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【レビュー】RAVEMEN「FR160」
評価:2.5
RAVEMENのポジションライト。GarminマウントとGarminサイコンの間に挟めるのが特徴。
夜間走行のメインライトには適しません。あくまで「被視認性」を稼ぎ、存在をアピールするためのライトです。
購入動機
2022年9月に購入しました。

この手のライトのオリジンはFabricが出していた「Lumaray」だと思われます。ただ、こちらのライトは最大60ルーメンとあまり明るくなく、入手性もあまり良くはありませんでした(たまにショップでワゴンに入ってるのは見かけます)。
今回レビューするFR160はその製品名の通り最大160ルーメン。地面を照らす用途のライトではありませんが、被視認性のアピール度を考えれば明るいに越したことはありません。
Garminのサイコンとマウントの間に挟むという仕組みも一度試してみたいと思ったこともあり購入してみました。
製品概要
実測重量は52g。防水等級はIPX6とされています。
バッテリーは、3.7V/380mAhのリチウムポリマーバッテリー。充電端子はType-Cです。
モードとラインタイムは以下の通り。
モード | 明るさ | 使用可能時間 |
---|---|---|
点灯(ハイ) | 50ルーメン | 4時間00分 |
点灯(ミドル) | 25ルーメン | 6時間30分 |
点灯(ロー) | 10ルーメン | 13時間30分 |
点滅(警告) | 160ルーメン | 5時間18分 |
点滅(高速) | 25ルーメン | 12時間30分 |
点滅(低速) | 50ルーメン | 8時間00分 |
基本的にはGarmin互換のサイコン・マウントに対応。
別売りのこちらの部品を購入することでWahooのサイコン(Garminと似ているが角度が90°異なる)にも対応します。
使用感
存在をアピールするためのポジションライトとして何度か使用しました。

あくまでこれはポジションライト(存在をアピールするためのもの)であり、道路交通法上の前照灯(路面を照らし、自分の視界を確保するもの)と考えないほうが良いと思います(理由は後述)。
箱にも「EYE-CATCHING AND DAYTIME VISIBLE WARNING FLASH(目を引き、昼間でも目立つ警告用フラッシュ)」とありますね。前照灯ではありません。
夜間走行の際には、このライトとは別に法律上の要件を満たす前照灯を別に付けた上で点灯してください。
重量

52gです。公称55gなので、大体公称通り。
ライトとして見ると軽いですが、この上にサイコンを付けるとなるとちょっと問題が出てくる可能性があります。

何度かこのブログでは書いていることですが、Garminマウントというのは「Garminのサイコンをマウントするため」に考えられた取り付け方式です。せいぜい1.5mm程度の厚みしか無い爪を噛み合わせて支える方式なので、重いものを支えるのには向きません。100g以下のサイコンだからこそ成り立つ方式なのです。
Garminのサイコンは一番重くても133g(Edge1040)です。恐らく、それより重いものを取り付けることを想定していないはず。仮にもっと重いものをGarminマウントに取り付けた場合、振動や衝撃でマウントの爪が割れたりする可能性があります。
昨今はGarminマウントに取り付けるライト(RN1500や、TOWILDのライトなど)が増えましたが、マウントが割れた事例もそれなりに見受けられます。これらのライトは170g前後ありますので、壊れるのは自然なことです。
今回レビューするFR160は52gですが、上にサイコン(100g前後)を乗せることが前提です。となると、一番下のマウントには150g程度の重さが掛かることになります。実際、Amazonレビューには、走行中にマウントの爪が割れてFR160とEdge530が一緒に落下、高価なEdgeを破損してしまったという人もいました。
構造

正面から見た図。COB(Chip On Board)のLEDライトと思われます。COBは光を拡散し、あらゆる角度からの被視認性を向上します。一方、特定方向への光は弱くなるので特定の面を照らすのには向きません。「前照灯ではない」と書いたのはそういうことです。

