【レビュー】SHIMANO「SM-RT800」

評価:3.5

SHIMANOのディスクローター。グレードはULTEGRA。今回は160mmサイズのレビューです。

購入動機

INFINITO CV完成車に付属していました。

私が初めてディスクロードを買った4年前は、まだロード用のディスクブレーキがデュラエースやアルテグラと言ったロードコンポシリーズの中には存在しませんでした。その時使っていたのは、以下のXTRグレードのローターです。

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現在は各グレードにディスクブレーキが存在しています。本製品はアルテグラのシリーズに含まれています。

実は思う所あって、既にXTRグレードのRT-MT900を購入していましたが、とりあえずは折角付いてきたアルテグラグレードのローターを使ってみることにしました。

製品概要

実測重量は124g(160mm・ロックリング除く)。固定方式はセンターロックのみの対応です。

温度上昇を防ぐ、アイステクノロジー(アルミをステンレスで挟み込む方式)が採用されており、フリーザという名前の冷却用のフィンも採用されています。

使用感

アルテグラグレードのブレーキシステム(BR-R8070)に、フィン付きパッド(L03A)の組合せで使用。ホイールはFulcrum Racing 518です。

比較対象は、4年前に使っていたSM-RT99です。

取付

センターロック方式ということで、はめ込んでロックリングをBB用工具で締め付けます。ロックリングは本来、スプロケ工具で取外し可能なもの(内セレーション)が付属しますが、今回は完成車付属のロックリングを使用します。

工具は以下を使用。

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6穴式のローターとは違い、素人が付けてもズレないのが美点。

重量

公称128gで実測は124gとやや軽めの個体でした。かつて最軽量だったSM-RT99には及びませんが、フィン付きなのにかなりの軽さを誇ります。

フィンは、ローターの芯材を伸ばしたアルミ製。なので、見た目ほどの重量はありません。

性能

かつて使っていたBR-RS785とSM-RT99の組合せよりも、コントロール性・最大の制動力ともに勝る印象です。これはローターの性能というより、シマノのロード用コンポーネントの性能が進化したのだと思いますが。パッドが、フィン無し→フィン付きに変わったことも大きいかもしれません。体重の重い私でもかなり軽い力でブレーキングが出来ます。

SM-RT99にも冷却フィンは付いていましたが、本製品の冷却フィンは更に面積が大きくなっており、冷却性能も上がっているようです。この冷却性能が制動力の維持には重要で、長い下りでも安定した制動力を発揮してくれました。

サイクルスポーツ2020年6月号の連載「カブラボ」では、ローターの放熱性実験を行っており、本製品も実験対象の3種類のローターのうちの1つとして取り上げられています。

・SM-RT800 (アルテグラグレード/アイステクノロジー・放熱フィン付き)
・SM-RT70(105グレード/アイステクノロジー)
・SM-RT30(ノーグレード)
5分間ブレーキを掛けながら3本ローラーの上を走り、その際のローターの熱を計測するという実験内容でした。
この結果を見ると、SM-RT800は、SM-RT70比で-7.9度、SM-RT30比で-9.9度という差が出ていたそうです。この時のローター温度は50度前後だったようですが、長い下りであれば自転車でも200度前後まで上がることもあるようなので、その温度域に行けばかなり差は大きくなりそうですね。

横風耐性

ここはマイナスに感じた点です。どうもこのローター、横風に煽られやすい。

かなりの面積を占める冷却用のフィンが、どうも横風を受けてしまっているように感じます。

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4年前に書いたSM-RT99のレビューでは、横風についての記述は一切ありませんし、風に煽られた記憶もありません。ホイールは今よりもハイトの高い32mmを履いていました。

お世話になっている店のメカニックの方が「シマノのロード用ローターは横風に煽られて怖いので、前輪だけMTB用のに変えている」という話をしていて、「まさかそんな」と思っていたのですが、嘘ではありませんでした。確かにプロの選手でも、サガンは前輪だけMTB用のローターを使っていたこともありますし、何かあるのかもしれません。

また別の記事で書きますが、フィンの面積の小さいRT-MT900に変えた所、横風の影響はかなりマシになりました。

振れ

ハードブレーキング時には、一時的にパッドに擦る、いわゆる「振れ」の症状が本製品も出ます。

シマノの上位グレードのローターはアルミをステンレスでサンドイッチしているため、こういったことが起こります。詳しい話は以下の記事が詳しくて参考になります。

自転車&家つくり日記!

ディスクロードに乗っていて、主にダウンヒル中などで突然キャリパーから『シュッ、シュッ』というローターとパッドが擦れる音が…

軽さと冷却性能の代償としてこんな症状が出るわけですね。私はもう「そういうもの」として諦めることにしました。冷えれば直りますし。

まとめ

冷却性能が高く、制動力の低下しにくいディスクローター。

ただ、やはりその大きすぎる放熱フィンによる横風の影響が気になる所です。私の体重なら何ともないかな?と思っていたのですが、結構気になりました。体重の軽い人ならばなおさらでしょう。

結局、今はフィンの小さいRT-MT900に乗り換えています。もし横風が怖い人が居たら、MTB用を使うのも手かもしれませんね。

評価

対象モデル:  SHIMANO「SM-RT800」
年式: 2019年
定価: 5675円(税込)
購入価格: 完成車付属
公称重量: 128g
実測重量: 124g

価格への満足度

完成車付属なので対象外

総合評価

7/10

優秀なローター。横風だけが気になる。

レビュアー情報

年齢: 35歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。