【レビュー】SHIMANO「XTR RT-MT900」

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評価:4.5

SHIMANOのディスクローター。グレードはXTR。今回は160mmサイズのレビューです。

目次

購入動機

INFINITO CV用に購入しました。

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元々、完成車にはこちらのULTEGRAグレードのローターが付属していました。ただ、上記のレビューにも書いたように「フィンが大き過ぎて横風に弱い」という評判を聞いていたため、あらかじめフィンの面積が小さいRT-MT900を購入して準備していました。他社のローターではなくSHIMANOのXTRにしたのは、サガンがそうしていたからです。

サガンの他の写真を見ると、普通にDURAグレード(SM-RT900)で乗っている場合もあり、どんな理由があってこの時にXTRのローターを使ったのかは分かりません。

納車後、SM-RT800で走ってみると、確かに横風で煽られる感覚が。そんな理由から、比較的すぐにRT-MT900に交換しました。

製品概要

手元の二枚(160mm・ロックリング除く)の実測重量は、106gと109g。固定方式はセンターロックのみの対応です。

温度上昇を防ぐ、アイステクノロジー(アルミをステンレスで挟み込む方式)が採用されており、フリーザという名前の冷却用のフィンも採用されています。

使用感

アルテグラグレードのブレーキシステム(BR-R8070)に、フィン付きパッド(L03A)の組合せで使用。ホイールはFulcrum Racing Zero DBです。

比較対象は、4年前に使っていたXTRグレードのSM-RT99、現行のULTEGRAグレードであるSM-RT800です。

取付

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こちらのレビューとやり方は同じ。特に苦労せずに取付が可能です。

重量

横風対策として本製品を購入したわけですが、もう一つの目的は軽量化です。160mmのSHIMANOローターで最も軽いのはDURAグレードのSM-RT900ではなく、XTRグレードのRT-MT900なんですよね。

以下に、160mmローターの公称重量を示します。

モデル名 公称重量
SM-RT900 (DURA-ACE) 118g
SM-RT800 (ULTEGRA) 128g
RT-MT900 (XTR) 108g
RT-MT800 (XT) 109g

DURA-ACEより1枚あたり10g軽く、前後なら20g軽くなるわけですね。回転の中心部だから走行への影響は大したことはないでしょうが……。

重量だけを見ると、何気にXTグレードのRT-MT800も軽いんですが、フィンが黒いほうが見た目的に好みなのでRT-MT900を選びました。

性能

SM-RT800との比較になりますが、制動力やコントロール性ともにほぼ変化なし。ロード用→MTB用ということでなにか変化があるか?と思ったのですが、私には判別できず。

元々、ディスクロード用コンポーネントのローターはMTB用のものを兼ねていた(SM-RT99時代)ことを考えると、特に混ぜても問題はないのでしょうね。

大きく設けられたフィンのおかげで放熱性が良く、長いダウンヒルをこなしても音鳴りが少ないのが良いです。

なお、SHIMANOの最上級グレードのフィンの色が黒いのは、放熱性を良くする塗料(放熱ペイントと呼ばれている)を塗っているからだそうです。ULTEGRA・XTといったセカンドグレードのフィンとの差別化はここですね。

横風耐性

写真を見比べると明らかですが、RT-MT900の方がフィンの面積は減っており、風の抜けは良さそうです。

実際、横風の影響はかなり少なくなったように感じました。ただ、強い横風だと影響は0ではないですね。ディスクブレーキである以上ローターの面積は0にはならないので、ある程度は諦めが必要なのかも。

振れ

SHIMANOの他の上位グレードのローターと同じ構造であるため、ハードブレーキング時には一時的に熱で変形を起こすことはあります。

詳しい話は以下の記事が参考になります。

自転車&家つくり日記!
【ディスクロード】走行中のディスクブレーキの音鳴り・擦れの原因について|自転車&家つくり日記! ディスクロードに乗っていて、主にダウンヒル中などで突然キャリパーから『シュッ、シュッ』というローターとパッドが擦れる音がする・音鳴りがする場合の原因と対処法です...

まとめ

冷却性能の良さ・軽さ・横風からの煽られにくさ、と言った特徴を兼ね備えた優秀なローターです。

昨日から開幕したツール・ド・フランスを見ていて気づいたのですが、何人か前輪だけRT-MT900を付けている選手がいましたね。私と同じように横風が気になったのか、それとも軽量化を気にしたのかは不明ですが。とりあえず、そこまで失うものはないカスタマイズではないかと思っています。

評価

対象モデル:  SHIMANO「XTR RT-MT900」
年式: 2020年
定価: 7564円(税込)
購入価格: 5574円(税込)
公称重量: 108g
実測重量: 106g/109g

価格への満足度

8/10

性能から見ると安いと思う。

総合評価

9/10

放熱性・重量・横風耐性のバランスが良いローター。見た目もかっこいい。

レビュアー情報

年齢: 36歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

 

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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