【レビュー】Vittoria「RUBINO PRO SPEED CL 25C」

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評価:3.5

Vittoriaのオールラウンドタイヤ。Rubino Proシリーズで最も軽量な「SPEED」25Cのレビューです。

目次

購入動機

EXTENZA R1Xがそろそろ寿命かつ、新しいタイヤを試してみたかったので、新タイヤを物色。そういえばVittoriaのグラフェン使用タイヤは使ったことが無いことに思い至りました。

私はあまりVittoriaのタイヤに良いイメージはありません。微ウェットな路面で前輪が滑って落車したことがあるのがその理由。当時の私の技術が未熟だったことを差し引いても、前輪が滑るのは怖いので以後は使わなくなっていました。

あれから5年ほど。刷新されたVittoriaのタイヤの現状を確かめてみることにしました。

Vittoriaのロード向けタイヤでは、競技向けの「CORSA」シリーズと、オールラウンドの「RUBINO」シリーズがあります。今回はロングライド向けのタイヤが欲しかったので、RUBINOシリーズを選択。一番軽量な「PRO SPEED」を購入しました。

製品概要

実測重量は、205gと200g(25C)。ケーシングは180TPIで、グラフェン配合と書かれています。

用途としては、「タイムトライアル/ヒルクライム用モデル」とのことです。

センタースリックで、サイドパターンあり。

使用感

600㎞ブルベで使用。最初の50㎞ほどが雨で、以後は50㎞ほど路面はウェット、残りの500㎞はドライ路面でした。

チューブはいつも通りのMAXXISのULTRALIGHTを使用しています。空気圧は前8.0気圧、後8.5気圧で運用。

取付

非常にしなやかなタイヤで、特にタイヤレバーを使わずに取り付けることが出来ました。なお、回転方向の指定があります。

乗り心地

まず試し乗りで気づいたのは、強烈な乗り心地の良さ。最初なのでとりあえず前後7.0気圧で乗ったこともあるんですが、チューブレス並みの乗り心地の良さに驚きました。最終的に、前8.0気圧、後8.5気圧に落ち着きましたが、それでも乗り心地が良く、ロングライドには向くと思います。

乗り心地の秘密は、トレッド部のしなやかさにあると思います。手で触っても分かるほどに表面がやわらか。ただし、それも良し悪しで、ダンシングでわざと前輪荷重にするとタイヤが潰れます。結構、その際にはハンドルが取られる感じがして怖いですね。

前輪8.5気圧に挙げると体重80㎏の私でも前輪が潰れなくはなりますが、ちょっと挙動が怖いので前輪は8.0気圧にとどめています。

グリップ

峠のコーナーでも特に破綻はありませんが、空気圧低めだと潰れる感じがして少々怖さはあります。

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今中さんがレビューの中で「いつもより高圧に」と言っているのは、既に書いた通りトレッド部が極端に柔らかいことを示唆しているのだと思います。

「変形挙動的に考えても、コーナーを攻めるのであれば空気圧は高めがおススメですね。」

とのコメントからも変形しやすいのは私の気のせいではなく製品仕様でしょう。私も他のタイヤよりも1気圧高めで使っています。

ウェットグリップについて。かつてのVittoriaはとにかく雨で滑りやすかったのですが、本製品では改善されていました。ただ、コンビニの入口のような明確な段差で変形して滑りそうにはなりました(雨天時)。

Amazonの商品説明には以下の文言があります。

IT’Sコンパウンドはライダーの要求に合わせて、柔らかくも硬くもなります。
タイヤが真っ直ぐに回転している場合、コンパウンドが最も硬い状態となり、転がり抵抗を低くします。
一方でブレーキング、加速、コーナリング時には、コンパウンドが柔らかくなり、
素晴らしいグリップ力を発揮します。

つまり、わざとトレッドに力を掛けるような場面では従来のタイヤと違う変形をするということです。コーナーリングでは踏ん張ってくれそうですが、段差等タイヤに対して力が掛かる場面では気を付けた方が良さそうですね。

転がり抵抗

漕ぎ出し、巡航ともに良好です。と言っても、それまで使っていたEXTENZA R1Xとの大きな差は感じられません。25Cで200g程度というスペックはほぼ同じなので、それが印象が似ている理由でしょうか。

耐パンク性

600㎞走行してパンクはゼロ。重量からするとトレッドもサイドも薄いはずですが、標準的な耐パンク性はあるようです。一応、耐パンクベルトも入っているようですし、鉄より200倍強いというグラフェンが生きてるということですかね。

寿命

皮むきで100㎞、ブルべで600㎞程度しか乗っていないので、まだ不明。ほとんど減っていないので、結構行けそうです。5000㎞持ってくれれば御の字。

まとめ

軽量で乗り心地が良いオールラウンドタイヤ。ただし、乗り心地はトレッドの柔らかさに起因するので、好みが分かれる所でしょう。軽量ですが、ロングライドも行けます。

変形のクセが他のタイヤと違うので気になりますが、特にウェット条件でも問題が無いことが分かったので継続使用します。

評価

対象モデル:  Vittoria「RUBINO PRO SPEED CL 25C」
年式: 2017年
定価: 5541円(税込)
購入価格: 4300円(税込)
公称重量: 200g
実測重量: 200/205g

価格への満足度

8/10

安く買えました。

総合評価

7/10

変形挙動にまだ慣れないが、それ以外は良いタイヤ。

レビュアー情報

年齢: 33歳(レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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