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ブルベ新規参加者のための準備内容チェックリスト
「ブルベ新規参加者のための装備チェックリスト」が好評だったので、その続編記事です。ブルベ前に「準備としてやること」を纏めたチェックリストを作ってみました。
来年からブルベに参加しようとしている方で「どう動いてよいか分からない」という方も多いと思うので、そういった方の参考になれば幸いです。
本記事執筆のきっかけ
前書きに書いた通り、下記の記事が割と好評だったことが理由です。
長いこと当たり前のようにやっていたことを纏めただけですが、求めている人にとっては有益な情報になりうるのだな、と改めて実感しました。
また、この記事への反応として「私もリストを作ってるよ!」というものも多かったのですが、そうした方は大抵「ライトの充電をする」「タイヤに空気を入れる」みたいなTODOリストも一緒に作っていることに気づきました。
それならば、続編として「ブルベ前にどんなことをやれば本番で困らないか」を纏めてみようと思い、本記事を書き始めました。
本記事では、ブルベ参加にあたって必要な準備内容を時系列でまとめています。参加の際に、ご参考に見ていただければと思います。
注意事項
本記事のチェックリストをご利用いただくにあたっての注意事項です。お読みの上、ご利用ください。
- 本記事で紹介している装備は、執筆者が考える必要な準備を一覧化したものです。
人によっては、このリストにない準備をやる人もいます(道中グルメスポットのリストアップとか、スカイダイビング場所の物色とか)。 - 本記事は、必要と思われる準備内容を出来る限り多くリストアップしています。
人によっては不要なものも含まれていることをご理解ください。 - 本記事は、国内で開催される&スタート地点まで自走できる場合のBRMへの参加を想定しています。
海外ブルベや、前泊の必要な遠征ブルベの場合には追加の準備内容が必要です。 - 本記事は、2020年12月1日現在の国内BRMのルールを元に作成しています。
ルールは適宜改定されるので、BRM参加時には主催団体のホームページを必ずご確認ください。 - 本記事のリストでは、ルール上必須、または必ずやるべき準備の背景色を赤色、団体によっては必須である準備の背景色を黄色にしています。
ブルベでは、大本のBRMのルールに加えて、各地の主催団体(オダックス埼玉、オダックス近畿、AR日本橋など)が追加したルール(ローカルルールと呼ばれる)に従う必要があります。
参加するブルベの主催団体のホームページは必ず確認するようにしましょう。
準備内容リスト
本記事では、時系列でチェックリストを作成しています。
下記が準備内容チェックリストです。
時期 | 準備項目 |
1~6ヶ月前 | 自転車保険に加入 |
BRMエントリー | |
宿泊場所の予約 | |
1~2週間前 | 消耗パーツの減り具合の確認 |
調達の難しい製品の入手 | |
ショップでの調整 | |
初物パーツのテスト | |
1週間前 | キューシートの確認 |
ルートデータの作成 | |
ルートデータの格納 | |
参加要項を熟読する | |
3日前 | いつもより長めの睡眠を開始 |
カフェイン断ち | |
自転車の整備 | |
1日前 | 買い出し(補給食&消耗品) |
現金を引き出す | |
電子マネーをチャージする | |
各種電子機器の充電 | |
天気予報の確認 | |
ウェア類の準備 | |
持ち物の準備 | |
追加装備の準備 | |
ブルベカードの記入 | |
権利放棄書の記入 | |
キューシートの再確認 | |
とにかく早く寝る | |
当日朝 | 天気予報の再確認 |
ウェア・持ち物の調整 | |
空気圧のチェック | |
朝食を食べる | |
トイレに行く | |
出発する |
このリストは準備する時期別にカテゴリ分けをしています。
ここから、各カテゴリごとに解説していきます。
1~6ヶ月前
日本国内で開催されるBRMは、事前に参加申込(エントリー)が必要です。当日いきなり会場に行っても参加することは出来ません。
★自転車保険に加入
ブルベに参加するには、所定の条件を満たした自転車保険に加入している必要があります。
日本のブルベを統括するAudax Japanサイト内の上記ページに必要な保険の要件が書かれています。
「自転車保険」と書きましたが、自転車事故による個人賠償を保証してくれて、補償金額を満たした保険であれば、何でも大丈夫です。私は会社で入っている共済保険でカバーしています。既に加入している保険がブルベのために使えるかを確認してください。
