【レビュー】SHIMANO「XTR PD-M9020」

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評価:3

SHIMANO XTRグレードのSPDペダル。トレイル用ペダルのトップモデルとされています。

目次

購入動機

1000km以上のブルベで足裏が痛くなる症状が出ていたことから、「ペダルと靴底の接触面積を増やせば足裏の負担が減るのでは?」と考え、接触面積が広そうなSPDペダルを探しました。

そんな折に見つけたのが、kuromitsuさんのレビュー。ケージの前後は足裏と接触していないものの、プラットフォーム部の接触面積は広そう。これは良いのではないか?と思い、買おうと思ったのですが……。

既に次モデルのPD-M9120が発売になっていたためか、PD-M9020の在庫がある店はほとんどなし。ヤフオクでは中古品が新品以上の値段で売られている始末。これは手に入らないか……と思ったのですが、海外通販のBike24で発見。購入することが出来ました。

なお、PD-M9120は、本製品とは似ても似つかぬ形状になっています。更に重量も20g増量。さすがに重すぎるので選択肢からは外しました。

製品概要

実測重量は372g(両足)。

Qファクターは55mm。スタックハイトは8.7mmです。

使用感

オフロードでは使用せず、舗装路でのライドでテストしました。

比較対象はケージ無しで同XTRグレードのPD-M9000・PD-M9100(いずれも両面ペダル)です。

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重量

公称重量379gで、実測重量は372gと若干の下振れ。

ケージ無しのPD-M9000が310gほどなので、片足あたり30gの重量増となります。ケージはアルミ製だと思いますが、それなりに重量はありますね。実際にペダリングしてみても、若干の重さを感じました。

剛性感

さすがにXTR、PD-M9000と並んで素晴らしい剛性感です。

ただし、若干スタックハイトが厚い(と言っても0.6mm程度なので靴下程度の差)ので、ダイレクト感は若干下がった感じもします。同時に、ペダル軸の遠さに違和感もありました。

着脱

こちらもXTRグレードらしく、スムーズなキャッチとリリースが可能です。

ケージがガイドになるため、ケージ無しのモデルよりも確実にペダルをキャッチできる利点があります。というか、基本的にはケージはそのためだけに付いているようです。

回転

非常にスムーズです。

接触面積

羽の部分(SHIMANO用語ではプラットフォーム部と呼ぶ)の面積が広く、ペダルと靴底はより広い面積で接触します。一つ前のモデルであるPD-M980とPD-M985モデルの場合、接触面積は以下です。

・PD-M980: 226.9平方mm
・PD-M985: 585.0平方mm

約2.7倍と、かなり接触面積が増えています。確かに足裏に伝わる感覚も点というよりは面でペダルが当たる感じ。

オフセット

XTRグレードのケージ無しペダルは、下位グレードに比べて、踏み面がペダル軸に大して若干後ろにオフセットしています。

これはポジションを出す上では厄介なのですが、実は同じXTRグレードでもケージありとケージなしではオフセットの大きさが異なります。スペック表を見ても、ケージなしのPD-M9000は「オフセットビンディング」という記述がありますが、ケージありのPD-M9020にはその記述がありません。

目視で見る限りはPD-M9020も若干はオフセットしているようですが、PD-M9000に比べるとオフセットの大きさは小さく見えます。微妙な差ではあるのですが、クリート位置を動かす必要がありました。せめて同じグレードくらい、スタックハイトとオフセットの大きさは揃えてください、SHIMANOさん……。

まとめ

着脱がしやすく、靴裏との接触面積が大きいペダル。

スペック的にはまさしく私の探していたものでしたが、200kmほどで使用を中断しました。スタックハイトの高さと、オフセット具合の違いでポジションの違和感が拭い去れなかったためです。ほんの僅かな差ではあるのですが、長距離の間に積み重なると結構大きな差になるのです。足裏の痛みもその結果として出るものなのですが、このペダルの場合は1000kmよりも早く別の違和感が出そうな予感がありました。

結局、慣れたPD-M9100に出戻り。なかなかペダル探しの旅も先は長そうです。

評価

対象モデル:  SHIMANO「XTR PD-M9020」
年式: 2017年
定価: 16175円(税込)
購入価格: 12500円(税込)
公称重量: 379g
実測重量: 372g

価格への満足度

6/10

適正価格。

総合評価

6/10

作りは良いが私には合わなかった。

レビュアー情報

年齢: 34歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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