【ルートガイド】志賀草津高原ルート(群馬側・草津~渋峠)

  • 2021年4月28日
  • 2021年4月29日
  • 群馬県
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国道292号線の長野県湯田中・渋温泉郷と群馬県草津温泉を結ぶ約41kmの山岳観光道路が「志賀草津高原ルート」です。

本記事では、志賀高原ルートの群馬側、草津~渋峠までのサイクリングルートを紹介します。自転車乗りが「渋峠に行く」という場合はこの区間を指すことが多いです。

ルート概要

車道が通る2000m超の峠は国内で5箇所(渋峠・麦草峠・大弛峠・コマクサ峠・大河原峠)しかありません。渋峠の標高は2172m。もっとも標高の高い地点には展望台が設けられ「日本国道最高地点」の碑が建てられています。

 

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自転車旅雑誌「シクロツーリスト」が実施した「好きな峠」ランキングでは、200もの峠の中で堂々の2位を獲得。ただ標高が高いだけではなく、ルート中の眺望も日本屈指のダイナミックさを誇り、自転車乗りだけではなくツーリングを愛する人達の聖地となっています。

今回紹介するのは渋峠に群馬側から到達するルートですが、近年は火山活動が活発で通行禁止となることが多く、走れるチャンスはあまり多くありません。高所のため天気も非常に変わりやすいので、走りに行く際には交通規制情報と天気予報のチェックを忘れずに。

ルートマップ

距離: 18.5km (天狗山~渋峠)
平均勾配: 5.1%
最高標高: 2172m

スタート地点は、同ルートで行われるヒルクライム大会「ツールド草津」のスタート地点である、草津町・天狗山レストハウス前としました。

アプローチ

草津スタートの場合、まずは草津町に辿り着くまでが中々大変。東京からだと在来線で約3時間半かかってようやく最寄り駅に到着します。その日のうちに渋峠まで登るつもりならば、始発に乗るべきです。

草津町には、鉄道駅がありません。そのため、標高600mにある最寄り駅で下車して、標高1200mの草津町まで登る必要があります。

 


最寄り駅はJR吾妻線「群馬大津駅」ですが、写真中央のプレハブ小屋が立っているだけの無人駅です。Suicaの精算機もありません。

このため、一つ手前の「長野原草津口駅」で降りたほうが良いでしょう。こちらは有人駅で、Suicaの精算機もあります。

長野原草津口駅から草津町までは約14kmのヒルクライムです。国道292号線をひたすら登れば到着しますが、ハイシーズンは車の量が多いので注意。

車が多いのが嫌な場合は、一本東の白砂川沿いのルート(こちらも国道292号線)を通るのも良いと思います。若干舗装状況は悪いですが、ひなびた良い道です。

交通規制など

この辺りは豪雪地帯であるため、冬期(例年10月末~4月末)は閉鎖されます。また、冬期だけではなく、火山活動が活発な時期には、そちらの理由でも閉鎖となります

志賀高原観光協会

上信越国立公園 志賀高原の公式サイト。 四季を通じて志賀高原に関する様々な情報を提供。 ネットから空室検索・オンライン予…

走りに行く前に、志賀高原観光協会のサイトで最新情報を確認することをオススメします。「車は通れても、自転車やバイクはダメ」ということもあるので、よく条件を読んでください。

走行レポート

実際の走行写真を交えて、ルートの様子を紹介します。今回は、冬季閉鎖解除直後の4月末の様子です。

天狗山~殺生ゲート

天狗山レストハウス前からスタート。前述の通り、ここは「ツールド草津」のスタート地点です。近年は火山活動が活発で、この大会もしばらく開催されていません。

 

登り始めると、すぐに交通規制を表す電光掲示板が。「終日通行可能」の文字に嬉しくなりました。

 

スタートからしばらくは、それなりに木が生えた中を走っていきますが、徐々に木の数が減っていきます。写真は殺生ゲートの手前あたり。

 

殺生ゲート前の山小屋。ここから約1kmの区間は「停止してはいけない区間」です。道路脇の岩場からは有毒ガスである硫化水素が絶えず噴き出しています。火山活動が活発な時期はこちらのゲートが閉められて通行不可能となります。

強度を上げて息が上がると危険なので、なるべく息を乱さないように登っていきましょう。

殺生ゲート~白根山レストハウス

「息をしてはいけない区間」を抜けた辺り。画面奥の灰色の部分が、「殺生河原」と呼ばれ、硫化水素が絶えず噴き出している区間です。

 

徐々に高い木が姿を消し、クマザサが路肩に増えてきます。ここで標高1600mほど。森林限界を超えつつあるようです。

 