使える保険が無ければ、新規で加入する必要があります。保険に加入してもすぐにブルベにエントリーできるわけではありません。保険の証券番号が必要となります。オンラインで加入できる保険であれば証券番号がすぐに発行される場合もありますが、発行まで時間がかかる場合があります。
ブルベのエントリーを考えている場合は早めに保険に加入しておきましょう。
★エントリー
参加申し込みは各主催団体のサイトから行います。各主催団体は概ねスタート地点の地域別に分かれています。まずは自分の居住地に近い団体にエントリーをするのが普通だと思います。私だと神奈川在住なので、AJ神奈川やランドヌ東京(東京という名前ですが、スタート地はほぼ川崎市)あたりがエントリーしやすい団体ということになります。
スポーツエントリーというサイトの申込システムを使っている団体が大多数ですが、独自システムを使っている団体もあります。
注意しなくてはいけないのは、ブルベの参加申込が始まる時期は意外と早いということです。
大体開催の2ヶ月程度前から募集されることが多いですが、8月開催のブルベが1月から募集をしているなんてことも普通にあります。この裁量は各団体に任せられています。
また、昨今ブルベの人気が高まっており、人気のコースは数分で枠が埋まってしまうこともあります(エントリー峠などと呼ばれます)。どうしても参加したいブルベがある場合は、募集開始時刻にパソコンの前で待機することも覚悟しなくてはなりません。募集開始日と時刻は各団体のサイトに掲載されていますので確認が必要です。
エントリーシステムから参加費の決済が出来る場合もありますが、銀行振込が必要な場合もあります。その際は入金を忘れずに。
宿泊場所の予約
無事にエントリーが出来てもまだ安心はできません。
600km以上のブルベでは(*)道中で仮眠を取らずに完走することは難しくなります。
* : いきなり600km以上のブルベにエントリーする人はそうそういないと思いますが、網羅性の意味でこのリストに含めています。
1回のブルベの募集人数は100人程度であることが多く、そのうち出走が80人、ホテルを抑える人が50人いたとします。ホテルの少ない地域であればあっという間に満室になります。なので、事前に「どの辺りで仮眠を取るか」を意識しておき、エントリーの直後にホテルを抑えてしまうのが良いでしょう。じゃらんnetや、楽天トラベル等で予約します。
健康ランドやネットカフェ等、飛び込みで入れる施設で仮眠を取るという人はホテルの予約は不要です。公園のベンチなどで横になる人もいますが、日本国内では道中のホテルを予約する人のほうが多いです。質の高い睡眠は短時間でもかなり体力が回復しますしね。
600kmブルベを例に取ると、深夜1~2時に通過する街のホテルを抑えるのが定石だと思います。朝6時スタートなら、19~20時間後に通過する場所ということです。時速18km/hで走ったとすれば、350km前後の地点ですね。
ただし、ブルベでは各PC(チェックポイント)にクローズ時間があり、それに間に合わないと失格となります。2024年にBRM規約が改正され、途中のPCのクローズ時間は撤廃されました。ゴール時刻までに間に合えば良くなりましたが、団体によってはローカルルールでクローズ時間を設けている場合もあります。
慈悲のある主催者なら、ホテルの多い街の手前にPCを置いてくれるので、PC通過直後にあるホテルを予約するのが良いでしょう。そして、次のPCのクローズ時間前に到着できるように仮眠時間を計画します。大抵の人は3~4時間しか滞在できないのですが、それでもベッドで寝られる回復効果は計り知れません。
1~2週間前
ブルベの出走日が近づいてきました。この時期には、準備や手配に時間がかかる作業をやっておきます。
消耗パーツの減り具合の確認
まずは、消耗パーツの減り具合を確認しておきます。ブレーキシュー・タイヤのすり減りチェック(写真の状態は問題外ですが)、チェーンの伸びチェックをやっておき、既に消耗していると判断したらこの時期に交換しておきましょう。
ブルベでは、通常一回では走らないような距離を走ります。その最中に消耗品が寿命を迎えるのはよくあることだと考えてください。だから、使い切っていなくても事前に新しいものに交換することが大切です。
変速の不具合がある場合、シフトケーブルが切れかかっているか、チェーンが伸びていることが多いです。自分で判断できなければショップでプロに整備を頼みましょう。出先でシフトケーブルが切れると、トップギヤ固定になって悲惨です。
