【レビュー】Vipro’s「Blue-no」

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評価:4

亀戸のメーカー・ヴィプロスのチェーンオイル。ドライでもウェットでもない、「サスペンド系オイル」という新ジャンルのオイルを名乗っています。

目次

購入動機

もともと、私はVipro’sのオイル「muon」を長いこと愛用しています。

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耐久性は抜群で、キャノボでも最初か最後まで潤滑性を保つ素晴らしいオイルなのですが、「めちゃめちゃ汚れる」という弱点がありました。単純に汚れを集めやすいというよりは、黒くなる成分が入っているのかもしれません。ドライブトレインが汚れるだけなら良いのですが、ウェアにも汚れがつくので何とかならないかと思っていました。同社には「keiten」というオイルもあり、そちらは割と汚れにくいのですが、あまり耐久性は良くありません(公称で200~300km程度)。

そこに出てきた新製品が「Blue-no」です。

muonムオンの潤滑耐久性と、keitenケイテンの防汚性を併せ持つ、ヴィプロスが今できる最高傑作のチェーンオイルです。

muonの耐久性があって汚れにくいオイルが本当に実現したなら素晴らしいこと。公式の比較表では、muonの耐久性が「500-600km」と書いてあるのに対し、Blue-noの耐久性が「400-450km」とそれなりに開きがあるのが気になりましたが、買ってみることにしました。

製品概要

容量は62ml。

成分は以下の通り。

・化学合成潤滑基油
・特殊潤滑添加剤
・防錆添加剤
・浸透促進剤
小分け用のミニボトルが付属します。ドライオイルのように分離しないので、小分けには便利ですね。

使用感

ロードバイクのチェーンに注油して使用しています。

特徴的な青色をしていますが、これは成分の色ではなく着色料の色だそうです(サイクルモードで聞いた)。

特性

「サスペンド系」を名乗っており、ドライオイル・ウェットオイルとは違った特性を示します。

一滴ずつ3種類のオイルを垂らしてみました。

・左: KURE チェーンルブドライ(ドライ系)
・中: Vipro’s Blue-no(サスペンド系)
・右: Vipro’s De muon(ウェット系)

かなりBlue-noは広範囲に広がっていることが分かります。これによってチェーンのリンク内までオイルが浸透するとVipro’sは主張しています。溶剤が揮発して有効成分が残るドライ系オイルとはちょっと違いますね。ただ、特性としてはドライ系オイルに近い印象です。

注油

チェーン1コマに1~2滴ずつ注油します。ドライオイルと違って成分が分離しないので、容器を振る必要はありません。

ドライオイルのように粘性が低いので出すぎてしまうことも多く、一回の注油で結構な量のオイルを使います。なお、注油すると、チェーンがうっすら青くなります。

静粛性

ウェット系オイルほどの静粛性はありませんが、ドライ系オイルに比べると静かです。ただ、300kmほどの走行でシャリシャリ音が目立つようになりました。

走行抵抗

滑らかではありますが、muonの方が滑らかだと思います。それは静粛性がそう感じさせるのかもしれませんが。

防汚性

これは確かに汚れにくかったです。

単純に粘性が低く汚れを拾いにくいことに加え、飛び散りにくいのでローラー台で使っても周りを汚しにくいのが良いですね。muonとは対極にあります。

耐久性

前述の通り、晴れの状態で使っても300kmほどで駆動音が目立つようになります。この時点では潤滑しています。

400kmでオイル切れといった印象。公称の距離として嘘はないと思いますが、muonよりは確実に持ちません。

雨ではまだテストしていないのでその点は不明ですが、Vipro’sの比較表を見るとmuonよりは一段落ちるようです。

入手性

割と色々なスポーツ自転車店で扱いがあり、入手性はなかなか良いと思います。Amazonでも扱いあり。

携行性

分離しないので持ち歩きやすいのはポイント。耐久性はそこまで高くないですが、注油しなおすのは楽です。ドライオイルと違って定着までの時間も短いようです(と言っても3-5分掛かるらしい)。

価格

このオイルで一番気になるのがここです。62mlで2200円。

超高級っぷりでロード乗りの度肝を抜いたUFO DRIPは8300円ですが、容量は180ml。60mlに直すと2700円程度なので、実は単価的にはBlue-noと大きく変わりません。

サスペンドオイルという新しい領域なので開発費用がかさんでいるのかも知れませんが、かなり高級なオイルだと思います。

まとめ

そこそこ長距離持つ上に汚れにくく、分離しないので携行しやすいオイル。使い勝手は良いと思います。

気になるのは値段。結構量を使う割には単価が高いので、距離を乗る人はランニングコストが他のオイルに比べて高いと思います。

雨での持ちが気になるところですが、試せたら追記します。

評価

対象モデル:  Vipro's「Blue-no」
年式: 2019年
定価: 2376円(税込)
購入価格: 2376円(税込)

価格への満足度

4/10

ランニングコストが高く感じる。

総合評価

8/10

総じて優秀なオイル。もう少し耐久性が欲しい。

レビュアー情報

年齢: 35歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

 

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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