標高1700mあたり。すっかりクマザサだらけで鉱山の雰囲気が漂ってきました。見通しも良くて気分は最高。

 

標高1900mの展望台より。ここまで登ってきた道が一望できます。遠くに草津の街も見えますね。

 

本白根山。この特徴的な見た目の山が見えてくれば、もうすぐ白根山レストハウスです。

 

白根山レストハウス。まだ火山警戒レベルが高いこともあり、この日は休業中。営業していれば、トイレやレストランが利用できます。

この日は途中で飲み物が尽きて、何とか白根山までたどり着きましたが、自動販売機すらも動いておらずに困り果てました。渋峠を登る際には、飲み物を潤沢に持っていったほうが良いです。

 

エヴァ風フォントが緊張感を漂わせる緊急避難所。どういうときに使うんだろう……?

どうやら噴石避けの目的のようです。そういえば御嶽山での噴火でも、噴石で亡くなられた方がいましたね。

白根山レストハウス~渋峠

白根山レストハウスから、万座三叉路までの区間は一旦下りとなり、そこから渋峠に向かってもう一登りとなります。

 

万座三叉路を上から見た図。5月末にならないと冬季閉鎖が終わりませんが、グンマーネタでおなじみの毛無峠にはこちらの道からアプローチします。

 

渋峠への途中にある「山田峠」周辺での一枚。この辺りは左右が開けていることもあり、風が強く吹くので走行時は注意が必要です。

 

山田峠の先に、有名な「雪の回廊」があります。4月の開通直後にしか見られない風景です。

 

雪の回廊を上から見るとこんな感じ。高さ3mくらいですかね。

 

雪の回廊の上にある展望台から。

 

更に進むと、ようやく最高地点に到達。有名な「日本国道最高地点」の碑がある展望台です。我が家のマスコットキャラクター「トビネズミ2号」と撮影。

 

この展望台からの風景も見事。是非、愛車と写真を撮りたい場所です。

 

峠を少し下ると、長野県との県境に「渋峠ホテル」があります。「ナニコレ珍百景」でも紹介された、県境の上に立つホテル。休憩所も兼ねており、「日本国道最高地点 到達証明書」も売ってます。

 

毎回、ここに来るとファンタを飲んでいます。ヒルクライム後のファンタは最高です。

 

ホテルの看板犬・マーカスくん。先代のインディーくんは2019年に亡くなってしまいましたが、マーカスくんが元気に迎えてくれます。

渋峠からの帰路

帰り道は、長野方面へそのまま抜けるか、草津へ戻るかの二択になります。

長野方面は約30kmの長い下りで湯田中に至り、そこから25kmほどでJR長野駅に到達できます。ほぼずっと下りなので、2時間ちょっとで到達できるはず。

オススメは草津方面へ戻るルート。こちらは18kmほどで草津に至るので、1時間は掛かりません。

 

更に、登りでは気づかなかった素晴らしい風景が見られたりするので、是非群馬側を往復ともに走ってほしいですね。

また、夏場でも下りは寒いので、フルフィンガーグローブとウインドブレーカーは持っていったほうが良いでしょう。

 

この日、私達は草津に戻って、温泉宿で一泊しました。

まとめ

様々な自転車雑誌で「峠ファンの聖地」と呼ばれる渋峠。その名に違わぬ最高のツーリングルートです。私も全国でいろいろな道を走りましたが、ここだけは何度来ても飽きません。

 

ヒルクライムが嫌いな私の妻も、ここだけは「また行きたい」と言うほど。未訪問の方は是非行ってみてください。損はしないと思います。


そんな渋峠ですが、昨今は訪問のハードルが上がっています。以前は「季節」という縛りのみでしたが、現在はそれに加えて「火山活動」という縛りも加わっているからです。

先日、ようやく走りに行けましたが、実に自転車が走れるようになったのは4年ぶりのことでした(2018年に1日だけ通行可能になった日があったものの、翌日封鎖)。

走れるチャンスがあれば、是非そこを逃さずに訪問されることをオススメします。


この記事を書いた人
ばる
ロングライド系自転車乗り。昔はキャノンボール等のファストラン中心、最近は主にブルベを走っています。PBPには2015・2019年の2回参加。R5000表彰・R10000表彰を受賞。

趣味は自転車屋巡り・東京大阪TTの歴史研究・携帯ポンプ収集。

【長距離ファストラン履歴】
・大阪→東京: 23時間02分 (548km)
・東京→大阪: 23時間13分 (551km)
・TOT: 67時間38分 (1075km)
・青森→東京: 36時間05分 (724km)