携帯ポンプマニアとしては、たまには携帯ポンプがちゃんと使えることを確認したほうが良いとも思っています。いざ使おうとした時にパッキンが死んでいて空気が入らない……というのは割とよく聞く話です。パッキンは消耗品です。
調達の難しい製品の入手
手配に時間がかかる製品の入手もこの段階から動いておきます。近所のスーパーやコンビニで売っているものなら良いですが、専門店でないと手に入らないものは先行して入手しておくべきです。直前に手に入らなくて焦るのは嫌ですしね。
私は、GPSサイコン用のリチウム乾電池や、アミノバイタルプロ等のこだわりがあるサプリメント類を通販で入手します。ノーマルのアミノバイタルは薬局でもよく見るんですが、アミノバイタルプロはあまり置いていないので……。
初めてブルベに挑戦される方は、この段階で不足してる装備を揃えておきましょう。こちらの記事を参考にしていただければと思います。
ショップでの調整
何らか自覚できる不具合があり、自分で直せない場合はショップに持ち込んで作業をお願いすることになります。
昨今、自転車屋さんもかなり忙しい事が多いので、直前ではなく時期に余裕を持って作業を頼む必要があるでしょう。
初物パーツのテスト
新しくブルベに投入しようとしている初物パーツのテストもこの時期にやっておくと良いです。
ブルベに限りませんが、イベントごとに初めて使うパーツをいきなり投入するのは危険です。不具合が出て、それが原因でリタイヤとなったら目も当てられません。
事前のテストとして50km程度は走ってテストはしておいたほうが良いと思います。特にタイヤは100kmほど走らないと初期購入時のワックスが取れない場合もあります。
1週間前
いよいよ来週はブルベ本番です。この時期は、コースの確認が主な作業となります。
★キューシートの確認
大切なのがキューシートの確認です。ブルベではキューシートに定められた通りに道を走る必要があります。それゆえ、事前にキューシートを確認するのはブルベ参加者の義務とも言えるでしょう。
キューシートは各団体のサイトで配布されています。参加者以外にキューシートを公開しない団体もあり、その場合はメール等でURLが通知されるはずです。パソコンの画面上で確認するか、印刷して確認することになります。
キューシートは、大体ブルベ開催の一週間前くらいに最終バージョンが配布されることが多いです。開催日の2週間前を目安にスタッフがコースがちゃんとキューシート通りに走れるか「スタッフ試走」を行います。コース途中には、工事で走れない場所があったりすることがあるので、コースの修正が入ることもあります。その結果が反映されるのが大体一週間前というわけです。
キューシートには、道順だけではなく、道中の注意事項や走行のヒントも掲載されています。ブルベスタッフが手塩にかけて作った資料なので、ぜひ隅々まで読み込んでください。
ルートデータの作成
印刷したキューシートを見ながら走るクラシックスタイルの人もいますが、現在はGPSサイコンの画面にルートを表示させながら走る人が大多数だと思います。
私はブルベではeTrex30xという乾電池で動作するGPSサイコンを使用しています。
サイコン上に表示するルートデータは、キューシートを見ながら自分で作る必要があります。代表的なルート作成サービスを以下に挙げておきます。
ルートデータの格納
作成したルートデータ・POIデータは忘れずにGPSサイコンに格納し、表示可能な状態にします。
★参加要項を熟読する
3日前
ブルベが目前に迫ってきました。この時期は、体と自転車をブルベに適応させる時期です。
いつもより長めの睡眠を開始
あまりやっているという人は見ないのですが、私は3日前から「寝溜め」をすることにしています。
普段の睡眠時間は6~7時間なのですが、ブルベがある場合は3日前から8時間以上の睡眠時間を確保することにしています。やはり直前に寝不足な状態でブルベに臨むと、走行中に眠くなる危険性があります。こういったことを起こさないためにも、睡眠不足な方は少しでも睡眠負債を返済しておくのは大切です。
ショートスリーパーな人や、普段から8時間以上寝ている人は特に何もする必要はないと思います。
カフェイン断ち
「カフェイン断ち」をする人も多いです。
カフェインは言わずとしれた眠気覚ましの成分です。ただ、体がカフェインに慣れてしまうと効果が現れにくくなります。ブルベ中に眠くなった際のカフェインの効果を最大化するために、数日前からコーヒーなどを飲まないようにするわけですね。
