【レビュー】UZM「ろんぐらいだぁすとーりーず! サイクル反射ベスト」

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評価:4.5

UZMより販売されている反射ベスト。通称「FORTUNAベスト」。

漫画「ろんぐらいだぁすとーりーず!」に登場するキャラクターグッズでもあります。

目次

購入動機

2023年PBPで使用するために購入しました。

日本で使っている反射ベスト

私は日本でブルベを走る際には、オダックス埼玉の「ADX-V」を使います。

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軽量かつ通気性も良い反射ベストなのですが、残念ながらPBPで使うことは出来ません。PBPで使える反射ベストの規格を満たしていないことが理由です。

PBPで使える反射ベストの条件

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PBPのルールでは、2015年から「EN1150」「EN20471」のいずれかの規格を満たす反射ベストを着用することが求められるようになりました。

これらの規格で求められる反射材の面積はかなり大きく、日本で販売されているスポーツ用の反射ベストで条件を満たしているものはほとんどありません。

今回レビューする「ろんぐらいだぁすとーりーず! サイクル反射ベスト」は、EN1150規格を満たす数少ないスポーツ用反射ベストです。

公式ベストを使わないのは何故か

PBPでは、事前受付で公式の反射ベストが配布されます。これは参加費に含まれており、全員がもらえるもの。当然、PBPで必要な反射ベストの規格を満たしています。

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反射材の大きさや、被視認性は申し分ありません。ただ、いかんせん品質が安定しないのです。

このベストにはバックポケットにアクセスするためのスリットがありますが、同じサイズでもスリットの大きさはてんでバラバラです。手が全く入らないくらい小さなスリットであることもありました。また、縫製も荒く、ファスナーが一回使っただけで壊れたという人も見たことがあります。

2023年のPBPではこういった不良品の交換窓口が設けられてはいましたが、不具合の可能性があるものを本番投入するのは嫌だったのです。使用実績のある個体を日本から持参しようと思っていました。

購入

本製品はいつでも買えるものではなく、不定期に受注を募集する製品です。

2023年2月に募集があり、注文。

3月に納品されました。

製品概要

実測重量は225g(Lサイズ)。

反射材の面積はXLサイズで公称5×268cmです。

カラーは蛍光イエローのみ。

背中にはバックポケットが2つあり、スリットはありません。

使用感

国内で週末のロングライドに使用。その後、PBPで実際に使用しました。

サイズ感

購入前に問い合わせた所、サイズ感的に「かなり大きめ」とのことでした。

普段、国内でXLサイズのジャージを着ている私だとLでOK。XLだと結構余裕があるだろうとのことでした。

迷った末にLサイズを購入しています。

重量

Lサイズで225gとやや重めです。

なお、同サイズのPBPオフィシャル反射ベストが195g。

規格への準拠

EN1150では、生地の色と反射材の面積が規定されています。

生地の色

FORTUNAベストの生地色は蛍光イエローであり、条件を満たしています。

昼間でも良く目立ちます。

反射材の面積

FORTUNAベストには幅5cmの反射材が使われています。

長さを計測して合計した所、264cmありました。よって、反射材の面積は以下のとおりです。

5cm×264cm = 1320cm2 = 0.132㎡

EN1150規格では、身につける人の身長によって必要な反射材の面積が規定されています。

私の身長は176cmですが、「176cm以上の場合は最低0.10㎡」という規定があります。本製品の反射材は0.132㎡なので条件を満たしています。

反射材の配置

ほぼPBPオフィシャルベストと同じです。多分真似ています。

前面

背面

ほぼ同じ配置ですが、PBPオフィシャルが背面の肩口に反射材を配置しているのに対し、FORTUNAベストは背面の肩口には反射材がありません。

正直、前傾姿勢になったときに背面・肩口の反射材は見えませんので、前面・肩口(前傾姿勢で正面から照らされた時に目立つ)だけあれば十分かと思っていました。

ちなみに、PBPオフィシャルベストの反射材の合計面積は0.128㎡だったので、反射材の合計面積はFORTUNAベストのほうが広いことになります。

生地の質感

FORTUNAベストはサイクルジャージと同じ生地を使っているそうで、かなり伸縮性が高いです。身体にしっかりとフィットしてバタつきません。空気抵抗の面でも良い製品だと思います。

