【レビュー】Vittoria「Premium Zip Tool Case」

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評価:3.5

ビットリアのソフトなツールケースです。観音開きに出来るのが特徴です。

目次

購入動機

最寄の自転車店「サイクルキューブ」に入荷していたので購入しました。

元々はチューブや工具などを入れてサドルバッグ代わりに使おうと思っていたんですが、その後「本州一周TT」にて別の使い方に気付くことになります。

製品概要

実測重量は80g。一般的な500ml容量のツールボトルの重量が50g程度なので、若干重め。容量は500mlのツールボトルと比べて若干小さめです。サイズから計算すると、

70mm(直径) * 3.14 * 180mm(高さ) ≒ 400ml

程度でしょうか。あくまで直径と高さは外側のはずなので、1割引きの350mlくらいが実際の容量と推察できます。

ジッパーをあけることで観音開きになるのが最大の特徴です。両サイドにメッシュが張られています。

なお、同様の製品でロゴだけ違うものが確認されています。「SALICE」です。どちらかがOEM元なのか、それとも別にOEM元があるのかはわかりませんが、これらはほぼ同じ。内部の色がVittoriaは黒、SALICEは白という違いがあります。

使用感

AVEDIOのツールケースは太すぎてボトルケージに収まりませんでしたが、こちらのツールケースは通常のボトルケージにすっぽりと収まります。表面が滑りづらい素材になっているため、抜け落ちる不安もありません。

前述の通り、容量は500mlのツールボトルには劣ります。このツールケースの利点は以下です。

・中身を一目で把握出来る
・中身の出し入れがしやすい

要は、容量よりも使い勝手に振った製品と言えます。

このツールケースを買う人の大半は、サドルバッグの荷物をこのケースに移すことで自転車全体のシルエットをすっきりさせる & 重心を低くしてダンシングの振りを軽くするような使い方をすると思います。ただ、私の場合は少し違いました。

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このツールケースは、ロングライドで各種ケア用品を持ち運ぶのに便利だったのです。複数日に渡るロングライド中、日々必要なケア&そのために必要なものというと、以下が挙げられます。

・歯磨き   → 歯ブラシ&歯磨き粉
・洗顔    → フェイスタオル
・日焼け対策 → 日焼け止め/リップクリーム
・股ずれ対策 → 皮膚保護クリーム
・脚攣り対策 → 各種サプリメント

特に歯磨きは本来の衛生的な側面のほかにも、眠気を飛ばしたり、気分をリセットする効果もあります。このため、私は複数日のロングライドでは必ず歯磨きセットを持参することにしています。しかし、せっかく持参してもサドルバッグの奥深くに入っていては取り出すのが億劫。使いたいときにサッと取り出して持ち出せる必要があります。

そこで登場するのがこのツールケースです。上記のケアのほとんどは、洗面所またはトイレで行います。全てのケア用品をこのツールケースで一元管理することで、「このツールケースさえ持参すれば良い」という運用を取ることにしました。道の駅やコンビ二のトイレに行くときには、このツールケースさえ持ち出せば良いわけです。2つあるボトルケージのうち、シートチューブ側のボトルケージにこのツールケースを入れて使うことにしました。

それまではサドルバッグを開けて必要なケア用品を取り出してから洗面所/トイレに向かう必要がありました。そしてトイレに入ってから、「あ、皮膚保護クリーム、持ってくるの忘れた!」ということがよくあったのです。このツールケースを使い始めてからはそういったミスが減りました。

ちなみに、私が本州一周中に入れていたのは以下です。

・皮膚保護クリーム
・日焼け止め
・UVカットリップクリーム
・チェーンオイル
・歯磨きセット
・フェイスタオル
・サプリメント
 ・芍薬甘草湯(脚攣り対策)
 ・アミノバイタル(筋疲労対策)
 ・VAAM

チェーンオイルのみ毛色が違いますが、他はすべて体のケア用品です。これだけあればトイレと洗面所で大抵のケアは行うことが出来ました。通称「お化粧箱」です。

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少し残念なのは防水性でしょうか。

このツールケースは防水ではありません。生地自体は防水性が高そうなのですが、ジッパー部分から容易に浸水します。中身をジップロックなどに入れればよいのかもしれませんが、それではこの製品の特徴である中身へのアクセスの良さが損なわれそうですし。悩ましいところです。

止水ジッパーのバージョン、出ませんかね?

まとめ

「サッと中身を取り出せる」という所だけ見るとトップチューブバッグも便利なのですが、基本的にトップチューブバッグは取り外しはしないもの。その点、このツールケースは自転車からの取り外しも簡単。そして、通常のツールボトルよりも目的の品にアクセスしやすい。持ち出し用のケースとしては最適であると言えます。

昨今は大容量のサドルバッグやフレームバッグが流行の兆しを見せていますが、「中身へのアクセスのしやすさ」「中身の取り出しやすさ」といったユーザビリティ面はあまり重視されていない気がします。しかし、距離が伸びてくれば伸びてくるほど、こうした小さなストレスやタイムロスの積み重ねが効いてくるものです。

ライド中、特によく使うものの収納場所として、このツールケースは活躍してくれると思います。

評価

対象モデル:  Vittoria「Premium Zip Tool Case」
年式: 2013年
定価: 1760円(税込)
購入価格: 1760円(税込)
公称重量: 不明
実測重量: 80g

価格への満足度

8/10

サドルバッグを買うと思えば安価。

総合評価

7/10

エポックメイキングな逸品。防水性の改善を!

レビュアー情報

年齢: 30歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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