【レビュー】Revelate Designs「Ermine」

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評価:4

大型サドルバックの老舗、Revelate Designsの最軽量サドルバッグです。読み方は「アーミン」。公称200gで、容量は同社のPika並です。

目次

購入動機

この製品を購入した、「MTBランドヌール」ふぃりっぷさんから借り受けました。私が色々サドルバッグを試しているので、意見を聞きたいとのこと。

ということで、2014年最後のブルベ「BRM1004青葉600天城越え」で実戦投入したのでした。

製品概要

実測重量は216g。容量は6~12Lです。色は白のみ。

競合製品とスペックを比べてみましょう。

・Ermine(Revelate), 重量: 216g, 容量: 6-12L
・Pika(Revelate), 重量: 357g, 容量: 6-12L
・Saddle Pack Compact(Apidura), 重量: 310g, 容量: 11L
・Gearjammer Dyneema(Oveja Negra), 重量: 289g, 容量: 6-10L
・Fast Cruise α(Suew), 重量: 257g, 容量: 4.8-7L

各社の軽量大型サドルバッグと比べても、圧倒的に軽いことが解ります。ただ、その分、作りはかなりシンプルです。

RevelateDesignsの大型サドルバッグには、基本的に上部のバンジーコードが付属していますが、Ermineにはそれがありません。また、サドルレールに引っ掛けるベルトの位置は1箇所のみです(他製品は2箇所付いている)。

シートポストに巻きつけるベルトは短め。エアロシートポストだと回りきりません(写真はSCOTT FOIL)。

 

素材は公開されていませんが、ロールアップ部分を触った感じではOveja NegraのGearjammerに使われているDyneemaと同様だと思います。

内部には形状を保つためのシェルは一切使われておらず、素材のみで形状を保ちます。

使用感

「BRM1004青葉600天城越え」(607km/5700m↑)で使用した結果をレビューします。比較対象はこれまで使ったGearjammer(Oveja Negra)、Saddle Pack Compact(APIDURA)です。

容量

今回の600kmブルベでは上記の装備を入れて使用。あまり入れすぎるとダンシング時に「持っていかれる」感覚があるので、少なめにしています。

ただ、これだけ入れても容量的にはまだまだ余裕。1000kmブルベ程度の荷物でも余裕で対応できるでしょう。

参考までに、MAXまで入れてみた図。長い。

使いやすさ

ロールアップの口は2箇所で固定。3箇所で固定するOveja Negraと違い、中身が増えると中心部分で折れる可能性はあります。

荷物を出し入れする口は大きく、大容量なスタッフバッグの出し入れにもストレスがありません。ブルベ等のロングライドの最中に、中身を素早く確認しやすくてGood。Oveja Negraよりも良いと感じる部分はここですね。

また、私は後ろ乗りなので若干サドルバッグのサイドが太腿に当たりますが、特に気になるレベルではありませんでした。

防水性

この手の大型サドルバッグは基本的に防水ではありません。生地自体は防水でも、縫い目から浸水します。濡れては困るものは、防水のスタッフバッグに入れる必要があります。

私はSea to summitの8リットルバッグをスタッフバッグに使っています。雨の中を走っても、スタッフバッグの中身は無事でした。しかし、袋の外に入れていた輪行袋はしっかりと濡れていました……。

安定性

かなりガッチリと固定できます。ダンシングでもシッティングでも、ほとんど揺れません。

秘密はシートポストと接する部分の滑り止めかと。軽量化を優先するならここを削ることもありうると思うのですが、変形しづらく滑りづらい素材が採用されています。これによって、サドルバッグの不要な潰れを防ぎ、シートポストにガッチリ固定出来るというわけです。各種のアドベンチャーレースで多くの実績を残すRevelateらしく、実用性も損なっていない所が素晴らしい。

ブルベ中、後ろに付いていた人からも「サドルバッグ、大きいのに揺れてないですね」とのコメントも頂きました。もっとも中の荷物を重くすれば、ある程度は揺れる可能性があります。この辺りは未テストです。

その他

機能を絞った製品であることは理解しているのですが、バンジーコードがオプションで付けられたらかなり良いと思います。あと、プリントで反射材などが付いていればなお良し。

まとめ

バンジーコードやフック等、サドルバッグの外側に荷物を取り付ける余地がないのは残念ではあるのですが、それ以外はコレと言った不満点はありませんでした。これだけ軽量にしても「普通に使える」所がRevelateの凄いところだと思います。

なお、現在の所、日本では取り扱いがありません。海外サイトから直販で購入する必要があります。値段も175ドル(約20000円)と安くはありませんが、用途がハマる人には唯一無二のサドルバッグとなると思います。

評価

対象モデル:  Revelate Designs「Ermine」
年式: 2014年
定価: 20000円前後
購入価格: 借り物
公称重量: 200g
実測重量: 216g

価格への満足度

借り物なので評価対象外。

総合評価

8/10

走行スタイルにハマれば理想的なサドルバッグ。

レビュアー情報

年齢: 30歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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