私はもともとカフェインがあまり効かないので、特にカフェイン断ちはしていません。
★自転車の整備
忘れてはいけないのが「自転車の整備」です。
整備の行き届いていない自転車は本来の性能を発揮できませんし、メカトラブルでリタイヤする確率も高まります。是非3日前くらいには確認しておきましょう。
なぜ3日前なのかと言えば、ここで故障や整備不良が見つかったとしても、ブルベ当日までに直す時間を確保できるからです。前日に不具合が見つかってもどうにもならない可能性が高いですからね。
私は自転車全体の掃除をやることが多いです。チェーンやスプロケの清掃と注油もやっておきます。地味なところですが、SPDペダルのバネにもグリスを塗って、着脱がスムーズになるようにしています。
また、ブルベでは自転車に付けなければならない必須装備というものが存在します。例えばフロントライトやテールライト、ベルと言ったものです。付けるべき個数が定まっている場合もあります。こうしたものも、この段階で自転車に付けておくようにしましょう。必須装備はブルベの主催団体によって異なるので、参加するブルベの主催団体のサイトを参照してください。
1日前
ついに明日はブルベです。この日にやることは結構多いですが、なるべく早く寝る必要がある日でもあります。前倒しできる作業はブルベ前日ではなく、前々日にやっても良いです。
買い出し
まずは必要なものの買い出しです。ブルベ中に食べる補給食と、消耗品類を買ってきます。
補給食は、別に自転車用のジェルやバーである必要はありません。お菓子やパンやおにぎりなど、スーパーやコンビニで買える普通の食べ物で良いと思います。私は飴とクッキーがメインで、フロントバッグに大量に入れてあります。
消耗品は、例えば電池など。テールライトやヘルメットライトに使う乾電池やボタン電池を買ってきて、この段階で新品にしておきます。ライト類の電池切れは失格どころか法律違反になるので、それだけは起こさないように準備する必要があります。
家にお菓子や電池が常備してある方は、わざわざ買い出す必要はありません。
お金の手配(現金&電子マネー)
次に、道中で使うお金の手配です。
現金が手元にない場合には、ATMで引き出しておく必要があります。
現金なしでブルベを走ってみたことも一度ありますが、結構大変です。自動販売機はまだまだ現金のみの対応であることが多く、飲み物が買えないといったこともありました。距離にもよりますが、5000~10000円程度の現金は持っておくべきです。
電子マネーのチャージも行っておきましょう(もちろん、オートチャージ機能を使っている方は必要ありません)。
ブルベではコンビニがPCになっていることが多く、電子マネー支払いだと時間と手間を節約することが出来ます。私は大体、ブルベの走行距離の15倍程度の金額を入れておくことが多いです。200kmなら3000円、600kmなら9000円といった具合です。大体これで足ります。
ATMはコンビニにありますし、電子マネーのチャージもコンビニのレジで行えます。コンビニに補給食の買い出しにいったついでに、行うとスムーズでしょう。
電子機器の充電
昨今は自転車周りにも充電が必要な機器が増えました。ブルベ前夜にコンセントに大量のライトが充電のために繋がれている光景はブルベを走る人には見慣れた光景かもしれません(充電峠とも呼ばれます)。
主な充電対象を挙げておきます。
・テールライト
・ヘルメットライト
・サイクルコンピュータ
・モバイルバッテリー
・スマートフォン
・電動変速のバッテリー
天気予報の確認
ブルベにおいて天気は重要です。
雨ならば自転車に泥除けを付けてレインウェアを持つ必要がありますし、気温によってウェアを調整する必要もあります。
また、風向きによって走り方の戦略も変わります。前述のホテルの話にも絡むのですが、ホテルを出た次のチェックポイントまでの風向きが追い風なら、少し長めに寝ることが出来ます。逆に向かい風なら少し早めにホテルを出る必要があるでしょう。
普通の天気予報アプリなどで確認しても良いのですが、「EpicRideWeather」というアプリは視覚的にも見やすく、ルートに沿った情報を表示してくれるので役立ちます(ただし有料です)。
★ウェア類&持ち物の準備
天気予報を確認したら、それに沿ってウェアと持ち物を準備します。
持ち物については、上の記事にまとめてあります。
ウェア類は前日のうちに出しておき、一箇所に固めておくと良いです。翌朝、起きたら着るだけの状態にしておくわけですね。朝、ギリギリまで寝ているための努力です。
