この記事は約 8分で読めます。
ロード機材「それ、早く言ってよ」ネタ集
ロードバイク趣味を始めて10年ほど。
松重豊さんよろしく、「それ、早く言ってよ~……」という案件が色々合ったので、そういったネタを書き出してみようと思います。
① 携帯ポンプの公称最大気圧
1つ目は、「最大気圧まで入る携帯ポンプはほとんど無い」という話。
ほとんどは最大気圧まで入らない
携帯ポンプには必ずといって良いほど最大気圧の表示があります。例えば以下のような感じ。
・最大11気圧
・Max 10bar
最大気圧の定義?
例外
TOPEAK Roadie TT
Panaracer ワンタッチミニポンプ
② CO2ボンベの重さ
2つ目は、「CO2ボンベの重さは表記の通りではない」という話。
CO2ボンベに表記されている文字
こちらは某社のCO2ボンベ。「12グラム」の表記がありますが、これはボンベ自体の重さではありません。中身のCO2(気体)の重量(内容量)です。
「そんなの当たり前でしょ?」と思われるかもしれませんが、意外と勘違いしている人は多いもの。かくいう私も最初はボンベの重さだと勘違いしていました。持てば分かるだろうに。
ある日、「どう考えてもこれが12gしかないわけがない」と気付いて重さを測ってようやく内容量であることに気付いたのでした。お恥ずかしい。
実際の重量
実際のボンベの重量は、内容量12gのもので40g前後。内容量16gのもので60g前後になります。
CO2ボンベを2本と、空気を入れるためのバルブを持つと全部で150gほどになります。これは大抵の携帯ポンプより重いし、場所も取るんですよね。
パンク時の労力を減らすためにCO2ボンベを持つという選択は正しいですが、軽量化のためにCO2ボンベを持つのは逆効果になる事が多いです。ご注意を。
③ 大型サドルバッグの防水率
3つ目は、「大型サドルバッグで防水のものはほとんど無い」という話。これは多分に思い込みの要素が強いかもしれません。
防水「っぽい」イメージが何故かある
大型サドルバッグ。なんとなく「防水っぽい」見た目をしていますが、実はバッグとして防水であるものは相当少ないです。
「え、大型サドルバッグのスペックに防水なんてどこにも書いてないじゃん」と思った方、先入観に囚われていませんね。素晴らしい。
恐らく、私を含めて多くの人が防水だと勘違いしたのは「オルトリーブのサドルバッグが防水だったから」が理由だと思っています。ロングライド界隈では一時期これがスタンダードであり、防水であることは周知の事実でした。
しかし、オルトリーブは後述のちょっと特別な技術を使って防水を実現していたのです。
生地は防水であることが多い
大型サドルバッグに使われる生地は「X-PAC」と呼ばれる素材であることが多いです。
この素材は非常に防水力が高く、単体ではほぼ「防水である」と言い切っても良いくらいのものです。
しかし、大型サドルバッグの場合、これらの素材を「縫製」しないと作ることは出来ません。縫製すると縫い目から浸水するため、防水ではなくなってしまうのです。
X-PAC以外の防水素材を使ったバッグもありますが、縫製があるものは基本的に浸水すると思ってください。
中身を水から守る方法
では、大型サドルバッグを使っていて中身を濡らしたくない場合にどうすれば良いのか? 防水の内袋を使えばよいのです。
登山界隈では「スタッフバッグ」と呼ばれることが多いもので、完全防水かつ軽量な製品を登山用具店で購入することが出来ます。
最近ではオルトリーブもこうしたスタッフバッグを販売しています。
例外
完全防水の大型サドルバッグも少ないですが存在します。全ては紹介できませんが、代表的なものを紹介します。
方式としては、「溶着式」「ホルスター式」が存在します。
オルトリーブ シートパックシリーズ
まずは、防水の代名詞でもあるオルトリーブ。
オルトリーブは、生地同士を縫製せず、溶かして接着する方法を取っています。この溶着処理が、オルトリーブのコア技術であるとも言えます。
APIDURA ドライシリーズ
APIDURAのドライシリーズも、オルトリーブと同じく生地を溶着することで完全防水を実現しています。
似たような溶着を採用した大型サドルバッグはいくつかあり、そうした製品は完全防水です。
Revelate Desings Terrapin
溶着ではない方式で防水を実現しているのが、大型サドルバッグの始祖「Revelate Desings」のテラピンです。
先程紹介した防水のスタッフバッグを、ケースに突き刺す形のサドルバッグ。「ホルスター式」と呼ばれることもあります。Blackburnのアウトポストシートパックも同様の方式を採用しています。
④ ライトの明るさの持続時間
4つ目は、「ほとんど全てのライトはだんだん暗くなる」という話。
明るさと点灯時間
自転車用ライトのパッケージには大抵、「●●ルーメン/○○時間点灯」と言った、「明るさ」「点灯時間」が書かれています。
しかし、ほとんどの場合、ここに書かれている明るさは「電池が満タンの時の明るさ」を指しています。電池が減ると、どんどん暗くなっていくわけです。こうしたライトは、自転車界隈では「ダラ落ち」と呼ばれます。
それに対して、表記の点灯時間の間、明るさを維持するライトもあります。これを私は「一定光量」と呼んでいます。かつて、キャットアイが使っていた表現になります。
ダラ落ちと一定光量の見分け方
一応、見分ける方法はあります。下の記事に詳しく書いたので、気になる方は御覧ください。
例外
電池が減っても明るさを保つ「一定光量」ライトの一例です。
CATEYE GVOLT70
自転車用ライトについて厳格な規定を持つドイツ向けに作られたライト。
日本向けの仕様調整はされていますが(点滅モードが有る)、明るさは最初から最後まで一定です。
CATEYEは全てのライトが一定光量ではありませんが、高額な上位モデルは一定光量であることが多いです。
OLIGHT RN1500
OLIGHTは基本的に全てのライトが明るさを保つように作られているそうです。話題となったRN1500も例外ではありません。
まとめ
以上、「もっと早く知りたかった」ロードバイク会話の機材ネタシリーズでした。
半分くらいは私の勝手な勘違いもあるかと思うのですが、同じような思い込みをしていた人も少なからず見てきたので、こうして一つの記事に纏めました。勘違いしている人がいたら教えてあげてください。
とりあえず、「表記スペックは鵜呑みにしない」「思い込みで使わない」というのが、上記のネタに共通して言えることですね。先入観を持たずに、実際に使ってみてどうなのかを確かめるというのは、やはり大事なことなんだなというのが、この10年間の学びです。
その他にも以下のようなネタはあるのですが……
・防水グローブと防水ソックスの防水性能
・ロード用タイヤの想定リム幅
・Garmin以外のGPSサイコン
・ディスクロードのアレコレ
物議を醸しそうなので、詳細を語るのは今回は避けておきます。
ブログ内にそれとなく触れている記事はあるので、気になる方は探してみてください。
著者情報
年齢: 36歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。