「Brand-X」の正体を探る

先日、互換スルーアクスルのレビューを書きました。

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このスルーアクスルのブランドである「Brand-X」。レビュー中でも「イマイチ正体が分からない」ことは書きましたが、気になってきたので正体を調べてみました。

Brand-Xとは

主に、WiggleやChain Reaction Cyclesで製品が取り扱われているブランドです。

Wiggle 日本 ウィグルでは、 Brand-X を幅広くご提供。サイクリング・ランニングスイミング・トライアスロン用…

 Welcome to Chain Reaction Cycles - The Worlds Largest Onlin…

他にもいくつかのサイトで取り扱いがありますが、そのほとんどはイギリスに集中しています。そして、どのサイトを見てもブランドに関する説明が一切ありません

Bike24 Online Shop

なぜかドイツのサイトであるBike24でも取り扱いがあります。ここには一応ブランドの説明がありますが、

Brand-Xは、有利な価格性能比で自転車の部品とコンポーネントを販売しています。範囲は、ボールベアリングやヘッドセットから、マウンテンバイクやロードバイク用のネジセットにまで及びます。Brand-Xは常に品質に注意を払い、すべてのドライバーに個別化を提供します。

と、実に一般的な内容しか書かれておらず、一体いつ頃からあって、どの国のブランドなのかがはっきりしません。

そもそもが「Brand-X」という、日本語で言えば「匿名希望」的なブランド名。明かす気はないのかもしれませんが、ちょっと正体を探ってみることにします。

Brand-Xの品揃え

なぜこのブランドがそんなに気になったのかと言えば、その品揃えの豊富さです。

ラインナップ

下記の製品をラインナップしています。

・完成車
・ハンドル
・フレーム
・ヘッドパーツ
・シートポスト
・スルーアクスル
・サドル
・ドロッパーポスト
ロードやMTBなどの小物パーツからフレームまで、一台組めてしまうだけのパーツたち。そのラインナップの豊富さは、日本の東京サンエス(DIXNAやOneByEsuの会社)にも通じるものがあります。
しかも、どれも妙に安い。ヘッドパーツなんて1000円切ってます。ちょっと心配になる値段です。

OEM品が多い?

ただ、多くの製品が自社企画のオリジナル製品だと思われる東京サンエスに比べると、Brand-Xの製品は「どこかで見たことがある」製品が多いのも事実です。

一例を上げると……

Brand-X Ascend II ドロッパーシートポスト - Lowest Prices and FREE shipp…

このドロッパーポスト。海外のレビューサイトでも触れられていますが、恐らく下記と同じものです。

台湾のパーツメーカーのTranzX。ロゴこそ違いますが、スペックや重量は一緒です。ちなみにTranzXはBianchiのステムやハンドルを手掛けています。

Brand-X ボルトスルーアクスル - Lowest Prices and FREE shipping availab…

他にも私が購入したスルーアクスル。これも恐らく同じものを見つけました。

Kinesis Bikes

Switch lever thru axles with Kinesis Bikes. Our replacement …

私のクロスバイクに付けてるカーボンフォークの販売元であるKinesisです。Kinesisが採用しているなら、確かな品質のものでしょう。


他にも探すと色々出てきそうですが、パクリ製品というわけではなく、工場が共通なのでしょう。いわゆるOEM製品ですね。

 

Brand-Xの正体

この章ではBrand-Xの正体に迫ります。

Wikipediaの記述

調べていくうちに、英語版のWikipediaに以下の表記を発見しました。

CRC makes a small number of its own components and one complete bicycle under its own brand name, “Brand X”.

どうやら、「CRC(Chain Reaction Cycles)」のプライベートブランドであるようですね。

Web Archiveを確認

過去のWeb才知を保存しているWeb ArchiveでCRC内のBrand-Xのページを確認してみると、2013年からページが存在していることが確認できました。当時のラインナップは更に充実しており、飛行機輪行用バッグやカーボンフレーもラインナップされています。

これに対して、Wiggle内のBrand-Xのページが登場したのは2017年から。

この間に何があったかと言えば、「WiggleによるCRCの買収」です。2016年7月にWiggleがCRCの株式を100%取得し、子会社としています。つまり、CRCが子会社になったことでWiggleでもBrand-Xが売られるようになったということですね。

Lifelineとの棲み分け

しかし、Wiggleにもプライベートブランドがあります。「Lifeline」です。このブランドに関しては、Wiggleのサイト内にはっきりと「自社ブランドである」との記述があります。なお、Wiggleの自社ブランドは、「dhb、Vitus、Nukeproof、LifeLine、Prime」であると書かれています。Brand-Xは含まれていませんね。

Wiggle 日本 ウィグルでは、 LifeLine を幅広くご提供。サイクリング・ランニングスイミング・トライアスロン…

Lifelineの品揃えは往時のBrand-Xを凌ぎます。300近くの製品があり、Lifelineの製品だけで自転車生活が完結してしまいそうなほど。そして、Brand-Xのキャラと完全に被っています(Lifelineにスルーアクスルはありませんが)。

もしかしたら、近い将来、Brand-XはLifelineに吸収されてしまうかもしれませんね。買収された側のブランドというのはいつの間にか消えてしまうことが多いので……。

まとめ

「Brand-XはCRCのプライベートブランドである」というのが、今回の調査の結論です。

CRCの連れ子だったBrand-Xは今の所生き残っていますが、買収先のLifelineと存在が被っているため、長くは残らないかもしれません。とりあえずスルーアクスルの出来は素晴らしかったので、もし吸収されたとしても残して欲しいところです。

著者情報

年齢: 35歳(執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)

# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。