なお、見た目的にほぼ同じなPBPオフィシャルベストは生地の伸縮性は低いです。ジャストサイズなら良いのですが、サイズが大きいものを入手してしまうと結構バタつくはずです。

縫製の品質も非常に良いと感じました。

バックポケット

バックポケットの深さは実測で18cmでした。

家にあるジャージのバックポケットの深さを測ってみると、16-17cmのものが多かったので、標準的な深さと言えるでしょう。

PBPでの使用感

PBPでは車検時に反射ベストの確認がありますが、そこでは特に問題を指摘されませんでした。

ただ、どう見ても「それ反射材の面積足りなくない?」という反射ベストに対しても指摘をされていないようだったので、車検の担当者次第なのかもしれませんが……。

実際に着ている様子がこちら。

妻からは「他の人が皆PBPベストだから、FORTUNAベストは夜中に判別しやすかった」とのご意見も。確かにPBPベスト率が高すぎて、夜中は誰が誰だか分からないんですよね……。

FORTUNAベストを使っていたのは日本からの3-4名のみだったので、判別には十分なレア度でした。

また、PBPベストよりも若干緑がかった色味であることも採用した理由の一つ。人間の視覚的には単純な黄色よりも緑っぽい色のほうが暗所で目立ちやすいからです。微妙な差でしょうけど、一応。

通気性・防寒性

PBPオフィシャルベストよりは生地の通気性が良いです。その分、防寒性は低め。

とはいえ、お腹部分まで覆うので、日本国内・本州の夏場のブルベに使うのはやめたほうが良いと思います。日本のブルベのルールでは昼間も反射ベストの着用の必要があり、脱ぐことは出来ません。夏場に使えるのは北海道くらいだと思いますが、最近は北海道も暑いので……。

北海道と似た気候のフランスも今回のPBPでは非常に暑く、昼間は着ていられませんでした。PBPの規定では夜間のみ着用すれば良いので、昼間は反射ベストを脱いでいました。

夜間は12℃まで下がりましたが、「腹巻き+薄手の長袖ジャージ+FORTUNAベスト」という構成で問題はありませんでした。

入手性

本製品は不定期の受注生産です。

大変良い製品だと思いますが、入手性は低いです。欲しい方は、販売情報をお見逃しなきよう。

価格

14300円(税込)です。

反射ベストとしてはかなり高価ですが、キャラクターグッズ(版権料が上乗せされる)として考えればこんなものかな、とは思います。

まとめ

縫製や各部材の品質もよく、身体にしっかりフィットする反射ベスト。

反射ベストの本分たる被視認性も非常に高く、現状手に入る反射ベストでは世界最高クラスの製品だと思っています。

ただし、日本では真夏に着るのは暑いのでやめたほうが良いでしょう。日本のブルベで使おうと思うと、夏以外の3シーズン用になると思います。

ちなみに、ろんぐらいだぁすとーりーず!の反射ベストにはもう一つ「サイクルベスト【ナイトライド Ver.】」というモノもあります。

こちらはPBPには使用不可で、国内のブルベ団体でもいくつかはローカルルールによって使えない場合がありますのでご注意ください。

評価

対象モデル:  UZM「ろんぐらいだぁすとーりーず! サイクル反射ベスト」
年式: 2023年
定価: 14300円 (税込)
購入価格: 14300円 (税込)
公称重量: 不明
実測重量: 225g(Lサイズ)

価格への満足度

5/10

キャラクターグッズなので通常より高価。

総合評価

9/10

日本の夏は使いにくいが、品質・性能ともに高い反射ベスト。

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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