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東京→大阪キャノンボール ④浜松→関
向かい風→追い風
風向きが変わった。これまで強烈に吹いていた南西の風が南東の風に変わったのである。向かい風から追い風へ。まさに神風!
実は急遽4月30日に日程を変更したのはここに理由があった。
風向き予報サイト
大震災直後、風向き予報のサイトがにわかに脚光を浴びた。放射性物質の飛散情報を多くの人が必要としたからである。しかし、自分は風向き予報サイトを見てまずこう思った。
(これ、キャノボに使える!)
キャノボ達成の難易度は、風向きに影響を受ける。有利な風向きの日にスタートすれば、それだけ成功確率は高まるのだ。利用しない手はない。
29日の朝、風向き予報サイトを確認すると「浜名湖以西は30日は午前中は南西風、午後から南東風に変化する」との予報。・・・これはまたとないチャンスではないか?
決行日を変えた理由
基本的に東京と大阪の間には西向きの風が吹いており(いわゆる偏西風)、東京→大阪に挑戦する際にはこの風が大きな障壁となる。
しかし、例外的に東寄りの風が吹くシチュエーションが存在する。それは低気圧が西側にある場合。つまり、大阪方面の天気が下り坂であるときだ。GWの大阪の予報を見ると、4月30日は晴れるが、5月1日は日付変更あたりから雨になるとの予報。
今回、ゴール時間は5月1日の午前0時近辺と予想していた。
一番最後に雨には振られるが、後半280kmは追い風になる公算が高い。浜名湖までの270kmは向かい風に耐えなければならないが、雨の被害を最小限にしつつ追い風の恩恵を得るにはまたとない天気。幸い、自分は群馬出身なので向かい風には耐性がある。前半耐え切れれば、達成が見えてくるのだ。
かくしてGW中旬を予定していたキャノボは4月30日にスライド。
もちろん予報は予報であり、外れる可能性はあった。しかし、自分の背中には追い風の感触がある。念のため、携帯からこの先の風向をチェックしたが、名古屋~三重~大阪も概ね無風か向かい風。・・・そう、これより先、向かい風の区間はない。自分は賭けに勝ったのだ。
好転
あっという間に弁天島を越え、潮見坂を駆け上る。ここでは一瞬通り雨に降られたが、すぐに止む。スレで天気予報をチェックしてくれた人の書き込みによると、ここから先も雨に振られることは無さそうだという。まさに「追い風が吹いてきた」状態。全てが良い方向に向かい始めた。
前回リタイヤした豊橋には13時31分到着。
ここから先は先週試走したばかりのルートだ。試走では全編向かい風で10時間24分掛かった。これから先、追い風区間ばかりだとすれば、疲労を考慮しても試走のタイムより著しく遅くなるとは考えにくい。単純計算をするならば、
13時31分 + 10時間24分(試走タイム) = 23時55分(リミット: 25時02分)
には大阪に辿りつける公算が出来た。タイムリミットまでには一時間以上の貯金がある。
この時点で、正直達成が見えた気がした。やはり試走をしておいて良かった。安心感が全く違う。しかし、パンクや事故などのトラブルがあれば容易に覆る可能性はある。油断しないよう、先を急ぐことにした。
豊橋から岡崎までのゆるい登りは全編追い風。試走では時速25km程度しか出なかったのに、時速30km以上で脚が回る。もうこうなってくると脳内麻薬が過剰分泌状態。眠気は吹っ飛んだ。
岡崎のコンビニには予定よりも19分早く到着。この時点では、目標よりもかなり早くゴール出来るのではないかと見込んでいた。
GWの渋滞峠
岡崎から名古屋までの間も、やはりほぼ無風か追い風。
かなり楽に巡航できるものの、ひとつだけ想定外なことがあった。先週の試走ではあまり無かった渋滞が起きている。GWの土曜日だからだろうか? 名古屋の中心部に近づくほど、信号で止められる確率が増えた。熱田神宮南交差点についたときには、岡崎であった19分の貯金が10分に減少していた。やはりGW、都会の渋滞は侮れない。
熱田神宮を抜けても、渋滞は続く。試走時にここを通過したのは昼下がり。そして今は夕方。次の休憩地点である桑名まで、都市部では渋滞に巻き込まれることが増える。桑名のコンビニに付いたときには10分あった貯金が9分に減少していた。良くない傾向である。
歩道の段差
長良川を渡る橋の上では歩道を通ることを選択。
ここならば渋滞に巻き込まれることもない。しかし、この歩道には所々に段差がついている。段差を乗り越えようとしたとき、トップチューブバッグからエネループがこぼれ・・・川の中へとボチャン。貴重なエネループが2本失われた。その後、エネループはすべてジャージのポケットに入れたのは言うまでもない。
四日市を越えると、走行距離は400kmを超える。
自分の場合、露骨に疲れが出てくるのがこの400kmという距離。しかもここから夜になるということで、平均時速は再び落ち込む。前回の正念場も400km地点で訪れたが、今回も例外では無かった。