追加装備の準備
–
例えば一日中ずっと雨の予報の場合、私は泥除けを自転車に取り付けます。
ブレーキシューも、雨に強いBBBのものに交換します。ヘルメットもシールド付きのAERO-R1を引っ張り出すことが多いですね。
ロードバイク用の泥除けはタイヤとのクリアランスがかなりギリギリであることが多く、調整が不足しているとタイヤに擦ってストレスになるものです。前日のうちにビシっと位置決めをしておきましょう。
☆ブルベカードの記入
団体によっては、スタート前に自宅にブルベカードが届く場合があります。
この場合、自宅で必要事項(名前・住所・所属団体など)を記入してからスタート地点に持参します。書き方については団体のサイトに見本が掲示されている場合が多いです。
スタート地点でブルベカードを配布する団体も多く、こちらの場合はこの作業は必要ありません。
☆権利放棄書の記入
団体によっては、スタート時に権利放棄書という書類を提出する場合があります。
権利放棄書は、「私は公序良俗を守って走行します」「事故等のリスクを承知しています」「イベントが中止になった場合にも返金を求めません」と言った内容の誓約書になっています。
権利放棄書はPDFで各団体のサイトに置かれていることが多いです。この書類を印刷し、署名・捺印をして、スタート受付で提出します。こちらの署名も前日のうちに内容を読み、署名と捺印を済ませておきましょう。
最近はコロナの影響で省略される(スタート受付時の署名で代用)ことも多いです。
★キューシートの再確認
一週間前の時点で確認したはずのキューシートですが、前日にもう一度内容をチェックします。修正されている可能性があるからです。
直前になって通行止めが発覚したり、祭りやイベントで混雑が起こることが発覚したりと理由は様々ですが、直前になってキューシートの変更が入ることはよくあります。
大幅な変更が入ることは稀ですが、ここでGPSのルートデータの修正も同時に行う必要が出てくる可能性は考えておいてください。
とにかく早く寝る
ブルベ前日はやることが多いのですが、「とにかく早く寝る」ことを意識してください。長ければ長いほどよいと私は考えています。
例えば午前6時スタートのブルベの場合、スタート地点までの距離が5km程度でも5時には出発することになります。大抵のブルベではスタッフが注意事項を説明する「ブリーフィング」がスタート30分前から行われるからです。キューシートに反映しきれなかった情報がブリーフィングで説明されることもあるので、聞き逃してはいけません。
家の出発を5時、起床を4時とすれば、20時に寝ないと8時間睡眠は確保できません。仕事と夕食はさっさと終わらせて、布団に入りましょう。
当日朝
しっかり寝て、ちゃんと目覚ましの時刻に起きられれば大体ブルベは何とかなるものです。でも出発前に最後の確認を。
天気予報の再確認
起床後、まずやるのは天気予報の再確認です。
前日寝る前の予報から大きく変化することは稀ですが、台風の時期はコロコロ変わる場合があります。晴れ予報が急に雨になる場合もなくはないので、最終確認をしておきます。
ウェア&持ち物の調整
最新の天気予報を見て、何か変更する必要がある場合はここで変更します。
また、一旦外に出てみて「寒い」「暑い」を感じておくのも大事なこと。その段階で1枚ジャケットを追加したり、ネックウォーマーを足したりすることはあります。
★空気圧のチェック
忘れちゃいけない空気圧チェック。普段走っている空気圧まで空気を入れましょう。
前日にやっても良いのですが、空気は時間とともに少しずつ抜けるので当日朝にやった方が良いでしょう。ここでパンクに気づいたりすると泣けますが……。
前日のうちに少し多めに空気を入れておくのもアリだとは思います。
朝食を食べる
朝食を食べない派の人も多いと思いますが、私は食べたほうが良いと考えています。
スタート地点まで向かうためのカロリーと、スタートしてからしばらく走るためのカロリーが必要ですからね。軽くでも食べておいたほうが良いと思います。
トイレに行く
食べるものを食べたら出すものを出しておきます。
ブルベのスタート地点にトイレは無いことが多く、腹が痛くなると悲惨です。先日私はブリーフィング中から腹が痛く、スタートダッシュでコンビニに駆け込みました。
そういったことが無いよう、トイレは確実に。
★出発
いよいよスタート会場に向けて出発です。
忘れ物の最終確認、家の戸締まりをしたら、事故に合わないようにスタート地点に向かいましょう。大抵のブルベのスタート時間は暗いので、ライトの点灯も忘れずに!
