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ついに出会えた「ベルクロ軽量SPDシューズ」の後継者
シマノのエントリーシューズ「XC1」を買いました。
個人的に待ちに待った「ベルクロ軽量SPDシューズ」の後継モデルです。
経緯
2015年のPBPは剛性の高いシューズで参加したのですが、終盤に足裏の痺れに悩まされました。
その次の1000kmブルベでは、ソールが柔らかいシマノの一番安い「ベルクロSPDシューズ」を試験導入。これがとても良かったので、以後はあえて一番エントリーモデルの3本ベルクロシューズを使ってきました。
ベルクロ軽量SPDシューズ
2015年から「ベルクロ軽量SPDシューズ」をブルベに導入しましたが、それ以前から普段遣いに良い&シマノが足型に合ったので、2010年頃からモデルチェンジを追いかけながらずっと購入しています。
「ベルクロ軽量SPDシューズ」は私が勝手に呼んでいるジャンル名で、シマノとしてそういったシリーズがあるわけではありません。
私が代々買ってきたのは、シマノの「クロスカントリー用の入門シューズ」に位置づけられるモデルです。特徴は以下の通り。
・アウトソールはゴム製で歩きやすい。
・剛性はシマノ基準で5(柔らかめ)であることが多い。
・3本ベルクロで軽い。
使用歴
ブルベでハードに使うと1年くらいでシューズがくたびれてしまうので、大体年に一度のペースで買い替えています。
モデル名 | 備考 |
SHIMANO M075 | |
SHIMANO M076 | |
SHIMANO XC30 | |
SHIMANO XC31 | 4足使用 |
備考に書いていますが、XC31はのべ4足使いました。それだけ気に入っていたのもありますが、買い替えができない理由があったのです。
モデルチェンジで路線変更
2018年モデルで、シマノのMTB用シューズは大幅にリニューアルされました。
MTB用のエントリーモデルとしては「ME2」なるものがラインナップされたのですが……
ゴツい……。
アウトソールが明らかにゴツくなりました。MTB用としては正当な路線変更とは言えます。
重量は公称で345g(42サイズ)。XC31が327g(42サイズ)だったので、見た目通りに増量しています。私が使っている43サイズだと350g越えは確実でしょう。
そして、愛用のXC31は廃番が決定。当時2足目のXC31を使ってた私は、海外通販や国内通販に残っていたXC31の在庫を2足保護して大事に使い続けていました。
代用シューズ探し
ブルベ用シューズは、自分の使用ペースだと一年、長くても二年で履きつぶすことになります。残り2足のXC31でブルベを戦える時間は長くありません。
ということで、代用シューズを探すことにしました。対象はやっぱりシマノのSPDシューズです。足型的に他がイマイチ合わないので。
4つのシューズを試しましたが、ブルベ用に正式採用出来るシューズには出会えませんでした。
XC5 (SH-XC500)
実測308g(43サイズ)。
恐らくGIROあたりに刺激を受けてシマノが出した紐式のSPDシューズです。非常に軽かったんですが、気軽にフィット感を変更できない紐靴がどうにも好きになれず、手放しました。
RX8 (SH-RX800)
実測295g(43サイズ)。
シマノがグラベル用に作った軽量シューズ。ついに300g切りを達成。これより軽いSPDシューズは当時ありませんでした。
しかし、ソールがカーボン製でとにかく固く、200kmブルベで足裏が痺れてしまいました。今はローラー用シューズになっています。
XC5 (SH-XC501)
実測313g(43サイズ)。
前作のXC5は紐でしたが、名前はそのままにBOAダイヤル式に変化。これも中々軽かった。
しかし、靴底がとにかく薄く、これもまた足裏が痛くなりました。知人に譲りました。
RT5 (SH-RT500)
実測340g(43サイズ)。
シマノの「ロードツーリング」用モデル。ME2と同時期に登場しています。ME2より軽く、重量はXC31と同程度。恐らくシマノ的には、「軽量なSPDシューズが使いたかったらコレを買ってね」というモデルだったのでしょう。
中々悪くはありませんでしたが、どうも甲の高さが合わず。それまでの「ベルクロ軽量SPDシューズ」とは若干形が違うように感じました。
XC1、購入
前置きが長かったですが、ようやく今回の本題「XC1」の話です。
XC1とは
