。

まとめ

高圧でも多少ポンピングが軽くなる機構が入っていますが、そこまで大きなアシストは期待できません。また、1回あたりに入る空気量も少ないので相当数のポンピング回数が必要となります。

例のポンプと同じ会社、同じ構造のミニ版ということで期待していたのですが、微妙な差によっていろいろ台無しになってしまっている印象です。単純に構造を同じにしただけでは駄目なのだなと。

今回の検証をしたことで、例のポンプがいかに周到に無駄な力を拾ってポンピングの軽さに変換しているかがよく分かりました。ポンプヘッドと内筒のどちらをどちらに差し込むかでポンピングの効率が変わるなんて正直想像すらしていませんでしたし。

とりあえず、私のロングライドのお供は、「例のポンプ」の続投が決まりました。

評価

対象モデル:  PRO STAR「JG-1043」
年式: 2018年
定価: 不明
購入価格: (借り物)

価格への満足度

借り物のため評価対象外。

総合評価

4/10

せっかくの構造を活かせていない。

レビュアー情報

年齢: 33歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。