チェックリストのダウンロード
Excel形式でのチェックリストを用意しました。ダウンロードしてご利用ください。
まとめ
ブルベ前の準備内容を一覧形式で紹介しました。
書き出してみると、我ながら「結構色々やってるな」と思いますね。毎回全てをやっているわけではないですが。
ブルベに限らず、準備は大切です。IT業界では良く、「システムの最終的な品質は、設計で8割(諸説あり)が決まる」などと言われますが、ロングライドにおいてもそれは同様だと私は考えています。
ブルベはキャノボほど時間制限がシビアではなく、現場でのリカバリーで何とかなることは多いですが、少しでも走行時のトラブルを減らすために事前準備には全力を注ぐべきでしょう。
完走への道のりは準備段階から始まっています。
気付かれた方もいるかもしれませんが、ブルベの準備には特に「走る練習」みたいなものはありません。強いて言うならば、次に走るブルベが、更にその次に走るブルベの準備になっています。
日本にブルベを持ち込んだ井手マヤさんという方がいらっしゃるのですが、「ブルベの練習はブルベでする」ということを言ってらっしゃいました。もちろん走力があるにこしたことはないのですが、単純なパワーだけでは完走できないのがブルベの難しい所でもあり、面白い所でもあります。
それでも心配な方は、各団体が不定期に開催している「走行会」から参加してみるのも良いかもしれません。ブルベの最低距離は200kmからですが、ブルベ形式でより距離の短い(100~150km程度)イベントを開催している団体はいくつかあります。
有名なところですと、AJ千葉のトライアルブルベでしょうか。85kmと短いですが、ブルベの雰囲気を感じ取ることが出来るはず。また、GPSサイコンやスマホの使用を禁止し、キューシートのみで走る「ミステリーブルベ」という形式の走行会も存在します。少々荒療治ですが、キューシートに無理矢理にでも慣れることが出来ます。
「試走」については意見が分かれる所です。
ここでいう試走はスタッフによるコース確認のための試走ではなく、参加者がブルベ当日より前にコースを走ることを指します。「どうしても完走したい!」と言うことであれば試走は有効な手段ですが、一方で当日の楽しみが減るかもしれません。ネタバレを自分から踏みに行くようなものですからね。
個人的には、本番と同じコースを走るよりは、別のコースを50km程度、コンビニ休憩を挟まずに走る練習はしておく方がブルベ完走には役立つと思います。
この一覧が、来年からブルベに参加する方の一助になれば幸いです。どこかのブルベでお会いしましょう。
著者情報
年齢: 36歳 (レビュー執筆時)
身長: 176cm / 体重: 82kg
自転車歴: 2009年~
年間走行距離: 10000~15000km
ライドスタイル: ロングライド, ブルベ, ファストラン, 通勤
普段乗る自転車: QUARK ロードバイク(スチール), GIANT ESCAPE RX(アルミ)
私のベスト自転車: LAPIERRE XELIUS(カーボン)
# 乗り手の体格や用途によって同じパーツでも評価は変わると考えているため、参考情報として掲載しています。
# 掲載項目は、road.ccを参考にさせて頂きました。