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【レビュー】PWT「6.35mm トルクレンチセット TW215B」
評価:4
台湾のブランド「PWT」のプリセット型トルクレンチ。
購入動機
私はあまり本格的な整備は自分でやらない(ショップに頼むことが多い)ので、長らくトルクレンチは持っていませんでした。
しかし1年前、必要に迫られて購入。
その理由がこちらのシートポストです。
「このくらいかな?」と、いわゆる「手ルクレンチ(要は勘)」でヤグラのネジを締め付けたものの、段差でサドルが動いてしまいました。
普通は指定トルクがネジの脇に書いてあるものですが、この製品には書いてありません。
LW168とヤグラ部分の形状が同一とみられるワンバイエスのカーボンポストには9nm-11nmと記載がありましたので、参考にしていただければ嬉しいです。 pic.twitter.com/8mnbDecLqB
— としたろう (@allcity219block) February 2, 2022
そんな時、寄せられたのがこの情報でした。
同型と思われるワンバイエスには9Nm~11Nmの記載があったとのこと。この数値はかなり大きいトルク。思いっきり締めれば良いかなーと思うも、カーボンなので破断が怖い。
ということで、初めてトルクレンチを買ってみること。
あまり本格的なものを買っても使う機会も多くなさそうなので、5000円以下でそれなりに精度が出ていそうなPWTのトルクレンチをとりあえず購入してみました。
製品概要
対応トルクは2-15Nm。公称の精度は±4%です。
先端は1/4インチ(6.35mm)の汎用ビットが使えるようになっています。
付属するビットは以下の通り。
- 3mm
- 4mm
- 5mm
- 6mm
- 8mm
- 10mm
- T25
使用感
最初はシートポストのヤグラの固定に使いましたが、その後もカーボン系パーツの固定に使用しています。
パッケージ
コンパクトなパッケージで届きました。
中身はこんな感じ。ソケットとビット7種類。
校正証書も付属していました。
使い方
本体を回し、規定のトルクにセットして使用します。
この画像の状態だと5.0Nmですね。ロック機構があり、作業中にトルク設定がズレることはありません。
一応、逆ネジにも対応しています。写真のツマミを左側にしておくと正ネジ対応。
ツマミを右側にすると逆ネジ対応。
ただし、「緩める方向では使わないように」とマニュアルに記載があります。精度が低下するそうです。
あとは、目的のボルトを締めるだけ。規定トルク以上になるとラチェットが空回りし、それ以上は回せなくなります。「コクッ」という感触が手に伝わったら規定トルクに達したということです。
ご注意ください。
効果
件のシートポストのヤグラは9Nmにセットして締め付けたところ、段差でズレることはなくなりました。
破断もなく一年間乗れています。
気を使うカーボンステムやカーボンシートポストの締め付けなどにも使用しています。確実な組付けが出来るようになりました。
しかし、よく使う「5Nm」がここまで締めて良いものだとは知りませんでした。多分、私が勘で締めた時は60%くらいの低い値になってたと思います。
手ルクレンチはアテにならないことを学びました。
対応トルク
2-15Nmという対応トルクは、自転車であれば大体の場所には使えます(参考: 自転車のネジ等の締付トルク)。
これよりも高いトルクが必要なのは、BBやディスクローターの締め付けがありますが、それらには六角レンチは使いません。
とりあえず私が自分でイジる範囲では十分そうです。
まとめ
アナログで簡易なトルクレンチですが、自転車の基本的な整備であれば十分なトルク範囲をカバーしています。
精度は分かりませんが、校正証書が付いているのである程度は安心して使えそうです。
私が購入したのはPWTの日本公式ストアですが、本記事執筆時点ではこのトルクレンチは販売されていないようでした。
現在販売されているものは24Nmまで対応するタイプ(TW224E)ですが、その分だけ大きく、重くなっています。出来れば、軽くてコンパクトな本製品もまた販売してほしいものです。
評価
対象モデル: PWT「6.35mm トルクレンチセット TW215B」
年式: 2022年
定価: 不明
購入価格: 4280円 (税込)
価格への満足度
この価格で実用度は高い。
総合評価
日常的な自転車の整備であれば十分。他の用途だと少し対応トルクが不足しているかもしれない。
著者情報
年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。