XC1 (SH-XC100)は、2021年モデルとして発売された入門用MTBシューズです。
まず思ったのは「ゴツさが消えたな」ということ。ME2のようなゴツいアウトソールではなく、XC31時代のような控えめなものに変わったように見えます。
そして、2021年モデルではロードツーリングモデルの「RT5」が廃番となっています。一度「ME2」「RT5」に枝分かれした入門SPDシューズが、ここに来て再び「XC1」として合流したようですね。
購入を決意
2020年8月からすでに販売されていましたが、しばらくXC1の購入を躊躇していました。
理由は公称重量。「334g(42サイズ)」と、結構重めな表記であることが気になっていました。
しかし、PBP前に下ろした在庫最後のXC31も既にかなりヘタリが目立つように。足首部分は広がってガバガバになり、ペダリングにも支障が出るようになってきていました。
そんな中でAmazonを見たら、何とXC1の実売が7000円台まで安くなっていました。確か定価は12000円くらいのはず……。
ここまで4足連続で満足のいかないシューズを買っていたので若干躊躇しましたが、この値段なら良いかと思い直し、購入を決めました。
後から知りましたが、今年の3月に定価が下がり、9350円まで安くなっていたんですね。これは安い。
ファーストインプレッション
XC1のファーストインプレッションを書いていきます。届いたその日に80km走ってきました。
見た目
思ったよりもスッキリしています。表皮も高級感があって、定価10000円以下とは思えません。
重量
驚いたのが重量です。
実測重量が304g/308g(43サイズ)と、やたら軽い。
公称重量が334g(42サイズ)なので、一つ大きい43サイズは340-350gくらいかなと予想していました。シマノは公称重量が割と正確なイメージがあったのですが……ここまでの下振れは初めてですね。この重量だと、同社最軽量のRX8(実測295g)とあまり変わりません。
ただ、見る限りかなり軽量化を意識した構造になっており、この構造で334gは無いだろうなという印象も受けました。公称重量が間違っているんじゃないかと思います。実はもう一足注文したので、届いたら続報を書きます。→記事の末尾に追記しました。
フィット感
XC31のフィット感が帰ってきた感触がありました。新品のXC31に似た感触です。ただ、若干横幅はXC31比でタイトになった印象もあります。
良いな、と思ったのはベロと靴底を繋ぐゴムバンドが無くなったこと。サラウンドラップ構造を採用したRX8とXC5(SH-XC501)はゴムバンドが付いていて、とにかくシューズを履きにくかったのです。
同じくサラウンドラップ構造を採用したXC1も当然ゴムバンドが付いていると思っていましたが、無くなっていましたね。不評だったんでしょうか。
走行感
履いた感じがとても良い感触だったので、早速クリートを取り付けて80kmほど走りました。
ソール剛性は適度でアッパーもしなやか。足裏が痛くなることもなし。ソールがある程度しなるのでコンビニでも歩きやすい。
短いライドでしたが、「これが欲しかったシューズだ」という確信を得られました。
まとめ
2018年にXC31が廃番になってから探しに探して見つからなかった「ベルクロ軽量SPDシューズ」の後継者をようやく見つけることが出来ました。
今後のブルベはこれで走る予定。くたびれたXC31(4足目)もようやく引退させられます。
XC1を見つけるまでに試した4つのシューズも悪くはありませんでした。作っているメーカーは同じですし、サイズ感も近いものがあります。しかし、何というか……「好きだった漫画の続編を購入したら、実は作画が別の人になっていたスピンオフ作品だった」みたいな違和感があったのです。
それに対して、XC1は「原作者による正当な続編」という印象。一度は途切れたXC31の系譜が、MTB用/ロードツーリング用の分岐を経て、再度合流して戻ってきてくれました。
早速、使い始めて間もないのにXC1の2足目を注文しました。お気に入りのシューズはいつ無くなるか分かりませんからね。確保しておかないと。
追記(2021/4/19)
早速、予備用に注文したXC1が届きましたが、こちらも43サイズで307g。やはり305g前後が通常っぽく見えますね。かなり軽いです。42サイズだと300gを切ってくるかもしれません。
著者情報
年齢: 36歳 (執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。