評価:3.5
TOPEAKの軽量スタンド。クランクに差し込んで使うタイプです。
購入動機
深夜に自転車と風景を組み合わせた画像を撮影する「深夜自転車部」という活動を最近よくやっています。その際に、自転車を立たせる為に色々苦労をし、ツール缶をペダルの下に置いて自立させる方法を編み出したりもしました。
しかし、このツール缶スタンドは少しでも風が吹くと自転車が倒れてしまう不安定な方法。何か安定して直立させる方法はないものか……と思ってたときに見つけたのがこのスタンドでした。
製品概要
実測重量は150g。最大荷重は15kgまで。持ち運びのためのポーチ付き。
折りたたみ式で、最小状態ではかなりコンパクトになります。
取り付けはこんな感じ。クランクを包み込むように取り付け、6時方向にすることで立たせます。
クランク長に合わせて長さの調整が可能です。ネジを締めこむほどに長くなります。
使用感
写真撮影時に自転車を自立させる用途で使用しています。
重量
150gと、ライト1本分程度の重量です。常時持ち歩くのはちょっと重い気はしますが、「写真撮影をする」と決めた時だけ持つなら悪くない重量です。
携帯性
輪行用のエンド金具程度の大きさに小さくなるので、ツール缶や大きめのサドルバッグなら十分に収納可能です。
安定性
クランクに取り付けるわけですが、かなり安定はします。ブレーキレバーをゴムバンドなどで固定してタイヤが動かないようにすると、更に安定します。
風が吹くと倒れてしまうこともありますが、それは簡易スタンドである以上、仕方ないでしょう。
適合する自転車
家にある色々な自転車に取り付けてみました。基本的に、出来うる限り一番長くした状態で使用。
→取り付け不可。Dura9000世代以降はクランクが厚すぎて対応していない。・LAPIERRE XELIUS(BB Drop: -67mm, タイヤ: 700*23C, クランク: FC-6650G 170mm) →取り付け可能。長さが足りず、スタンドを取り付けた側に斜めになってしまう。
・SPECIALIZED ROUBAIX(BB Drop: -71.5mm, タイヤ: 700*23C, クランク: FC-6650G 170mm)
→取り付け可能。不自然に車体が傾くこともなく、ほぼ直立。
・GIANT ESCAPE RX(BB Drop: -70mm, タイヤ: 700*25C, クランク: FC-5750 170mm)
→取り付け可能。若干長さが足りず、スタンドを取り付けた側に斜めになってしまう。
ということで、どの自転車にも使えるわけではなく、相性を選びそう。Dura9000世代からシマノのクランクは剛性を出すためなのか厚くなっています。このスタンドはクランクにはめ込む形式なので、厚すぎると入らないわけですね。
傾き具合
クランクを6時の位置にした時の「地面からクランクまでの距離」が小さくなるようなマシンでないと直立せず、斜めになります。このスタンドは700Cタイヤのマシンに使うには短すぎるわけです。つまり、このスタンドで綺麗に直立させるためには、「クランクがある程度の長さがあり」「BBの位置が低く」「タイヤの外径が小さい」マシンである必要があるということです。
私が今回、「深夜自転車部」で使おうと思っていたのはLAPIERRE XELIUSなのですが、このスタンドそのままでは斜めになってしまって自転車の写真を綺麗に撮る事ができませんでした。
公式の説明では、「地上よりペダル軸中心までの距離が90-105mmに対応」とあります。つまり、
BBドロップ: y
クランク長: z
とした時に、
が成り立つマシンに対応するということです。今回、私のXELIUSの場合、
y = 170mm (FC-6650Gのクランク長)
z = 67mm (XELIUSのBBドロップ)676/2 – (170 + 67) = 101mm
となり、対応範囲にはあることになります。
しかし、実際に取り付けてみると、やや斜めになってしまいます。一応立ってはいるので「対応はしている」と思うのですが。直立に近い立たせ方をするためには、「地上よりペダル軸中心までの距離」を90mm前後にする必要があると思います。
ちなみに……以下のブログの2008年の記事によると、かつてこの商品の説明には、「地面からペダル中心軸までの距離が85~92mmで使用可能」と書いてあったそうです。やはり同じようなクレームが多かったのか、現在は地面からの対応距離は伸びたようですが、それでもまだ足りない気がします。
いや,「自立」と言っても経済的ではなく,「物理的に」です。σ(^^)ロードバイクをはじめ,多くのスポーツバイクにはスタン…
クランクの向き
もう一つ付け加えるとすれば、「スタンドを付けた時のクランクの位置が美しくない」という弱点が挙げられます。
反ドライブトレイン側にこのスタンドを付けた場合、ドライブトレイン側のクランクは0時方向(上)を向くことになります。この状態でドライブトレイン側から写真を撮ると……うーむ、美しくない。私はシートチューブの延長線上にクランクを持ってきた状態で撮影したいので、これは頂けません。
まとめ
まず、クランクが対応しているかを確かめる必要があります。Shimanoの7900世代までのクランクは対応していますが、9000や6800のクランクは対応していません。カンパのカーボンクランク(多分アテナ)も試してみましたが、ダメでした。
撮影用途に使うにはちょっと微妙かもしれません。クランク位置が許容できればアリ。このスタンドを取り付けた時のクランク位置については買う前にもう少し考えるべきでした。
また、「地面からクランクまでの距離」の制約もシビアで、綺麗に立たせるのは難しいと言う点はマイナス。もう少し長く伸びるように調整幅が広がれば良いと思うのですが、そうなるとコンパクト性が失われると言うトレードオフ。なかなか難しいですね。
単純に「簡易スタンド」と考えた場合、これだけの重量(実測150g)でこの安定感を出しているのは秀逸だと思います。ヘルメットやツール缶をスタンド代わりに使うのよりは遥かに安定しますね。
評価
対象モデル: TOPEAK「フラッシュスタンド スリム」
年式: 2014年
定価: 4620円
購入価格:3646円
公称重量: 138g
実測重量: 150g
価格への満足度
スタンドとしてはちょっと高い。
総合評価
コンパクトさと安定感を買って。
レビュアー情報
年齢: 30歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。