【レビュー】SHIMANO「DURA-ACE BR-9000」

この記事は約 5分で読めます。

評価:5

DURA-ACE 9000系のブレーキ。

1箇所固定のものと、2箇所固定(ダイレクトマウント)のものがありますが、今回は1箇所固定のものをレビュー対象とします。

目次

購入動機

元々は、2012年にSCOTT FOILをフレームから組んだ際にBR-9000を導入しました。

当時は変速性能にはあまりこだわりがなかったので、「クランク」「ブレーキ」「ペダル」だけをデュラにしていました。「走る」「止まる」に関わる部分にだけ、最高グレードのものを導入したことになります。残りの部分はアルテグラにしていました。

その後、2017年に購入したQUARKのスチールフレームは、変速部分も含めてデュラをフル導入。

既に9100系デュラは出ていましたが、かなり見た目がゴツくて細いスチールフレームには合わないと考え、あえて9000系デュラで揃えました。

2012年に購入したBR-9000は既に退役させていますが、2017年に購入したBR-9000はまだまだ現役でスチールフレームに付けて活躍しています。

製品概要

実測重量は、前149g、後150g(ブレーキパッド込)。

デュアルピボットを採用しており、必要な握力の低減と、制動力がBR-7900よりも向上しているとのことです。ただし、重量は少し増量している模様。

使用感

現在は、QUARKのスチールフレームに取り付けて、ブルベ・ロングライド用として使用。ブレーキシューはBBB ウルトラストップまたはSHIMANO R55C4、ホイールはFulcrum Racing 3、STIはST-9001、ケーブルは日泉ケーブルステンレス+SP31の組み合わせで使用しています。

比較対象は、BR-6600-G(アルテグラSL)、後継モデルのBR-R9100(デュラ)です。

重量

公称重量は297g、実測重量は299gとほぼ公称通り。

後継モデルのBR-R9100は金属製のブースターが加わったため、10g弱重くなっています。9000世代は軽量性と効きのバランスが良いと思っています。

細かい話ですが、船を止めるボルトはチタン製とのこと。

構造

9000世代からピボット(写真の黄色い○)の位置が変わっています。

ピボット-ブレーキシュー間の距離が小さくなったことにより、アームがたわみにくくなって制動力がアップ。また、片効きも起こりにくくなりました。

引き

日泉ステンレスアウター+SP31インナーケーブルとの組み合わせもあってか、引きは非常に軽いです。

BR-6600-Gから乗り換えた直後は、握り初めに必要な力の小ささに感動したものです。

ただ、後継のBR-R9100と比べてしまうと、やや重く感じます。金属製のブースターの影響もあって、引きの軽さに関してはR9100の勝利ですね。

制動力・ブレーキ特性

体重のある私でもキッチリ止まれる制動力の大きさと、高いコントロール性で非常に気に入っています。

握り込む力に大してリニアに制動力が立ち上がる感じがあります。コレに対して、BR-R9100は初動は穏やかで後から制動力が立ち上がる感じ。ブースターの影響ですかね。

このブレーキで、200~1200kmまでのブルベもクリア。中には800km雨というブルベもありましたが、このブレーキとBBB ウルトラストップの組み合わせで特に怖さを感じるシーンはありませんでした。BBBのシューは雨天での制動力の低下は小さいのですが、絶対的な制動力はあまり大きありません。SR600のようなアップダウンの多いコースでは、制動力の大きなSHIMANO R55C4を組み合わせます。

平均斜度が10%を越える「あざみライン」や、雨の「スバルライン」での下りでも安定して制動しました。もちろん雨天でのグリップを向上させたシュー(R55C4)の影響もあるでしょうが、それにしても速度調整がしやすいなと。そして思った通りに止まれると、ダウンヒルが怖くなくなりますね。集団内で走るときもスピードの調整はしやすいと思いました。

基本的にはコントローラブルさが売りだと思いますが、一気に握りこめばガッツリ制動します。

私はよく、BR-9000(リムブレーキ)が付いたロードと、BR-R8070(ディスクブレーキ)が付いたロードを交互に乗っていますが、(少なくとも晴天下では)制動力が違って怖いと感じたことはないです。リムブレーキのほうが必要な握力は大きいですが、特性はかなり近づけられているように感じています。

見た目

色はブラックとシルバーのツートン。これはかなり格好いい。眺めていて飽きません。

9100は黒一色になってしまったので、未だに見た目だけで言えば9000が好きですね。

タイヤ幅

対応するタイヤ幅は最大25mm。26Cまでのグラベルキングまでは使った実績がありますが、28Cは厳しかったです。

リリースが2012年ということを考えると仕方ないのですが、28Cがロードでも当たり前になりつつある現在だとちょっと対応幅が小さいですね。

これもあって、次に組むオルトレにはBR-R9100を入れています。こちらは最大28Cまで対応です。

まとめ

総じて優秀なリムブレーキ。レース、ロングライド問わずに一番お世話になったブレーキです。見た目も特性も一番のお気に入り。

性能は微差で後継のBR-R9100の方が上である気はしますが、BR-9000も重量の割に頑張っています。

上限が25Cまでなので今後使い続けるのは厳しいかも知れませんが、使えるうちは使っていく予定です。

 

評価

対象モデル:  SHIMANO「DURA-ACE BR-9000」
年式: 2012年
定価: 33180円(税込)
購入価格: 24570円(税込)
公称重量: 297g
実測重量: 299g

価格への満足度

8/10

高いけれど納得の値段。

総合評価

10/10

一番好きなリムブレーキ。

著者情報

年齢: 36歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

記事のシェアはこちらから
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

目次