この記事は約 7分で読めます。
【レビュー】TOPEAK「ROADIE TT mini」
評価:4.5
トピークの携帯ポンプ。ハンドルを引いた時にシリンダー内で空気を圧縮し、ハンドルを押した時に圧縮された空気を一気に充填する「TT(ツインターボ)」テクノロジーを搭載しているのが特徴です。
下記レビューのポンプと同シリーズで、長さが30mm短いミニバージョンのレビューとなります。

購入動機
2020年3月、「ROADIE TT」シリーズが発売となりました。
私が当初買ったのは、全長195mmの「ROADIE TT」。165mmとコンパクトな「ROADIE TT mini」とも迷ったのですが、性能面から長い方を選んだわけです。
携帯ポンプにおいては、他のすべての要素が同じならば、長ければ長いほど1回のポンピングで入る空気量は多くなります。逆に言えば、「指定の空気圧に達するまでに必要なポンピング回数は、長ければ長いほど少なくて済む」ということです。
これまで「例のポンプ一族」の携帯ポンプは色々使ってきましたが、少しでも短くなると性能は大きく落ちていました。今回の「ROADIE TT mini」はノーマル版に比べて-30mmとかなり小さくしてきたので、果たして実用的な性能と言えるのか?と思っていたのですが……。
topeak:5.2bar
例のポンプミニカーボン:5.0bar
となりました。
機材はSCHWALBE one 25c/mavic純正チューブ/ワイドリム版キシエリ、測定はlezyneフロアポンプのメータです。— tak_0x00 (@tak_0x00) March 8, 2020
「ROADIE TT mini」を買ったフォロワーさんによると、「例のポンプ ミニ」と遜色ない性能が出ているというのです。13mmも長い「例のポンプ ミニ」と同じ性能が出ているというのは驚きました。ただ、「ROADIE TT」は「例のポンプ ミニ」よりもヘッドが小型化した分、全長に占めるシリンダーの割合は多くなっています。見た所、シリンダーの長さで比べると差は5mm程度。
これなら、性能的にほぼ同等となることも納得は出来ます。
「例のポンプ ミニ」は、PBPに持参した程度には信頼を置いているポンプです。「ROADIE TT mini」は、それと同等かつ、更に小型です。
ならば、1本買っておこうと思い、新宿駅前のエルブレスさんに注文の電話を掛けたのでした。
製品概要
実測重量は89.8g。口金は仏式専用です。米式には対応しません。
最大気圧は160PSI(11気圧)とされています。
全長は165㎜、直径は22.8mmです。
表面には細かい溝が掘られており、滑りにくくなっています。
使用感
自宅内でポンピングテストを実施。対象のタイヤはVittoria Rubino Pro Speed(25C)です。
比較対象は、同程度のサイズで同じ構造の「例のポンプ ミニ」、同じシリーズのポンプで一回り大きい「ROADIE TT」です。


重量
公称90gで、実測89.8gと大変優秀な値です。
ちなみに、同程度のサイズである「例のポンプ ミニ」の重量も同じく90gです。
大きさ
165mmと、ノーマル版「ROADIE TT」よりも30mm短くなっています。
これだけ小さいと、ソフトツールケースでは最小クラスの「Vittoria プレミアムツールケース」にも収まります。
「例のポンプ ミニ」は178mmありましたので、もう一回り大きなツールケースでないと入れることは出来ませんでした。
ロック機構
ROADIE TTと同じく、シリンダーの飛び出しを防止する機能が付いています。詳しくは以下の動画を見てください。
同様の仕組みは、TOPEAKの「マイクロロケットALT」などにも存在し、「ツイストロック機構」と呼ばれています。
使用法
口金は仏式オンリーの対応。使用できる補助チューブは、現状グランジのポンプアダプタしかありません。
その他の使用感は、「ROADIE TT」のレビューと同じです。御覧ください。
性能
前述の通り、Vittoria Rubino Pro Speed(25C)に対してテストを実施しました。
→6.0気圧
400回
→8.0気圧
※ 計測ミスをしていたので、訂正します。赤太字は訂正部分です。
ノーマルサイズの「ROADIE TT」には及びませんが、恐らく350回で7気圧を越える点では実用的と言えます。
性能的には、「ROADIE TT ミニ」>「例のポンプ ミニ」という事になります。
構造
構造は、「ROADIE TT」と全く同じなので、こちらの記事を参照してください。
端的に言えば、以下のようになります。
・各部のネジは緩んでいない
・例のポンプで必要だった注油は不要
ノーマルとの違い
本製品と同シリーズで「ROADIE TT」という製品があります。こちらを仮に、「ノーマルサイズ」と呼びます。
「大きさ」の項で示した通り、ミニの方がノーマルより30mm短くなっています。
TOPEAKのサイトに書かれたスペックを見ると、1回のポンピングで入る空気量は以下の通り。
・ROADIE TT mini: 31.6cc
ノーマルが300回で7.8気圧。ミニは300×1.3回=390回で7.8気圧入る計算になります。実際、400回で8.0気圧入っているので、きっちり1.3倍になっています。
まとめ
一回りコンパクトになった「TOPEAK版・例のポンプ」。
高圧での押しの軽さという特徴はそのままに、コンパクトになってツールケースにも収まるようになっています。
ただし、目標の空気圧までに必要なポンピング回数は、ノーマル「ROADIE TT」に比べて1.4倍1.3倍ほどに増加。ただ、回数をこなせば確実に目標空気圧までは入ります。それだけの押しの軽さが、ツインターボテクノロジーの魅力です。
コンパクトさを重視する方は「ROADIE TT mini」、効率を重視する方は「ROADIE TT」のほうを選ぶと良いでしょう。
そして、しつこいようですが、やっぱりツイストロックは不要だと思いますね。これがなければ★+0.5です。
そして最後に参考画像。左から、
- ROADIE TT mini (165mm)
- ミニ例のポンプ (178mm)
- ROADIE TT (195mm)
- 例のポンプ (197mm)
です。サイズ感の確認用です。
評価
対象モデル: TOPEAK「ROADIE TT mini」
年式: 2020年
定価: 4400円(税込)
購入価格: 4400円(税込)
公称重量: 90g
実測重量: 89.8g
価格への満足度
割高には感じるが、品質を見ると納得せざるを得ない。
総合評価
軽量・小型である点を評価。性能はノーマル版の方が数段上。
レビュアー情報
年齢: 35歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。