【レビュー】SHIMANO「TL-CN42 チェーン伸びチェッカー」

評価:4.5

SHIMANOのチェーン伸びチェック用工具。

購入動機

元々はBIKEHANDのチェーンチェッカーを使っていたんですが、知人から

「SHIMANOのチェーンチェッカー以外は意味がない」

というお言葉を頂き、その理由(後述)を聞いてこちらのチェーンチェッカーを購入しました。

製品概要

実測重量は37g。素材は熱処理ステンレススチール。

対応するチェーンは「SHIMANOの6~11速チェーン」とされていますが、恐らくチェーンピッチが1/2インチのチェーンなら何でも使えそうです。

使用感

日常的な11速チェーンの伸びチェックに使用しています。

よくチェックする対象は、「SHIMANO CN-HG901」「KMC DLC 11X」です。

使用方法

使用方法は工具表面にレーザーカットで記載されています。図付きでわかりやすい。

①の側をチェーンのローラー間に挟み、もう片方(②側)をゆっくりチェーンに下ろします。②側の突起が奥まで入らなければ「まだ使える」ということ。上の例では使用可能ということになります。

 

こちらがもう寿命である例。②の突起が完全に奥まで入ってしまっています。KMCのチェーンですが、チェーンのピッチは同じなので問題なくチェック出来ました。

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高かったDLCチェーンも残念ながら寿命のようで。使用開始から走行距離は8~9000kmなので、長寿命という噂は本当でした(シマノの場合4000km前後)。

なお、他社のチェーンチェッカーは「0.75%」「1.00%」など数種類の伸び率をチェック出来るようになっていますが、SHIMANOのチェーンチェッカーは1種類しかチェックできません。「伸びてるか」「伸びてないか」だけの単純なチェックです。

「伸びてる」「伸びてない」の境界値となる値は不明ですが、SHIMANOのサイトにある以下の記述を見ると、SHIMANOとしては「0.5~0.75%」をアウトと考えているようですね。

0.5から0.75の間にある場合はチェーンの交換が必要です。

となると、このチェーンチェッカーの見ている値もこの範囲に収まっていると考えるのが自然そうです。さすがに0.5%で変えるのは早すぎる気もしますが、メーカー側としては早く変えてくれたほうが儲かるスプロケやチェーンリングに与える悪影響が少ないということですかね。

他社のチェッカーと違う部分

知人が「SHIMANO以外のチェッカーは意味がない」と言った理由を解説します。

 

チェーン伸びチェッカーは、ある区間の長さを計測して、その長さが指定以上の長さになっていれば「伸びている」と判断します。

 

こちらはチェーンを上から見た図。シマノ以外のメーカーのチェッカーは、上半分で示した区間の長さを見ています。シマノは、下半分で示した区間の長さを見ています。この見ている区間の違いが重要です。

いわゆる「チェーンの伸び」というものは、正確には「伸び」ではなく、「摩耗」によって起こります。

 

こちらはチェーン製造会社のサイトの内容ですが、「摩耗伸び」がそれです。ピンとブッシュ(シマノのチェーンはブッシュがインナープレートと一体成型)が互いに削れることによって遊びが生じ、それがピンの数(115本前後)だけ掛け算されて「伸び」になります。

ただもう一つ、削れる部分があります。「ローラーの外周部」です。ここはスプロケットやチェーンリングと触れ合うので当然ここも少しずつ削れます。

 

こちらのBIKEHANDの場合、左側の突起はローラーの右側に押し付けられており、右側の突起はローラーの左側に押し付けられています。仮に、ローラー外周部が0.01mmずつ摩耗していた場合、上記画像で表した区間の距離は0.01+0.01=0.02mm分長くなることになります。これはチェーンの伸び(ピンとブッシュの摩耗)を測る上では正確とは言えません。

 

その点、シマノのチェッカーは、左の突起も、右の突起も、共にローラーの右側に押し付けられています。ローラーの同じ側の間の長さを計測するので、ローラーの外周部が摩耗していても関係ありません。

 

秘密はこの二股に分かれた構造。右側は動きますが、左側は動きません。右側がしなることにより、左側がローラーに押し付けられるわけですね。わざわざこんな構造にしてまで精度を出したかったシマノ、こだわりが凄い。

価格

こんな拘りまくった構造にした結果、値段は非常に高いです。

・BIKEHAND: 715円
・SHIMANO: 2781円
値段差、なんと4倍。
工具としての正確さと、正確さを出すための独自構造を見れば納得はするんですが……まぁ高いですね。

まとめ

価格は高いが、独自の構造で正確にチェーンの伸びをチェックしてくれるツール。

チェーン製造メーカーの工具ということで、伸び率の境界値は低めに設定されているように見えますが、実際は0.75%に行かないくらいでチェーンを交換するほうが、スプロケットやチェーンリングにとっては良いのでしょう。

せっかく良い工具を購入したので、長く使っていこうと思っています。仮にシマノの次期デュラエースが12速になったとしても、チェーンのピッチが1/2インチで変化しなければ、引き続きこのチェーンチェッカーも使えるはず(普通は段数が上がっても幅が狭くなるだけなので)。

 

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評価

対象モデル:  SHIMANO「TL-CN42 チェーン伸びチェッカー」
年式: 2021年
定価: 2781円(税込)
購入価格: 2280円(税込)
公称重量: 36g
実測重量: 37g

価格への満足度

6/10

こだわりを知れば納得だが、やはりちょっと高いとは思う。

総合評価

9/10

伸び率が分からないのは気になるが、伸びの計測用としては随一の設計。

レビュアー情報

年齢: 36歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

 


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019年の2回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間13分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)