【レビュー】ZTTO「ミニチェーンカッター」

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評価:4

ZTTOの携帯用チェーンカッター。5~12速までのチェーンに対応しています。

目次

購入動機

先日購入したシマノPROの携帯工具はチェーンカッターの出来に問題がありました。

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コツを実践すればチェーンを切ることは出来ましたが、あまり出先ではやりたくないコツ(チェーンを指で抑える)だったため、個人的には「ナシ」です。

と、その話をしていたところに、「面白いチェーンカッターがある」という情報をフォロワーさんから頂きました。

それが今回取り上げるZTTOのチェーンカッターです。

ZTTOはいわゆる中華ブランドの一つで、Aliexpressに多く売られています。今回のチェーンカッターも売っているのは見かけましたが、KMCのチェーンカッターで満足していたので購入には至らず。

ただ、ZTTOのチェーンカッターを教えてくれた方いわく、「これはKMCより一歩進んでいる」とのコメントがあり、気になって購入してみることにしました。その進んでいる点は「リミットリング」と呼ばれるパーツなのですが、そちらはレビュー内で詳細に述べます。

製品概要

実測重量は23g。5~12速のチェーンに対応します。

素材はアルミ。ピンを押すネジは恐らく鉄だとは思いますが、磁石は付きません。ステンレスでしょうか。

カラーはレッド/ブラック。一色のみのようです。

使用感

家でチェーンの切れっ端(11速)を対象に、切断作業を行いました。

重量

公称20gで実測は23g。

本製品には2本のL字型・六角レンチ(4mmと5mm)が必要です。2本で大体30~40gとなりますが、その重量がプラスされます。

もちろん、携帯工具として出先にも六角レンチを持ち歩いている場合は、それを使えばOK。私の場合は5mmの六角レンチがPB SWISSの携帯工具に含まれているので、それを使えば4mmの六角レンチ(約10g)を用意すれば使うことが出来ます。

大きさ

長さはKMCより短く、太さはKMCより上です。どちらも非常にコンパクトで、ツール缶にはらくらく入る大きさ。

使い方(切断時)

本製品は4つのパーツに分けられます。

 

まずは、一番左のパーツ(本体)にチェーンをセット。

 

次に、左から2番目のパーツをセット。

このパーツはZTTO公式ページによると「リミットリング」という名前が付いています。下記の効果があるとのこと。

市場には類似の製品がいくつかあることを知っていますが、よく見ると違いが見つかります。
鍵となるリミットリング。

応力解析を行ってみましょう。ねじ付き柱は完全な円ではなく、リミット リングがなければ、チェーンを切断するときにチェーン カッターが両側に拡張し、拡張によってねじが緩み、ねじとチェーンが引っかかります。使用回数が多いほど、その可能性が高くなります。
この問題を解決するために、チェーンの位置決めを支援するだけでなく、ねじ付きコラムを保持して拡張を防ぐことができるリミット リングを設計しました。そのため、毎回チェーンをスムーズに切断できます。

「チェーンを抑えて動かないようにする」「チェーンカッターの本体が拡張するのを防ぐ」ためのリミットリング。なるほど、理に適っています。少しでもチェーンの位置がズレていると、チェーンカッター自体が破損することがありますが、それを未然に防いでいるわけです。

これはKMCのチェーンカッターには無い機構です。というか、ここで言う「市場にある類似の製品」はKMCの製品の名指しかもしれませんが。

 

そして、赤い大ネジを本体にネジ込みます。この時、銀色の小ネジは引き出した状態にしておく必要があります。小ネジの先端がチェーンに触れてしまうと大ネジが奥まで入らないので。

 

大ネジを最後まで入れるとこの状態になります。大ネジを最後まで入れるのが重要で、ここが中途半端だと大ネジが曲がる方向に力が掛かります(一回私も失敗)。

 

そして、本体に空いた穴に4mm六角レンチを通し、小ネジを5mm六角レンチで回します。この際に、六角レンチは10cm以上のものを推奨されていますが、今回は写真の都合上短いものになっています。

 

小ネジを回していきます。それなりに力は必要ですが、ちゃんと切れました。

 

切り終わった図。チェーンが切れた瞬間に吹き飛ばない形状になっているのもいいですね。

使い方(接合時)

KMCのチェーンカッターと同様、これもチェーンを接続する用途は考えられていない気がします。アンプルピンの入るだけの長さがないので。

恐らく、接続時はピンではなくミッシングリンク的なものを使えということなのでしょう。

まとめ

小型・軽量で、実用性も考慮された携帯用チェーンカッター。

リミットリングというのが面白い発想で、問題を工学的に解決しているアプローチが素晴らしい。

ただし、「六角レンチが2本必要」という縛りがイマイチな気はします。元々六角レンチが携帯工具の中にあれば良いのですが、ない人にとってはこのチェーンカッター用にわざわざ持つ必要があります。4mmと5mmの2本を持つと結構重くなるので、他の鉄製のチェーンカッターよりも重くなることも。

持ち手は一体化しても良かったと思えますが、どこに付ければよいかと言われると難しい。設計担当のエンジニアの苦悩が見え隠れするデザインです。

私の場合は合計重量でKMCよりも重くなってしまいそうだったので、レギュラー採用は見送り。ただ、もうひと工夫あればヒット商品になりそうな予感はあります。

評価

対象モデル:  ZTTO「ミニチェーンカッター」
年式: 2022年
定価: 不明
購入価格: 2263円 (税込)
公称重量: 20g
実測重量: 23g

価格への満足度

8/10

凝った構造と性能から見ると安い。

総合評価

8/10

独自の工夫で実用性を高めているが、六角レンチ2本縛りが人を選ぶ。

著者情報

年齢: 38歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: BIANCHI OLTRE XR4(カーボン), QUARK ロードバイク(スチール)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせていただきました。

 

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この記事を書いた人

ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019・2023年の3回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間18分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)

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