横から見た図。「270°の被視認性」と書かれていますが、横からの視認性も確保していることが分かります。

背面から見た図。左は充電端子で、右はスイッチ。充電端子はType-Cです。
取り付け


下側の凸部をGarminマウントに差し込み、上側にはサイコンを取り付けて使用します。

取り付けた様子。サイコンの下に本製品が付く形になります。

なお、地面に対するFR160の角度はサイコンの角度と一緒になります。普通、サイコンは少し顔側に向けるので若干上向きになっている人が多いはず。FR160のライトも若干地上に対して斜め上を向くことになり、その意味でも前照灯にはなりません(地面を照らさないので)。
配光
当サイトでは、前照灯のレビューでは配光パターンを主観で撮影した写真を掲載しますが、本製品はポジションライトなので配光写真は掲載しません。というか、配光を撮影できないというほうが正しいかもしれません。
前述の通りこのライトは「光を拡散して様々な方向からの被視認性を高める」ことが目的の配光になっています。普通の前照灯は正面90度程度に光を集中しますが、本製品は270度の範囲に拡散するわけです。一応試しては見ましたが、地面がうっすら明るくなるだけでしたので撮影していません(カメラの感度を相当上げないと点灯していることが分からない)。
ただ、点滅(警告)モードは昼間でもそれなりにアピール度が高いくらい目立ちます。全モードで一番明るいモードであり、点滅パターンも独特なので周囲の車両からも認識されやすいでしょう。
それ以外のモードはちょっとアピール度不足かもしれません。
安定性
個人的に一番気になったのはここです。走行していると、Garmin Edgeの画面がかなり揺れるのです。
Garminマウントに直接Edgeを付けたときでも多少は走行振動で画面が揺れます。しかし、FR160が挟まるとその揺れは数倍に。文字やマップが揺れてしまい、非常に画面が見づらい。


Garminマウントの接合部は元々少しだけガタ(というか遊び)があります。純正のGarmin製マウントにEdgeを付けても、手で動かすと少し遊びがあることが分かります。
しかし、サードパーティーのGarminマウントは精度がそれほど高くないことが多く、ユルすぎたりキツすぎたり。FR160の場合は、上下ともにユルめです(個体差があるかもしれません)。
ユルめということはガタが大きめということ。そして、FR160はその接合部が通常の2倍存在するので、「大きめのガタが2倍」になることになります。かくして、一番上側に位置するサイコン画面はかなり揺れる……という事態になったのでしょう。
ガタについては私の手元の個体に固有の話ではないようで、Amazonのレビューを見てもガタについて報告をしている人は多く見られました。中にはスマホ用のラバーバンドで追加固定したという人も。ガタつく程度ならまだしも、高価なサイコンが落下したらたまりませんからね。
結局サイコン画面の揺れに耐えきれず、私はFR160の使用を中止しました。

やろうと思えばこういうことも出来るので、サイコン画面の揺れは回避可能です。
しかし、この方法は全くおすすめできません。Garminマウントは吊り下げを想定したマウントではないからです。意図しない方向に力が掛かるので破損しやすくなるはずです。ご注意ください。
まとめ
昼間の被視認性アップに活用可能なポジションライト。
コンセプトは面白いですが、接合部が2倍に増えることによるサイコン画面の揺れへの対策があれば……という製品でした。
ガタの小さい個体に当たればそこまで不満は出なかったかもしれません。私が購入したのは2年前なので、マイナーチェンジでその辺りが改良されている可能性はあります。接合部が2箇所になるという時点で安定性の面では条件がキツいのですが。
そして、Garminマウント上の重量が50g増加することによってマウントへの負荷が増す点には注意したほうが良いでしょう。保険のために、サイコンにはストラップを付けてハンドルに巻き付けたほうが良いかもしれません。
評価
対象モデル: RAVEMEN「FR160」
年式: 2022年
定価: 4999円
購入価格: 2959円
公称重量: 55g
実測重量: 52g
価格への満足度
他社の同系製品よりは安い。
総合評価
コンセプトは面白いが、ガタの大きさとマウント耐荷重への考慮が気になった。
著者情報
年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。