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【レビュー】Ritchey「WCS Carbon Road Fork」
評価:5
Ritcheyのロード用カーボンフォーク。ラインナップの中では最上級であるWCSグレードです。
購入動機
2本目のスチールフレームを作るにあたり、フォークはカーボンにすることにしました。出来ればコラムもカーボン。ヘッドのサイズは1-1/8。フォークの形状はベンド(フレームビルダーさんがストレートが好きじゃないため)。
……しかし。この条件を満たすフォークは2018年現在はほとんどありませんでした。ヘッドは既に上下異径のテーパードが普通。形状もストレートの方が人気。条件を満たしていたのは以下のフォークのみでした。
・Columbus Minimal Fork
・ワンバイエス OBS-R11
Columbusもワンバイエスも、外観を見る限りちょっとフォークの肩部分やブレードが細め。前のスチールフレームで肩とブレードが細いカーボンフォークを使ったら剛性がまるで無かったので、そこは何とかしたい。ということで、これらの中では肩もガッチリしていてブレードも太いRITCHEYを選ぶことにしました。RITCHEYは質実剛健なイメージが強いですし、信頼感もありました。
現行のWCS Carbon Forkはマットカラー。出来れば旧版のグロスカラーのものが欲しかったんですが、こちらは既に絶版。とはいえ、旧版は25C上限なのに対し、現行は30C上限と、ロード用にもかかわらず昨今の流行に乗った太タイヤ対応になっています。性能も上がっているし良いだろうと、現行のものを注文することにしました。
Forkのオフセットは43mmと46mmの2種類。出来れば45mmを希望していましたが、それは無かったので希望に近い46mm版を購入しました。そして同時にCHRISKINGのヘッドパーツも購入したのですが……。
製品概要
実測重量は350g(カット後)。コラムから爪の先までカーボンのフルカーボンフォークです。
ヘッドのサイズは1-1/8対応。肩下は368mm。オフセットは43mm/46mm。
タイヤは最大30Cに対応しています。
使用感
細山製作所のスチールフレームに取り付けて使用。46mmモデルです。主な使用シーンはブルベ等のロングライド、ファストランです。
設計
BIKE24に発注したフォークとヘッドパーツが届いてすぐに、取付テストを行ったのですが……あれ、付かない??
よく見るとクラウンレースを付けるべき所の形状が変。何これ?と思って調べたら、「インテグレーテッドクラウンレース」と呼ばれるものだそうで。
通常はヘッドパーツに合わせたクラウンレースを後から取り付けるわけですが、あらかじめカーボンでクラウンレースを組み込んでしまおうというものだとか。従来はクラウンとコラムでカーボンの繊維が切れていた部分でしたが、そこを切らなくて済むので強度も上がる利点があるようですが、対応するヘッドパーツが限定されるという弱点もあります。
そして、私が購入したCHRISKINGのヘッドパーツは、このフォークに対応していませんでした……。まさかこんな罠があるとは。
とりあえず「同じメーカーなら使えるだろう」ということで、RITCHEYのWCSグレードのヘッドパーツを購入。こちらは当たり前ですが対応していました。この時点ではまだフレームの設計中だったので、フレームビルダーさんにフォークとヘッドパーツを預けて、設計をお願いしたのでした。
取付
フレームへの取付は問題なし。ビルダーさんも「なかなか格好良いじゃないですか」と言ってくれました。
26Cタイヤを付けて、そこに泥除けを付けてもクリアランスに余裕があります。28CのPanaracer Race C EVO4も余裕で付きました。そこに泥除けを付けるとギリギリといった所。
重量
公称重量はカット前で325gですが、実測重量はカット前で385g。ちょっとサバ読みすぎですが、300g台前半のフォークはちょっと怖いので、これくらいの重量のほうが私には良いです。
剛性
昨今のテーパードフォークよりコラムが細いですが、1-1/8サイズのフォークとしては十分な剛性があります。ダンシングでもハンドル周りのねじれを感じません。
1本目のスチールフレームは1インチヘッドで、ヘッド周りの剛性感不足を感じていましたが、2本目のフレームはこのフォークを採用したことで欲しかった剛性感を手に入れることができました。
ダウンヒルのカーブでもたわみは感じず、思ったラインをトレースできます。
快適性
想像よりは振動を拾いましたが、減衰は早いので快適です。
600kmまでのブルベは手のしびれも無く完走。ただ、1200kmのPBPは最終的に手に体重をかける走り方をしてしまったので痺れは出てしまいました。ただ、それはフォークというより私の乗り方が悪かっただけかなと。
ハンドルに荷重しないようにしたSR600福島は手のしびれも出ずに完走できました。
見た目
フレームがグロスカラーなのでマットカラーのフォークは若干浮きますが、シンプルで格好良いフォークです。
クラウン部分にはRITCHEYのマーク、ブレード部分にはステルスカラーでRITCHEYのロゴ。主張は控えめで、様々なフレームに合わせやすいと思います。
まとめ
テーパードではない、1-1/8サイズのヘッドに適合するカーボンフォーク。
剛性感・快適性も十分で良いフォークだと思います。テーパードが当たり前のこのご時世、未だに少し古い規格のフォークを出し続けてくれるRITCHEYには頭が下がります。
一方、インテグレーテッドクラウンレースにはやられました。ヘッドパーツとBBをCHRISKINGで揃える予定でしたが、断念。これはもっと分かりやすく書いておいてほしいですね。
とはいえ、ヘッドパーツのクラウンレースには角度等色々な規格があって互換性があることを知れたのは勉強になりました。CHRISKINGのヘッドパーツはメルカリに旅立ちました。
評価
対象モデル: Ritchey「WCS Carbon Road Fork」
年式: 2020年
定価: 不明
購入価格: 35000円
公称重量: 325g
実測重量: 385g
価格への満足度
性能からすると安い。
総合評価
私の目的に合致したフォーク。
レビュアー情報
年齢: 36歳 (レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。