【レビュー】XLAB「STEALTH POCKET 200 XP」

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評価:4.5

XLABのトップチューブバッグ。トライアスロン向けに設計されており、ボルトオン取付専用です。

目次

購入動機

GE-110用のトップチューブバッグとして購入しました。

選んだ経緯はこちらの記事に書いた通り。

「ボルトオン対応」「膝に当たらない」という条件で探した結果、たどり着いたのがこのトップチューブバッグでした。

トップチューブバッグは結構な頻度で買っているんですが、少しでも合わないと実戦には投入しないので久々のレビューとなります。

製品概要

実測重量は63g。

トップチューブ上にアイレットが付いているフレームのみに使えるタイプのバッグです。

大きさは、長さ214mm/幅38mm/高さ64mm。公称容量は380ml。

両サイドに2分割されたメッシュポケットがあり、計4個のポケットがあります。

使用感

エンデュランスロード「GE-110」に取り付けて使用しています。主な使用シーンは、ブルベ・ロングライドです。

重量

実測63g。トップチューブバッグとしては軽量ですが、見た目よりは少し重いです。

理由は、中に骨組みのプラ板が入っているから。ただ重量増以上に「バッグの形状を保つ」ことがトップチューブバッグでは大事なので、これは正しい判断だと思います。

骨組みが入ることで、ファスナーの開閉時にバッグが変形しなくなりますし、中身を多めに入れても左右に膨らむことがなくなるからです。

同社の「STEALTH POCKET 100」というトップチューブバッグは軽量でしたが、骨組みが全く入っていませんでした。ファスナーを閉める際にバッグが変形してしまい、かなり使いづらかったことを覚えています。

取り付け

GE-110には、トップチューブにアイレット(ダボ穴)が付いています。

写真ではカバーを付けていますが、外すとネジ穴が開いています。

バッグの底には穴が貫通しています。ここにネジを差し込み、フレーム側のアイレットに固定します。

取り付け完了。こういった取り付け方法を一般に「ボルトオン」と呼びます。

底面がフレームに固定されるので左右にズレることがありませんし、トップチューブやフォークコラムに巻かれるストラップが消えるので見た目的にもスッキリします。

容量

公称容量は380mlとされています。

過去に使ったものと比べると、XLAB「STELTH POCKET 100(327ml)」よりは多いものの、Deuter「エナジーバッグ(500ml)」よりは容量少なめ。

380mlは容量としてはかなり小さめ。元々トライアスロン向けのブランドということもあり、エナジージェルを入れることを意識しているはずです。

エナジージェルを5個入れてみましたが、これで一杯という感じ。

ブルベにおいて、私は飴やバー状の補給食(一本満足バーなど)を使うことが多いのですが。容積の大きい(空気を多く含む)補給食を入れてしまうと、それだけでパンパンになってしまいます。

300kmブルベで本製品を使ってみましたが、「もう少し容量が欲しいな」とは感じました。Deuterと同様に500mlくらいあれば個人的には満足なのですが。

膝との干渉

私にとってトップチューブバッグでもっとも重視するポイントは、「ペダリング時に膝に触れない」ことです。膝に触れてしまうと気になってしまい、気が散るからです。

本製品は全長が214mmと、トップチューブバッグの中でも長めの部類に入ります。これだけ長いと膝に触れてしまうのではないか?と思っていたのですが……これが全く膝に触れませんでした

なんでだろう?と思ったのですが、2つのポイントがありました。

1つ目のポイントは、「後端に行くほど幅が細くなっている」こと。

本製品の公称幅は38mmですが、後ろに行くほど細くなり、後端の幅は31mmしかありません。

ロード系ブランドのトップチューブバッグは後端まで同じ幅となっていることが多いんですが、トライアスロン系ブランドのトップチューブバッグは後端が絞られていることが多いんですよね。

サイクルモードで見たPROFILE DESIGN(こちらもトライアスロン系ブランド)のトップチューブバッグも、後端が絞られていました。

この点についてPROFILE DESIGNブースにいたエース栗原氏(プロトライアスリート)に話を聞いてみると、「トライアスロンは基本的に前乗りなので、トップチューブバッグに膝が触れやすい。だからこのように工夫しているのでは」と言っていました。

2つ目のポイントは、「後端に行くほどバッグの高さが低くなっている」こと。

私はペダリング時にかなり内股気味に漕ぐのですが、どうやら膝が一番上に来た際に若干トップチューブの上を通っているようで。バッグの高さが高いと、その膝の軌道上にバッグが入ってしまうことがあります。

こちらの模式図は、背中側から見た断面図だと考えてください。バッグの高さが高いと膝の軌道上にバッグが入りますが、高さが低ければ膝の軌道上には入りません。

「バッグが長くても、後端が絞り込まれていて高さが低ければ、膝に触れない」ということが分かりました。ペダリング時に非常にストレスが少なく、存在を忘れることが出来ます。

中身の取り出しやすさ

前述の通り、中にプラ板の骨組みが入っています。

1枚のプラ板がコの字型に折られています。底面はボルトで固定されるので、バッグ内でプラ板の骨組みが動くこともありません。これによってファスナーの開閉時にバッグの変形が起こりにくく、中身も取り出しやすくなっています。

また、このプラ板の色が白いので、中身を探しやすいという効果もあります。

その他

サイドポケットが地味に便利です。

食べ終わった補給食のゴミを入れることはもちろん、ちょっとした作業を行うための携帯工具を入れることも可能です。私はEQUALブレーキのパッド調整用に3mmの六角レンチを入れています。

ただ、ここのサイドポケットはフタがないので、段差等で中身が飛び出すことがあるので注意。

まとめ

膝に当たりにくい、ボルトオン対応のトップチューブバッグ。

膝との干渉を防ぐために、後端が絞り込まれていて高さを下げています。その成果は十分に出ています。骨組みもしっかりしていて、変形もしにくく使いやすかったです。

ただし、容量は少なめ。ブルベ用途だと追加でフロントバッグやフレームバッグが欲しくなるでしょう。

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XLAB
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評価

対象モデル:  XLAB「STEALTH POCKET 200 XP」
年式: 2023年
定価: 6600円
購入価格: 5800円
公称重量: 76g
実測重量: 63g (ボルト除く)

価格への満足度

6/10

価格は高めだが、作り込みからすると納得感はある。

総合評価

9/10

トライアスロン用に良く考えて作られたトップチューブバッグ。容量がもう少し欲しい……。

著者情報

年齢: 39歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: GHISALLO GE-110(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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