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【レビュー】SHIMANO 「MW81 (SH-MW81)」
評価:2.5
SHIMANOの冬用SPDシューズ。GORE-TEXを採用しており、雨天でも使用できます。
購入動機
冬場のライドに使おうと思い、購入。
従来はSPDシューズ+防寒シューズカバーという組合せだったのですが、やはりシューズカバーは着脱の面倒さがあります。そんな時に、ロングライド界隈の仲間から「寒くてもシューズカバー不要なシューズ」として紹介されたのが本製品。
冬に限らず、雨天ライドでも使えそうということでCRCに注文をしたのでした。
製品概要
実測重量は片側クリート込みで476g(43サイズ)。クリートが約30gなので、片側450g弱。両足で900gとなります。公称重量の左右815gよりは重いですが、基準となるサイズが40なのでサイズ差を考えると納得の数値。
足首部分はネオプレーン。ベルクロで足首を絞ることが可能。「WATER RESISTANT」とありますが、実はこの部分は防水ではないです。
足首から下はGORE-TEXを採用。肌に触れる部分はフリース素材になっています。インソールも起毛してます。
クロージャーは3本ベルクロです。
使用感
折角購入したものの、そもそも冬の雨の日には自転車に乗らないため出番が全く無し。雨が降らないコンディションならば、やはり軽いXC30の方が軽快であるため、重い本製品を積極的に使う気は起きませんでした。結局一年間放置することに。
そして先日、エントリーしたブルベ「BRM307たまがわ400石廊崎」が雨予報であったので、本製品を引っ張り出してきたのでした。そこでの使用感を中心にレビューします。
重量
重いです。やはり左右で1kg近い重量はペダリングでも如実に感じます。
とはいえ、シューズカバーを付けたシューズと比べると重量はさほど変わりません。私の場合、普段使っているSHIMANO XC30にシューズカバーを付けた場合の重量(片足実測)は以下となります。
SHIMANO CX30+シューズカバー → 476g
SHIMANO MW81 → 476g
重量的には全く一緒。シューズカバー前提の真冬ならば本製品を使っても重量的なディスアドバンテージはありません。シューズカバー不要な時期には積極的に使う気は起きない重量でもあります。
履き心地
まず履くのに手間が掛かります。内部にベロと靴底を結ぶゴムバンドがあり、これのせいで乱暴に足を突っ込んでも履くことは出来ません(このゴムバンド、何のためにあるんだろ……)。
そして、履き心地はあまり良くありません。アッパーは固めで、足首が動かしづらくなっています。そもそも普通はSPDシューズには足首部分が無いので、本製品のように足首まで覆う場合は動かしづらいのも当然ではあるのですが。数百km使えば馴染んで少し柔らかくなりますが、相変わらず窮屈さはあります。
ソール剛性はSHIMANO基準で5。XC30とスペック上では同じはずですが、若干MW81の方が固めに感じます。アッパーの固さで錯覚しているのかも?
あとは、若干XC30に比べると足裏からペダルが遠く感じます。靴底やインソールの厚みの違いでしょうか。ポジションの変化に敏感な方は気をつけたほうが良いかも。
防寒性
今回参加した400kmブルベでは、気温域が5~10℃でした。組み合わせた靴下は、DeFeet WoolieBoolie(羊マーク入のウール靴下)です。これと組み合わせると、今回の気温域であれば全く問題なし。そもそもこの靴下は薄手のシューズでも8℃程度までは耐えられるので、寒さや痺れが無いのは当たり前ではあります。出来れば氷点下気温でも試しては見たかったのですが、未だに試す機会は訪れていません。
メッシュ部分は無く、足首はベルクロで密閉できるため、保温性は通常のSPDシューズと比べれば高いはずです。
防水性・透湿性
25km程度雨の中を走行しました。足裏などからの浸水は感じなかったのですが、左足の内側くるぶしから土踏まずにかけて濡れた感触が。足首のネオプレーン部から浸水したようです。
調べてみるとネオプレーンは素材自体が防水ではないそうで。別途、足首からくるぶしまでを何かで覆う必要があると思います。もしくは防水靴下を使うか。
透湿性に関しては、その侵入した水が数時間後には乾いていた程度。ただ、浸水の速度>透湿の速度なので、足首部分を守らずに雨の中を走ると、水抜き穴やメッシュが無いのでジャブジャブになりそうな予感。
インソールを取り出して裏を見てみたら、水滴が付いていました。靴底からではなく、足首から入った水がインソールの下に入ったのだと思いますが、この部分は乾かないみたいですね。靴の側面は湿気が抜ける穴はありそうですが、靴底側にはそういったものは無さそうなので。側面から浸水を許した場合は、インソールを外して乾かしたほうが良さそうです。
その他
一応、靴裏は普通に歩けるようになっていますが、雪の上や氷の上では普通に滑りました。2014年2月、首都圏で大雪が降った日に長靴代わりに使おうと思ったのですが無理でした。
見た目については、「GORE-TEX」の誇らしげなロゴが気に入っています。
まとめ
くるぶしより下の防水性・透湿性は問題ないと思います。考えなければならないのは足首からの浸水で、そこさえ防げれば完璧な防水シューズになるでしょう。
ただ、いくらGORE-TEXと言えど、夏に使うには暑過ぎて汗で蒸れそうです。そしてシューズカバーの要らない気温であるならば普通のSPDシューズの方が軽快。となると、本製品が活躍する期間は真冬だけ。そこに20000円近く(定価は25000円)を投資するのは、個人的にはちょっと割に合わなかった感じはしています。
「冬でも自転車通勤する人」「日常的に泥や水の中を走る人」、そういった人に向いたシューズだと思います。それ以外の用途であれば、普通のSPDシューズに防水のシューズカバーを使ったほうがお財布には優しいのではないかな、と。
評価
対象モデル: SHIMANO「MW81 (SH-MW81) 」
年式: 2015年
定価: 25650円(税込)
購入価格: 15922円(税込)
価格への満足度
用途が狭い割にお高い。
総合評価
完全防水ではなく、足首も動かしづらい。これならばシューズカバー併用のほうが良い。
レビュアー情報
年齢: 30歳 (レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。