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【レビュー】SHIMANO「DURA-ACE FC-9000」
評価:5
SHIMANO DURA-ACE 9000世代のクランクセット。
購入動機
元々は、SCOTT FOILを組む際に購入しました。使う内に気に入って、もう1セット購入しました。
現在は、ロングライド用のQUARKスチールロードにこのクランクを使用しています。
歯数構成は、170mm/50-34Tです。
もう解体してしまいましたが、レース用に組んでいたBOTTECCHIAにもFC-9000を付けていました。こちらは170mm/52-36Tです。
最も気に入っているクランクセットです。
製品概要
実測重量は622g(170mm/52-36T)。対応は11速のみ。
歯数構成は、50-34T/52-36T/52-38T/53-39T/54-42T/55-42Tの6通り。
クランク長は、165/167.5/170/172.5/175/177.5/180mmの7通りです。
使用感
FC-R9100、FC-6650G(ULTEGRA SL)、FC-6800と比較でレビューします。
重量
BB込の公称重量は683g。
FC-6650Gが788g、FC-6800が765gと言うことで、やはりクラスの違いを見せつける軽さです。4本アーム化も効いてそうですね。
実測重量はクランクセットのみ(BBなし)で622gでした。BB-9000が65gなので、ほぼ公称値と一致します。
変速性能
以下のパーツ構成で組んでいます。
→ST-9001/FD-R9100とセットで運用
・BOTTECCHIAの場合
→ST-6800/FD-6800とセットで運用
どちらの場合も非常にフロント変速はスムーズですが、やはり全てをDuraで揃えたQUARKの方がより変速はスムーズです。ただし、FC-9000とFD-R9100の組合せは調整にクセがあるようなので注意。
剛性感
二世代前のULTEGRA SLに比べて、クランクアームがかなり厚く、太くなっています。
アームが1本減ったことによる剛性の低下を懸念する声はありましたが、特に不満は感じません。FC-7900よりは剛性が落ちているという話は聞きますが、私は使ったことが無いのでそちらは正確なことは言えません。
なお、海外サイトの剛性テストによると、絶対的な剛性の高さはFC-6800の方が上とのこと。ただし、重量あたりの剛性はFC-9000の方が上らしいです。
FC-R9100-Pも最近使っていますが、FC-9000との剛性感の差は私レベルでは感じ取れませんでした。
見た目
ここが一番気に入っている部分です。
FC-7900もFC-R9100も私的にはピンと来なかったんですが、FC-9000は最初から「カッコいい」と思っていました。「次のデュラは4アーム」と発表されたときに、割と周りの反応は冷ややか。一方私は、高級感のあるシルバーとブラックの塗り分けに魅力を感じていました。Ultegra SLとは色のバランスが反対ですが、色の傾向が似ていたので気に入ったのかもしれません。
QUARKについては、FC-6800/FC-9000/FC-R9100のどれにするかで悩みましたが、最終的にFC-9000を選びました。
1インチのスチールフレームには、FC-R9100は太すぎるんですよね。FC-9000も結構太さはあるのですが、黒の差し色の効果か、そこまでアームが太く見えないのです。シルバーとブラックを塗り分けることで、こういった効果も狙ったんでしょうか。合わせられるフレームが多いのは、気のせいではないと思います。
表面処理も割と強いようで、5年ほど使ってもクランクの「DURA-ACE」の文字は健在。表面に傷はありますが、ロゴはちゃんと残っています。
歯数
現在はレース用を52-36T、ロングライド用を50-34Tという仕様で運用しています。スプロケットは、どちらも11-28T。昨今の標準的なギヤ比ではないでしょうか。
この世代から導入された52-36T(セミコンパクトとかミッドコンパクトとも呼ばれる)という歯数は、レース用の自転車には中々良い歯数ですね。
登りは軽いギヤが使えるし、下りは52-11Tが使えるので回りきるスピードの上限がかなり高くできます。例えば、ターンパイクを走る箱根ヒルクライムでは、ヒルクライム大会にもかかわらず、コース終盤に結構な下りが登場します。ここで、52-11Tが使えるのは大きいですね。
一方、ロングライド用途としては昔から慣れている50-34Tを選択。ブルベ等のロングライドでは下りで頑張って踏むようなシーンはなかなか無いのでこれで十分です。ただ、黒姫高原から直江津への下りのような、ひたすら直線の緩い下りが続くレイアウトでは、もう少し重いギヤ比も欲しくなりました。
耐久性
2本持っていて、片方は実動5年、もう片方は実動3年ほどですが、特に壊れる気配はないです。
割とTwitterではこの世代のクランクの接着が剥がれた画像を見かけて戦々恐々としていますが……。実動5年のクランクはBOTTECCHIAと共に引退させました。
その他
一番辛いのはランニングコストです。私の場合、アウターチェーンリングは3年ごとくらいに交換しますが、FC-9000は20000円ほど、FC-6800は12000円ほどと、大きな開きがあります。
また、後継のDURA-ACE R9100シリーズが登場して既に5年以上。FC-9000のチェーンリングは手に入りにくくなっています。2019年PBPの復路の飛行機で荷物トラブルによりチェーンリングが破損したため交換しようと思ったのですが、結局チェーンリングが手に入るまで2ヶ月を要しました。
それまではFC-6800のチェーンリングで代用しましたが、クランクとの間に段差ができてしまって締まりませんでしたね。
まとめ
剛性・重量・見た目・変速性能のバランスが良いクランクセット。もはや旧世代の製品となってしまったものの、名品です。
個人的には、UltegraSLより後に登場したShimanoのクランクセットでは一番見た目が好み。カーボンフレームにもスチールフレームにも合わせても浮かない稀有なクランクだと思います。
消耗品であるチェーンリングがいつまで手に入るか分かりませんが、手に入る限りは使い続けようと思っています。
評価
対象モデル: SHIMANO「DURA-ACE FC-9000」
年式: 2013年/2017年
定価: 62102円(税込)
購入価格: 40578円(税込)
公称重量: 683g
実測重量: 687g
価格への満足度
安く購入できました。
総合評価
性能・見た目ともに最も気に入っているクランク。
レビュアー情報
年齢: 36歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。