【レビュー】サンワダイレクト 「輪行袋」

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評価:4

サンワサプライのオリジナルブランド「サンワダイレクト」のオリジナル輪行袋。

ロードバイク・クロスバイク用で、横型・縦型の両方に対応しています。

目次

購入動機

ディスクブレーキのロードバイクを購入し、意気揚々とロングライドに出かけようとした時。あることに気付きました。

  「スルーアクスル用のエンド金具ってあるのか?」

スルーアクスルは、クイックよりも太い筒を使ってホイールを固定する方式です(ディスクブレーキのロードバイクに採用されることが多い)。調べてみましたが、スルーアクスル対応のエンド金具というものは存在しませんでした。元々、輪行は日本の文化。日本でまだまだ広まっていないスルーアクスル用のエンド金具というニッチな製品は売れないため、作られていないのでしょう。

となると候補になるのが、横型の輪行袋です。サドルとハンドルで倒立させ、それを外した両輪で挟みこむ方式で自転車を格納します。これならエンド金具は要りません。ただし、床の占有面積は少々大きくなってしまうのですが……。

横型の輪行袋というと、私は以下の製品を持っています。

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ただ、この製品は「地面にホイールを置いて、その上にフレーム、ホイールの順に重ねる」というパッキング方式です。リムブレーキの場合は問題ないのですが、ディスクブレーキの場合はディスクローターを傷つける恐れがあります。また、生地も薄いため、ディスクローターで袋に穴が開く懸念もありました。

以上の理由から、

・横型(両輪外し)
・生地が多少丈夫であること
・出来れば軽量が良い

という観点で新しい輪行袋を探すことにしました。

最初はmont-bellのコンパクトリンコウバッグにしようと思っていたのですが、売り切れ。

他に何か無いかAmazonを探していた所、本製品を発見。PCやスマホの周辺パーツを出しているサンワサプライが輪行袋を出しているのかと不思議に思いましたが、スペックは魅力的です。レビューもほとんど存在しないので、人柱になる覚悟で試してみることにしたのでした。

製品概要

製品の内容物一式は以下。

・輪行袋本体
・ショルダーベルト×1本
・ベルクロ×3本

ショルダーベルトとベルクロは、先述のPocket INと同じものです。袋自体の構造もPocket INに近いですが、一回り大きさに余裕があります。

実測重量はフルセットで280gと軽量。袋単体の重量は246gです。

大きさはこんな感じ。Pocket INよりは大きいですが、十分に小型。

使用感

帰省に際し、本製品を持参して自走。帰省先から戻ってくる際に、湘南新宿ラインで使用してみました。

本製品は縦型輪行袋として使うことも出来ますが、基本的には横型輪行袋としての使用感をレビューします。

軽量性

袋単体で240g。横型の輪行袋では軽量な部類に入ります。競合する横型の輪行袋と比較してみます。

・mo エマージェンシー: 148g
・POCKET IN PI-1: 154g
・サンワサプライ 輪行袋: 240g
・mont-bell コンパクト: 297g(公称)
・GIANT SUPER LIGHT: 310g(公称)
・OGK BIKE PORTER 1400: 322g(BICYCLE NAVI実測)
・GRUNGE キャリーライト: 420g(公称)
・POCHITT RB007Y: 470g(公称)

エマージェンシー用途の製品(mo, POCKET IN)には敵いませんが、十分軽量です。

縦型の輪行袋とも比較してみます。軽量輪行袋の定番、OSTRICH SL-100はフルセットで264g。しかし、これにエンド金具が付くので、合計重量は300gを超えます。これに対し、本製品はフルセットで280gと、重量面ではアドバンテージがあります。

パッキング

まずは袋を広げます。自転車の天地を逆にし、袋の上にハンドルとサドルで倒立。

嬉しいのは、ちゃんとサドルの当たる部分に補強が入っていること。当初検討していたmont-bellのコンパクトリンコウバッグは上から被せる形式になっており、底が抜けています。そうなると、サドルの表皮を削ってしまう可能性があるので、それもあって本製品を選んだのでした。なお、縦置きで使用した場合にはエンド金具&サドルの位置に補強が来るようになっています。

ホイールでフレームをサンドイッチし、ベルクロで3点固定。このまま袋に包んでしまいます。最後にショルダーベルトを、BBとヘッドチューブに通して終わりです。

最終形はこんな感じ。ショルダーベルトは正直頼りないです。耐荷重は15kgとありますが、本当に耐えられるかどうかは謎。ベルトのみ、オーストリッチのものに変更したほうが安全そうです。

電車内

電車内に置くとこんな感じに。やはり縦型に比べると占有する床面積は大きくなります。反面、設地箇所が多いので安定していますが、急停車に備えて手すりなどに括り付ける紐は別に用意したほうが良さそう。

携帯性

ボトルケージにすっきり収まる大きさです。

耐久性

厚み2mmのPVCターポリンを使用しており、引き裂きには強そう。サドルやエンドの当たる部分には補強も入っているので、そのあたりも安心。ターポリンは防水生地でもあるので、耐候性も高いはず。簡易的な寝袋にもなるかも?

唯一心配なのは、ファスナーを使用している点。破損するとすればここでしょう。

対応する自転車のサイズ

40mm幅、TT長550mmの私の自転車は問題なく入りました。ハンドルを切らなくても入ります。著しく大きいサイズのフレームは入らないかもしれません。

その他

てっきりどこかの製品を売っているだけかと思ったのですが、企画設計はサンワサプライがやっているようです。自転車好きの社員がいるんでしょうか?

まとめ

まったく畑違いのメーカーのオリジナル商品ながら、良く出来ています。

普段使いが可能な耐久性を備えながら、持ち運びに困らない大きさで、なおかつ軽量という秀作です。輪行袋は新興メーカーの一発目から良いものが出てきたりするので油断が出来ませんね。

パッキング後のサイズも輪行規定的には問題ないサイズに収まっています。ただ、横型なので占有面積の大きさは気になるところ。スルーアクスルでも縦型輪行袋が使える手段が出てくれば良いのですが……。

評価

対象モデル:  サンワダイレクト「輪行袋」
年式: 2015年
定価: 5280円(税込)
購入価格: 5280円(税込)
公称重量: 240g(袋のみ)
実測重量: 246g(袋のみ)

価格への満足度

5/10

4000円台だったら満足。

総合評価

8/10

パッキングで若干戸惑うが、軽量性と耐久性は良い。

レビュアー情報

年齢: 31歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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