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【レビュー】SHIMANO「K05S-RX レジンパッド」
評価:4.5
シマノのレジンパッド。フィン無しタイプで、2022年4月に発売となった新型です。K03Sの後継品。
購入動機

こちらの購入報告記事で書きましたが、「新型ブレーキパッドがいつの間にか売っている」という話を聞いて買ってみました。
K03Sの後継品ですが、「耐摩耗性50%アップ」を謳っています。つまり寿命が1.5倍。
シマノのロード用ブレーキパッドはとにかく減りやすく、前輪用は概ね3-4000kmで寿命を迎えていました。これはちょっと短すぎると思っていたのですが、シマノとしても問題だと考えていたのでしょう。
私が使っているディスクブレーキキャリパー「EQUAL」はシマノ互換のブレーキパッドが使えますが、「放熱フィン無し」のモデルしか使うことは出来ません。
今回レビューする「K05S-RX」は「フィン無し」かつ「レジンパッド」のモデルということで、私の用途には最適でした。
まだ前のパッド(EQUALブレーキ付属のパッド)は使えそうでしたが、新製品はさっさ試したいのが人情というもの。とりあえず1セットだけ購入して、前側のパッドをK05S-RXに入れ替えました。
製品概要
実測重量は、2個で15.4g。
パッド部分はレジン、バックプレートは鉄製です。
使用感
EQUALブレーキとの組み合わせで使用。ディスクローターは、SwissStopのCatalyst。前輪側に取り付けて使用しています。
用途は夜練とブルベ。このパッドを使い始めてから、300kmブルベに2本参加しました。
比較対象は、シマノ「L03A(レジン・フィン付き)」と、グロータック「EQUALブレーキパッド」です。
対応ブレーキキャリパー
シマノサイトのディーラーズマニュアルに、対応するブレーキキャリパーに関する記載があります。
こちらを見ると、新型アルテ(BR-R8170)には対応しているのに、新型デュラ(BR-R9270)には非対応となっています。何でなんでしょうね。構造の違いがあるとは思えませんが……。ワンピース構造な所が関係してくるんですかね?
私が使っているEQUALブレーキはサードパーティー品なので記載はありませんが、K05S-RXを使うことは出来ます。
重量
15.4gとやや重め。
シマノの場合、フィン無しのパッドはバックプレートが鉄(チタンもある)で、フィン有りのパッドはバックプレートがアルミです。実は重さは大して変わらないんですよね。
見た目
レジンメインで金属が混じっているような質感のパッド。
裏面。鉄製のバックプレートに「K05S RX」の文字。
厚み
バックプレートは1.6mm、パッドの厚みは2.3mmでした(実測値)。これは旧モデル(K03S)と同じです。
制動性能
1200kmほど走行し、ブルベでは雨天走行も一部ありました。
制動性能は過不足なし。変な特徴はなく、どんな場面でもイメージ通りに止まれる感じ。レジンパッドらしいレジンパッドです。
感触的には同じくシマノの「L03A」の路線を踏襲しています。初期制動が穏やかで、握り込みの強さでコントロールするタイプ。感触に関しては、従来のシマノのレジンパッドとの差は体感出来ませんでした。
グロータック「EQUALブレーキパッド」は、それに比べると初期制動の立ち上がりがやや鋭い感じがあります。EQUALブレーキパッドからの乗り換えで少し違和感がありましたが、すぐに慣れました。
耐摩耗性
1200kmほど走った時点で、清掃のためブレーキパッドを取り外しました。
あれ、思ったほど減ってない……?
パッド部分の厚みを計測してみると2.1mmであり、初期状態からの減り幅は0.2mm。左右ともに同様でした。
シマノのパッドは0.5mmに達したら寿命なので、初期状態から1.8mm削れると寿命ということ。0.2mmの減り幅で1200km走れるということは、1.8mmの減り幅に換算すると10800km走れることになります。
従来のシマノのパッドが3-4000kmで寿命を迎えていたことを考えると、倍以上の耐久性ということになります。
もちろん減り方は使用条件にもよりますが、体重の重い私が雨天走行を含んだ条件ということで、なかなか厳しい条件のはず。「耐摩耗性の高さ」の看板に偽りはなさそうですね。

以前こちらの記事で計算した際には、EQUALブレーキパッド(現行品)の寿命は11000kmと推定しましたが、それに近い値になったということです。
価格
価格は実売950-1000円程度。リムブレーキのブレーキシューと比べても、この寿命の長さを見るとむしろ安く感じます。
まとめ
制動性能は落とさず、耐摩耗性を向上させたブレーキパッド。価格も安く、優秀なパッドだと思います。
シマノ純正ブレーキパッドの減りの早さはディスクロードのネガティブな面でもありました。日本縦断のような3000km近いライドを想定すると、従来のパッドでは天候次第で寿命を迎える可能性も考えられたからです。
しかし、K05S-RXの減り方を見ると、オーストラリア横断(5000km)でもしない限りはまず1度のライドで使い切ることはないはずです。ウルトラロングにおけるディスクロードのネガティブ面が1つ消滅しましたね。
なお、フィン付きで同様のパッドを搭載したモデル「L05A-RF」もデリバリーが始まっています(L03Aの後継モデル)。こちらは新型デュラエースにも使用可能です。EQUALブレーキには付きません。
評価
対象モデル: SHIMANO「K05S-RX レジンパッド」
年式: 2022年
定価: 1001円 (税込)
購入価格: 1001円 (税込)
公称重量: 不明
実測重量: 15.4g/1セット
価格への満足度
持ちを考えると異様に安い。
総合評価
制動性能・耐摩耗性ともに優秀。放熱性が欲しければパッド付きを選ぶ選択もある。
著者情報
年齢: 37歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。
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