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【レビュー】Tranz X「スキュアーセット(JD-061-3)」
評価:3.5
TRANZ-Xのスキュワーです。五角形の専用レンチで締めるタイプと六角形の汎用レンチの2タイプがありますが、私がレビューするのは後者の汎用タイプのものです。
購入動機
「クイック/スキュワーの固定力は、走行に実は影響があるのではないか?」ということを検証するために購入しました。
参考として、これまでにレビューした3タイプのクイック/スキュワーのレビューへのリンクを以下に示します。
クイック(密閉カム)
クイック(開放カム)
RWSスキュワー
製品概要
実測重量は前後セットで65g。
シートクランプ用のスキュワーも付いてきますが、使っていません。
使用感
テストのために使ったのみで、普段遣いはしていません。
使い方
締め付けは六角レンチで行います。
完全にバラすとこんな感じ。シャフトは1本の大きなネジになっています。ちなみにこちらのシャフトは鉄製。磁石が付くからきっとそう。
なお、シートクランプ用のスキュワーも付いていますが、こちらは使っていません。
実用性
結論から書きますと、「意外と使える」のではないかと思っています。
「購入動機」で上げた他の3種類を次々に交換して、クイック/スキュワー以外は同じ条件で、同じコースを走ってみました。剛性感の序列は以下でした。
RWSスキュワー >> クイック(カンパ) ≧ 六角スキュワー >> クイック(DIXNA)
いずれも手で出来るだけの力で締め付けています。締め付けによる玉当たりへの影響は全く考慮していません。
重量
スキュワーの実測重量は65g。実売1000円という値段でカンパクイック(122g)の半分近い重量です。
固定力
この六角スキュワーは、体感的には密閉カムのカンパクイックと遜色ない固定力があるように思えました。RWSほどではないですが、しっかりとエンドにホイールを固定できている感じがします。
スプリントした時の反応も良好。重量的にはかなり軽いし、値段も安いものなのにしっかりと固定できることには少し驚きました。スチールシャフトであることも剛性感に一役買っているのかもしれません。
ただ、受け側のナットがフルアルミというのがちょっと気になる所。
左はRWSのナット部分ですが、わざわざフレームとの接触部分には鉄を採用しています。GIANTストアの店員さん曰く、ここの部分のフレームへの食付きで固定力が変わってくるそうです。
調べてみると、シマノもナットは鉄を採用しています。カンパ、MAVICのナットはアルミでした。
こちらの六角スキュワーの短所はRWSと同じく、ホイールの着脱です。とはいえ、工具さえあればRWSより楽に着脱は可能だと思います。
まとめ
重量は密閉カムのクイックより軽く、固定力(あくまで体感)は密閉クイックのカムと同等レベル。その上値段は1000円。
個人的にはヒルクライム決戦用に開放カムの軽量クイックを使うなら、こちらのスキュワーを使ったほうが良い結果が出る気がします。品薄なRWSと違って、入手性も高いですしね。
余談
今回、六角スキュワーを探してみて少々残念だったのは、ロード用の六角スキュワーはほとんど選択肢がないこと。
多分、国内で手に入るのは、この製品の他には以下くらいでしょう。
しかも何れの商品も、主目的は「ホイールを盗まれにくくすること」「ドレスアップ(色展開が多い)」というもの。「ホイールをしっかり固定する」という目的の商品は皆無です。
どこかのメーカーが、ガチで固定力だけに主眼を置いた六角スキュワーを作ってくれないかなーと思っています。その一つの答えがRWSなのでしょうが。
しかし、どこの本を見ても「クイック/スキュワーの固定力の走行感への影響」への言及は見たことが無く。果たしてこの仮説は幻想なのでしょうか……。
評価
対象モデル: Tranz X「スキュアーセット(JD-061-3)」
年式: 2013年
定価: 1050円(税込)
購入価格: 1050円(税込)
公称重量: 不明
実測重量: 65g
価格への満足度
安いのに固定力はそこそこ。
総合評価
ナット側を鉄にしたい。
レビュアー情報
年齢: 29歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。